16歳 女性
主訴:ご飯を食べる時、歯肉に違和感がある
生えかけの歯の上に歯肉の一部(歯肉弁)が残っています。この歯肉弁は痛いのを我慢して放っておくと自然に消失します。この症例では痛みがあるので麻酔をして切除しました。
この歯は第2大臼歯(前から7本目)の部分ですが、実は第3大臼歯(前から8本目、親知らず)です。第2大臼歯は12歳ごろから生えてきますが、この患者さんでは噛む面(咬合面)が真横に向かって生えてきて、大変噛みにくい状態になっていました。
レントゲンを撮ってみると、後ろに親知らずがあるので、この第2大臼歯を抜けば将来親知らずが第2大臼歯の部分に生えてくると予測して、抜歯をしました。最近の若い人は顎が小さくなり、親知らずがきちんと生えることはまれで大体痛くなって抜く事が多いので、それも回避出来、今回は一石二鳥です。
第2大臼歯を抜く前のレントゲンです。上下左右4か所一番奥に親知らずが控えています。
本日のレントゲン。4本あった親知らずの内1本が生えています。全く問題なく、予想通りになりました。めでたしめでたし!
親知らずの活用法は
これまでの経験上20歳ぐらいまではきれいに生えてきますが、年齢が上がると少し斜めに生えたり、第1大臼歯との間に隙間が出来たりします。やったことを忘れていて患者さんから「先生の言ったとおりになったよ」と言われて、見るときれいに生えていてうれしくなることがあります。