
以前、歯周病が進行した人は、歯周病細菌が炎症を起こしている歯肉から血管に侵入して、全身を駆け巡る。新型コロナのウィルス性肺炎の後、続いて起こる細菌性肺炎に歯周病細菌がかかわっている可能性が高い。
細菌性肺炎を防ぐことが出来れば重症化しないと言われています。その為、重症化を防ぐためには歯周病の治療と歯磨きなど(歯垢除去、歯肉マッサージ)の口腔衛生が大変重要であるとのお知らせをさせていただきました。今回はまた口腔衛生に関する新しい知見が報告されました。
以下引用
コロナウイルス 口の中で増殖
アメリカ研究チームが発表
ワールド
2021年6月28日 月曜 午後4:06
緊急事態宣言が解除され、増加傾向にある東京の新型コロナウイルスの感染者。
こうした中で、アメリカのノースカロライナ大学などの研究チームが、気になる研究データを発表した。それは、「新型コロナウイルスは、口の中で直接感染する」というもの。
これまで、目や鼻、そして口の粘膜に付着して、そこからさらに、肺などの細胞に侵入して感染することはわかっていたが、今回新たに口の中、ほっぺの内側や歯茎、舌の細胞にも新型コロナのウイルスが直接感染して、口の中で増殖してしまうということがわかったという。
研究では、無症状の患者であっても、唾液から3週間以上ウイルスが検出された例や、また、味覚・嗅覚の異常を訴えている患者の唾液からはウイルスが見つかりやすいという傾向もあったという。
この結果から、口の中が唾液を通じて他人に感染を広げてしまう、すなわち、口の中が「培養装置」になってしまっているという指摘。
わたしたちが日々できることは何なのか、日本歯科大学附属病院の口腔外科の小林隆太郎教授に聞いた。
うがいと歯磨きの徹底だという。
口の中に汚れがある人ほど、ウイルスが直接、口の中の細胞にくっつきやすくなるということで、日ごろから口の中を清潔にしておく。マスクでふたをするのも大事で、口の中自体を清潔に保つ。
うがいは、水のうがいで十分だというが、のどをガラガラとやるうがいだけではなくて、まずは口の中でクチュクチュとうがいをして、ペッとしたあとで、ガラガラうがいをすることが効果的だという。
感染拡大を防ぐために、口の中の衛生管理を徹底するほか、定期的な歯医者さんでのケアも心がけてほしいという。
以上引用終わり
日本国内では、6月末時点での累積死者数は約15.000人弱です。別の原因で亡くなった時にPCR検査で陽性であれば死者数に数えられますので、直接の死因を調べたらもっと少なくなると言われています。と言うことであれば、死者数は以前のインフルエンザとあまり変わりません。
日本の新型コロナは欧米の20分の1~30分の1です。
内閣官房参与の高橋洋一さんが「日本はさざ波、笑笑」と発言して参与を辞職されました。言葉の選び方に多少問題があったとしても言っている内容は的を射ていたと、私は思います。
日本の死者数の9割以上が60代から上の世代です。そのうち約4割が高齢者施設に入居している方です。あとは、基礎疾患がある方、心疾患、腎疾患、肝臓疾患、呼吸器疾患、糖尿病などの患者さんです。
基礎疾患のない健康な方も少ないですが重症になったり亡くなられていますが、何らかの形で免疫力が落ちている方ではないかと私は疑っています。
例えば、スポーツ選手が重症化することがあります。体を鍛え、技術を高め、いかにも健康そのものだと思っていませんか?しかし、競争に対する精神的ストレスにさらされ、体を鍛えすぎると実は免疫力は下がってしまうのです。水泳の池江里佳子選手が白血病になりましたが、鍛えすぎたため免疫力が下がったことが原因ではないかと、私は疑っています。
K1の選手のアンディ・フグ選手も若くして白血病で亡くなっています。極真空手の創始者・大山倍達氏は自伝の中で「私は若いころ鍛えすぎて内臓がボロボロで長生きできないとお医者さんから言われています」と書いています。70歳で病没されました。
また、ジャンクフードやコンビニ弁当ばかり食べて炭酸飲料をよく飲む方は栄養失調になります。
私が治療していた20代の男性患者さん、ある時治療中断されました。しばらくして来院されましたが、足がしびれて歩けなくなったので入院して1週間点滴して治ったとのことでした。病名を聞いたところ判らなかったそうです。つまり原因不明だそうです。そこで、私は食事について聞いてみました。「食事はセブンイレブンのお弁当、飲み物はコーラが1番うまい」と言われました。
これは明らかにビタミンB1欠乏症です。いわゆる「脚気」です。ビタミン剤をお勧めしました。「江戸患い」とも言います。江戸時代に殿さまが参勤交代で江戸に行くと白米を食べるのでビタミンB1欠乏症になり病気になります。地元に戻ると白米は食べず玄米や雑穀を食べるので健康を取り戻すのです。徳川14代将軍家茂がビタミンB1欠乏症で若くして亡くなったのは有名です。明治の陸軍では白米のご飯を食べさせると宣伝して兵隊を募集しましたが、ビタミンB1欠乏症で大変なことになりました。
また、新型コロナ感染重症者の味覚異常は亜鉛不足が指摘されています。
亜鉛が豊富な食べ物は、特に多いものとしては牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生などです。
ほかにもいろいろな栄養失調があります。基礎疾患がない若くて元気な人やスポーツマンが重症化したニュースが時々出ますが、その人の背景を探っていくと栄養失調や進行した歯周病が潜んでいるのではないかと、私は思うのです。
逆に言えば、栄養を考えた食事(新鮮な素材を自炊する)、歯磨きをきちんとして、酒たばこは控えめに、精神的ストレスをうまく解消して、時々楽しく運動していれば、それほど怖がる病気ではないように思います。でもそれが結構難しかったりしますがね。