最新の栄養学(お医者さんも知らない栄養学)
廿日市市で開業されている心療内科医・藤川徳美先生の著書「薬に頼らず「うつ」を治す方法」には、「医学教育では栄養学や食事指導については教えられていないからです。わたし自身、医学部では栄養学についてほとんど習いませんでした。」と書かれています。藤川先生は分子栄養学やオーソモレキュラーなどを勉強され、患者さんの治療に生かされています。
誰が言ったか覚えていませんが「人は食べたもの、飲んだもの、呼吸で吸ったもので出来ている」のだそうです。それに加えて住んでいる環境(例えば、都会、田舎、山の中、海辺、寒冷地など)、運動量、人間関係などで、健康、不健康が決まるのではないかと思っています。
鉄編
鉄が不足すると貧血(鉄欠乏性貧血)になることはよく知られていることです。では鉄不足でほかにどんな病気になるか知っていますか?
以下引用始め
2017-01-15 23:00:08
テーマ:
鉄(Fe)について、基礎的な知識、治療の実際、臨床症状
1.基礎的な知識
植物性非ヘム鉄(Fe+++)の吸収率は1ー5%、動物性ヘム鉄(Fe++)の吸収率は10-20%。フェリチン<30 は鉄不足で、積極的な治療対象(貧血の有無とは関わりなし)。月経のある女性の大多数が鉄不足、特に出産後に悪化(子どもに鉄が移行)。菜食主義者、炭水化物依存症では特に顕著。
多くの症例では蛋白不足(BUN<10)も併せ持つ。フェジン静注は重度の鉄不足時に最初の一回のみ行う、頻回投与は猛毒のヒドロキシラジカルを生じ寿命を縮める。生体内スカベンジャーであるカタラーゼの必須元素。脳内モノアミン代謝の補酵素。フェルム1T/day、フェロミア、フェログラデュメットは効果が強いが消化器症状での脱落が多い。フェルムが飲めない場合は当帰芍薬散。
目標はフェリチン100、3-6ヶ月後に再検。ビタミンEは鉄吸収を妨げるため8時間は空ける。お茶やコーヒーは鉄吸収を妨げるため1時間は空ける。玄米食ではフィチン酸により鉄、亜鉛の吸収が阻害される。ビタミンCを併用すると吸収率が上がる。
2.鉄剤による治療の実際
教科書的には鉄が過剰だと細胞毒になると記載されている。鉄の過剰は、遊離鉄の過剰とフェリチンの異常高値に分けられる。鉄剤投与には、静脈注射と経口投与を分けて考える必要性がある
2-1.静脈注射
鉄剤(フェジン)静脈注射は、タンパクに結合していない遊離鉄を投与するため、過剰な投与はフェントン反応を引き起こす。産婦人科で妊婦に頻回にフェジン静注することは、遊離鉄過剰となり寿命を縮める行為
フェントン反応:過酸化水素が、細胞中の鉄イオン(Fe2+)や銅イオン(Cu1+)などの触媒作用で、ヒドロキシルラジカル(HO・)に変化する反応
Fe2++H2O2 →Fe3++HO- +HO・
ヒドロキシラジカルは最強(最悪)の活性酸素で、DNA、細胞膜、ミトコンドリアを酸化し、細胞を傷つけがんの原因となり得る
2-2.経口投与
鉄剤経口投与は必要量だけトランスフェリンと結合し、吸収される。鉄剤経口投与による遊離鉄過剰は理論的にあり得ない。鉄過剰症の判断はフェリチン値。鉄経口投与で過剰症にはなりにくい(オーソモレキュラー栄養学の溝口徹先生の講演資料ではほぼならないと記載)
欧米の基準ではフェリチン100以下は鉄不足。欧米では鉄不足は少ない様子、アメリカの栄養療法の本でも、亜鉛不足、マグネシウム不足、ヨウ素不足、リチウム不足、の次に鉄不足が記載されていた→肉食が主体の欧米では、ベジタリアン以外は鉄不足にならない。魚介類摂取が少ないため、亜鉛、マグネシウムが不足しやすい、鉄不足より鉄過剰への言及が多い。
日本人では、男性のフェリチン平均は100-300。新生児のフェリチン200-300。日本の15-50歳女性の80%はフェリチン30以下(当院データ)。一回の妊娠出産でフェリチンは50低下する→鉄過剰への必要以上の懸念により、鉄不足の患者の存在が見逃されている
2-3.当院での評価ーフェリチンと鉄剤投与ー
今まで数百例に鉄剤を投与(99%は女性、そのうち大多数は15-50歳)、鉄過剰例は1例もなし。鉄剤を長く続けてもフェリチン100まで届く症例はほぼ皆無で、大多数の女性は40-60で頭打ちになる。今まで、60-80で鉄剤は中止していたが今後は100まで継続予定。いくら鉄剤を続けてもフェリチン30を超えない症例も多い。つまり、月経での排泄が、食事+鉄剤での摂取を上回る症例がある=先天的に鉄吸収率が低い患者がいる
3.鉄欠乏の臨床症状
「いらいらしやすい、集中力低下」「神経過敏、些細なことが気になる」立ちくらみ、めまい、耳鳴り、偏頭痛、疲れ、節々の痛み(関節、、筋肉)、腰痛、喉の違和感(喉が詰まる)、冷え性、朝なかなか起きられない、出血(アザ)、コラーゲン劣化(肌、髪、爪、シミ)、ニキビ、肌荒れ、不妊、レストレスレッグス症候群(むずむず足症候群、RLS)、氷を食べる~これは非常に多い!、土を食べる。
上記症状を訴えて精神科を受診すると、うつ病(朝起きられない)、パニック障害(喉の詰まり)、不安障害(神経過敏)、等と診断される。女子中高生だと、不登校(朝起きられない)、境界性人格障害(神経過敏で切れる)、等と診断される。パニック障害の大多数は、鉄タンパク不足、もしくは機能性低血糖が原因。女性のうつ病の大多数は、鉄タンパク不足が原因。女性の不登校、境界性人格障害の大多数も、鉄タンパク不足+機能性低血糖。
元記事はこちら
https://www.facebook.com/tokumi.fujikawa/posts/711407125642281
鉄は、赤血球合成に必要ですが、それ以外に、
1)神経伝達物質であるセロトニン、ドーパミン作成の際の補酵素になる
2)活性酸素スカベンジャー(抗酸化物質)であるカタラーゼには鉄が必須
3)ミトコンドリア膜にある電子伝達系には鉄が必須
99%の医者はこの事を知らない。鉄不足の治療には鉄剤、ヘム鉄に加え、動物性タンパクをしっかり摂取することが必要です。赤身の肉、赤身の魚、の赤はミオグロビン、すなわち鉄です。ほうれん草やプルーンでは鉄はほとんど補給できません。
以上引用終わり
この神経難病とされる主な病気には、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、重症筋無力症、進行性核上性麻痺などがあります。