今週は、糖尿病を糖質制限(高タンパク低糖質食)で治療、好成績を上げている京都高雄病院の江部先生のブログ「糖尿病徒然日記」から転載します。江部先生は糖質制限の第一人者です。私も先生の本を何冊も読んでその理論が間違いないと思ったので、うちのカミさんにも本を読んでもらい、カミさんも納得して糖質制限の献立を作ってくれるようになりました。お陰で糖尿病にならずに体重を7~8kg落とすことが出来ました。あの時江部先生を知らなかったら確実に糖尿病になったと思います。
コレステロール値が高くて薬を飲んでいる方がいます(高脂血症)。何年も前ですがコレステロール値を下げる薬を飲んで「横紋筋融解症」になり人生を狂わされた人の手記を読んだことがあり、自分が高脂血症と言われても薬を飲むのはやめておこうと思いました。また私の先輩が勉強して、コレステロール値を下げる薬をに飲みたくないと担当医に行ったら顔を真っ赤にして怒られたけど、やめたと言っていました。
以下引用始め
2024年03月31日 (日)
こんばんは。新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」でしたが、令和5(2023年)年5月8日から「5類感染症」になりました。
これを受けて、糖質制限食の講演会も、ぼちぼち再開しています。講演会で必ずといっていいほど質問されるのが、「コレステロール」のことです。今回は、コレステロールについて、復習しようと思います。
浜六郎医師の「薬のやめ方」辞典(三五館、2017年)を読み返しました。コレステロールに関してもう一度、勉強しようと思ったのです。
同書
第4章 コレステロールは気にしない P85
下げる必要はまったくない
P86,P87
「コレステロール値が高い人の方が低い人よりも長生きであり、下げる必要はまったくありません。」と、明確に記載してあります。勿論、根拠はしっかりと示されています。
2016年6月に発表された信頼度の高い研究(☆)で、このことが証明されたのです。この論文、一部の調査をみて結論をだすのではなく、一定の条件を満たす研究を、できるだけ多く総当たりで集めて検討した『システマティック レビュー』ですのでエビデンスレベルは一番上です。以下、同書の87ページより引用です。
【この研究は、60歳以上の人を対象にし、LDLコレステロールの値でわけて
その後の総死亡の危険度を報告した研究を総当たりして分析したものです(☆)。
2016年6月に出版された最新の調査結果です。この研究は「英国医師会雑誌」の
オープンアクセス版(BMJ OPen)のサイトによれば、発行以来、5ヶ月間もっとも
よく読まれた記事であり続けたという、きわめて重要な論文です。】
この『システマティック レビュー☆』の結論は『コレステロール値が高い人の方が低い人よりも長生き』ということです。
「日本脂質栄養学会、コレステロールガイドライン策定委員会」監修の「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」(中日出版社)が2010年9月に出版されました。2014年には、続「長寿のためのコレステロールガイドライン」が、刊行されました。
2007年改訂の日本動脈硬化学会のガイドラインでは、「LDLコレステロール140mg/dl未満」が目標数値です。その後も2019年現在まで、病院ではLDLコレステロール140mg/dl以上は、高LDLコレステロール血症と診断されます。日本動脈硬化学会は、『 総コレステロールやLDLコレステロールは、低ければ低いほどいい』という見解です。
一方、「脂質栄養学会、コレステロールガイドライン策定委員会」監修のガイドラインでは、
「 総コレステロール値あるいはLDLコレステロール値が高いと、 日本では総死亡率が低下する。」つまり、脂質栄養学会は『総コレステロール値やLDLコレステロール値は、高い方が日本では長生き』としています。2010年後半、日本脂質栄養学会と日本動脈硬化学会の間で、コレステロール論争が持ち上がったのは記憶に新しいところです。
真っ向から対立する見解なので、患者さんはもとより、現場の医師も戸惑っていると思いますが、
この『システマティック レビュー(☆)』 により、欧米でも日本でも『コレステロール値が高い人の方が低い人よりも長生き』 という結論が導かれると思います。
以上引用終わり