今週のお知らせは、廿日市市で心療内科を開業されている藤川徳美先生の「精神科医こてつ名誉院長のブログ」から転載します。現在の日本ではいろんなものを腹いっぱい食べられますが、しかし、その内容は質的栄養失調であると警鐘を鳴らしています。
質的栄養失調であるが故に、子供の発達障害や大人の生活習慣病が増えています。
以下引用始め
発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など)と呼ばれる子どもはなぜ増加しているのか
「天才ごはん」より
発達障害と呼ばれる子どもたちが増えているということが、たびたびニュースになります。
実際、この10年間で小中学校全体の児童・生徒数は減少しているにもかかわらず、障害のある子どもが通う特別支援学級は、在籍者数は2011年度の約15万人から2021年度には約32万人に倍増しているとのことです。
なぜ増えているのでしょうか。
その理由については、「発達障害について以前よりも早く発見されるようになった」「障害に対する理解が進み、支援学級に入ることに抵抗が少なくなった」などがいわれています。でもそればかりではないでしょう。支援級のお子さんが増えているのもそうですし、支援級に入った方がよいかどうか迷われるボーダーラインのお子さんたちも明らかに増えています。
これは日々たくさんの患者さんを診ている開業医の実感です。 発達障害の子どもが増えている要因、そこにはやはり、質的栄養失調があります。 とくに子どもの場合は、
・白米、パン、麺類、お菓子の食べ過ぎによる、糖質過多
・肉、魚、卵を食べないことによる、タンパク・鉄・脂質不足
この2つが大きく影響しています。
糖質の摂りすぎが大きな要因のひとつ 実際に、発達に課題があるお子さんの診察で共通しているのは、どの子も糖質を摂りすぎているということです。親子で甘いものが大好きというケースも多く見られます。 子どもはお菓子が好きというのは、今も昔も変わらないのかもしれません。
しかし、ひと昔前はおやつといっても駄菓子程度で、すべてが甘いものではなく、昆布やするめ、ピーナツのようなものもありました。ケーキやエクレアなどは、わざわざ洋菓子店に行ったときだけの特別なおやつでした。もっと昔は、サツマイモを蒸かしたものがおやつだったという人もいるでしょう。
しかし今は、毎日のようにコンビニで洋菓子店さながらのスイーツを買ってきて、たくさん食べられる時代です。 甘いお菓子が当たり前、しょっぱいお菓子はポテトチップス、これでは明らかに糖質の摂りすぎと、酸化した植物脂やトランス脂肪酸の摂りすぎになってしまいます。
お菓子を食べるのが日常になると、それだけでお腹を満たしてしまうため、タンパク質などの大事な栄養を摂ることができなくなっています。 比較的きちんとした食事、いわゆる「バランスのよい食事」をしていたとしても、タンパク質とビタミン、ミネラルは不足します。
化学肥料や農薬を多用した大量生産の農業により、作物から得られるビタミン、ミネラルが減っているからです。 実際、診療に来られるお子さんは、パンや米、うどんなど「白いもの」ばかり欲しがります。
そうすると、タンパク質と鉄の不足になり、そのせいで余計に糖質ばかりを欲してしまう。悪循環に陥ります。 子どもは動き回ってエネルギーを使いますので、糖質をゼロにする必要はありませんが、お菓子、パン、麺類、白ご飯ばかり食べるのは止めましょう。
プロテインを一定量飲めるお子さんは、食事の前にプロテインを飲んでもらうなど、工夫してみてください。プロテインはお腹を満たしてくれるので、お菓子やパンなどを食べる量は減ってくると思います。
以上引用終わり
現在は作物が育つ土壌が昔と比べてやせており、十分なビタミン、ミネラルが含まれていません。例えば、1950年と2015年の比較で、ほうれん草の鉄分は100g中13mgから2mgと85%も減少しています。医者任せにせず、健康自主管理をしましょう。食事でタンパク質・ビタミン・ミネラルを補給するのは当然ですが、サプリメントで補うのがとても効果的です。
お勧めの本
「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」藤川徳美著、アチーブメント出版
「親子で始める!天才ごはん」藤川徳美著、方丈社