今週のお知らせは、藤川徳美先生の著作「すべての不調は自分で治せる」についてお知らせします。
藤川先生は広島大学医学部を卒業され、廿日市市で心療内科を開業されています。その間、体調不良を糖質制限食で改善され、栄養の大切さを実感され栄養学を勉強されました。欧米のオーソモレキュラー栄養学と三石巌先生の分子栄養学を学ばれ発展させ診療に生かされています。
私は、読んだり聞いたり教えてもらったことで「それいいな」と思ったら大体1ヶ月ぐらいマネをしてみます。食生活でも自然食や玄米食などやりましたが今でも続いているのは「糖質制限食(高タンパク低糖質食)」です。食べる量も変わらないし、運動で体も動かしているのにどうして太ってしまうのか悩んでいた時に江部先生の本とブログに出会い現在に至っています。この10年間、糖質制限食を続けています。
糖質はエネルギー源です。昔は車やエレベーターなどなく活動量も豊富で、食べた糖質はほとんど使いきっていたので肥満にはならなかったのです。今は使わずに余った糖質はインシュリンと言うホルモンにより脂肪になり太るのです。
「え?脂質で太るんじゃないの? 」と思われたでしょうが、脂質はエネルギー源としても使われます。遭難した時は、いくら腹が減っても体脂肪を使って何日も生き延びることが出来ます。ひと時も休むことが出来ない心臓などの内臓は脂質由来のエネルギー源で動いています。また細胞膜や脳みそのために必要で、摂り過ぎた脂質は便と一緒に出されるのです。タンパク質は、内臓、筋肉、骨、髪、爪などの構成成分なので絶対に欠かすことはできません。
以上のことから、高タンパク低糖質食が理にかなっており健康的と言えるのです。ここからはいなだ歯科医院の分子栄養学の症例です。
症例1:冬布団が要らなくなった。鼻血が出なくなった
70代、男性(私です)
健康ですが人体実験でプロテイン1日20g×2回を11月終わりごろから始めた。12月終わりに寝る時冬布団(毛布)を追加して出したが暑くて使わなかった。それ以来、冬でも秋布団だけで寝ている。(体温が上昇した。36.5度→36.8度。体温が上がると免疫力も上がります。)時々鼻血が出ていたが全く出なくなった。(粘膜が強くなった?毛細血管が強くなった?)
症例2:6ヵ月続いた左顔面の痛み、違和感が治った(感覚異常症)
50代、女性
左顔面の痛み、違和感で耳鼻科受診したが検査の結果問題ないと言われた。市民病院で診てもらったが検査の結果問題ないと言われた。当院で、左下歯肉に違和感があるので検査したが問題は見つからなかった。6ヶ月後、他の治療で当院受診、「左顔面の痛み、違和感」がまだ続いているとのことで、タンパク質、鉄不足を疑いプロテインと鉄剤を勧めた。薬局でスティックタイプのプロテインを勧められ服用したところ8日程で治った。途中市民病院でプロテインを飲んでだんだん良くなっていると話したら、プロテインで治るのなら病気ではないと言われた。藤川徳美先生やドクター清水は「医者は栄養のことは知らない、栄養のことを聞いても無駄である」と言われています。診察室に入るや否やニコニコしながら「先生、治りました。」と言われました。
症例3:7年間続いた抜歯後不定愁訴が治った
70代、女性
左上臼歯2本抜歯後、1か月して痛みがあるとのことで検査したがレントゲンでも問題はなかった。高周波電気治療器を当て様子を見た。それから時々、違和感、痛みがあり、酷い時は鎮痛剤を服用した。7年後の最近になって、タンパク質、鉄不足を疑い、服用を勧めた。早速薬局に行ってビタミン入りの鉄サプリメントを勧められて服用した。6日目から痛みがなくなり現在も再発していません。
症例4:足がしびれて動かなくなった
20代、男性
虫歯治療中の患者さん、予約を守って治療していましたが急に来院されなくなりました。しばらくして来院されたので話を聞くと、足がしびれて歩けなくなったので1週間入院していたそうです。ずっと点滴をしてよくなったそうです。原因は何だったんですかと聞くと、それが分からなかったそうです。ご飯はどんなものを食べているのかを尋ねると、ご飯はセブンイレブンのお弁当、飲み物はコーラが一番うまいと言われました。「あ、これは江戸患いだ」と思いました。「江戸患い」というのは江戸時代に大名が参勤交代で江戸に行くと病気になり、領地にかえると元気になるものです。江戸では白米を食べて、領地では玄米や雑穀を食べるので、江戸では脚気(ビタミンB1欠乏症)になり、領地では治ると言うわけです。日露戦争のエピソードで、陸軍の兵隊が白米を食べて脚気になったのと同じです。患者さんには脚気の説明をして、食事はなかなか変えられないだろうと思ったので、総合ビタミンを飲むように言いました。
私の考え
症例2、症例3は多分神経伝達物質の誤作動ではないかと考えています。神経伝達が正常に行われるためには十分なタンパク質と鉄が必要です。分子栄養学を勉強する前にもいろんな患者さんを診ています。歯肉からソーメンが出てくるとの訴えには大変驚きました。勿論ソーメンは出ていなくて患者さんが感じているだけです。(ダシ汁を付けたらうまいでしょうね、という不謹慎な冗談は言いませんでした。当然ですが。)砂が出てくる、釘が出てくる、金冠が出てくる人、今だったらプロテインと鉄を勧めたと思います。今の食事は糖質が多くタンパク質、脂質が少なく鉄も少なくなっています。
すべての不調は自分で治せる、その3
藤川徳美先生の本「すべての不調は自分で治せる」「うつ・パニックは鉄不足が原因だった」、藤川徳美先生のブログ「精神科医こてつ名誉院長のブログ」 症例がたくさん載っています。
藤川先生は分子栄養学を駆使して患者さんを健康に導いていますが、前提に高タンパク低糖質食(糖質制限食)があります。高タンパク低糖質食(糖質制限食)はお砂糖も減らすので虫歯が減ります。お砂糖は消化吸収されるとき大量のビタミンを浪費するので高タンパク低糖質食(糖質制限食)はビタミンの浪費がないので体にもいいわけです。
からだの不調がある方もない方も、ぜひ一度藤川徳美先生の著書「すべての不調は自分で治せる」を読むことをお勧めします。