症例1:原因不明の足のしびれ、歩行困難(脚気?ビタミンB1欠乏症?)
20代、男性 トラックドライバー 1987年(昭和62年)
むし歯の治療をしていたが、突然来院が途絶えた。2週間して来院されたが、足がしびれて動かなくなり、入院して点滴で治った。病名は不明と言われた。私はちょうど「現代によみがえる江戸患い」と言う脚気の本を読んだところだったので、この症状は脚気(ビタミンB1欠乏症)だと思った。いつもどんなものを食べているのか聞いたところ、「食事はセブンイレブンのお弁当、飲み物はコーラが一番うまい」と答えられたので、完全に脚気だと思い、脚気の話をして、食事を変えるのは無理だろうと思ったのでビタミン剤を飲むように伝えた。
症例2:冬布団が要らなくなった。鼻血が出なくなった。
70代、男性(私)2021年(令和3年)
健康ですが(2013年から高タンパク低糖質食(糖質制限)を実践中)、
人体実験でプロテイン1日40g(朝晩各20g)を2021年(令和3)11月終わりごろから始めた。12月終わりに寝る時冬布団(毛布)を追加して寝たが暑くて使わなかった。毎年ホットカーペットも使っていたが使わなかった。それ以来3シーズン冬でも秋布団だけで寝ている。(体温が上昇した?体温が上昇すると免疫力も上がります。)
時々鼻血が出ていたが全く出なくなった。(粘膜?毛細血管?が強くなった)
こむら返り、足がつらなくなった。テニスの試合や夜中に足がつって飛び起きたりしていたが、マグネシウムを飲んだり、にがり(豆腐を作るときの凝固剤、塩化マグネシウム)をすり込むことで足がつらなくなった。マグネシウムは血管を弛緩させ血流を増やす作用があり、高血圧や不整脈を予防する。飛蚊症が治った。トイレの近いのが改善した。髪の毛が太くなったような。
(漢方薬・芍薬甘草湯もこむら返りに効果がある)
症例3:6ヵ月続いた左耳周囲、顔面の痛み、違和感が治癒(感覚異常症?)
50代、女性 2022年(令和4年)
左耳周囲顔面の痛み違和感で耳鼻科受診したが、検査の結果問題ないと言われた。市民病院でも診てもらったが、検査の結果問題ないと言われた。当院で左下歯肉に違和感があるので検査したが問題は見つからなかった。
6ヶ月後、歯の治療で当院受診、左耳周囲顔面の痛み・違和感がまだ続いているとの訴えがあった。分子栄養学的に見て感覚異常と思い、タンパク質、鉄不足を疑いプロテインと鉄剤を勧めた。早速ドラッグストアに行き、薬剤師の勧めでスティックタイプのプロテインを勧められ服用したところ8日程で治った。途中市民病院でプロテインを飲んでだんだん良くなっていると話したら、「プロテインで治るようなら病気ではない」と言われた。
藤川徳美先生やドクター清水は「医者は栄養のことは知らない、栄養のことを聞いても無駄である」と言われています。医学部の授業にはほとんど栄養学の授業はありません。
症例4:7年間続いた抜歯後の不定愁訴が治癒
70代、女性 2023年(令和5年)
左上臼歯を2本抜歯後、1ヶ月して痛みがあるとのことで検査したがレントゲンでも問題はなかった。高周波電気治療器を当てて様子を見た。それからは時々、違和感、痛みがあり、鎮痛剤を服用することもあった。
7年後の最近になって、タンパク質不足・鉄不足を疑い、服用を勧めた。早速薬局に行って相談してビタミン入りの鉄サプリメントを勧められて服用した。6日目から違和感と痛みがなくなり、その後再発はない。
症例5:喉のピリピリ感が治った(感覚異常症?)
70代、女性 2024年(令和6年)
疲れた時など、口の中がピリピリして喉の方まで感じる。以前も市民病院で診察してもらったことがあり、唾液検査をして唾液の量が標準より少ないと言われた。
診察、視診では全く問題はなかった。違和感、ピリピリ感のある部分に高周波を当てた。感覚異常を疑い、当院の「口腔感覚異常の症例報告」「不定愁訴の症例報告」を渡して、鉄とプロテイン服用を勧めた。
3ヶ月後、義歯調整で来院。口の中と喉のピリピリ感は「プロテインを飲んで治った」と言われた。
症例6:下顎前歯の痛み、違和感
40代 女性 既往歴:めまい、花粉症
令和4年4月、下顎前歯がズキンズキンとした拍動痛のようなじんじんした痛みが出ることがある。高周波を当てて経過観察。
令和4年7月、症状が変わらないので、ビタミンB群とタンパク質について説明。症例3のパンフレットを渡した。大変勉強家で分子栄養学の本を何冊か読んで、プロテイン、鉄、ビタミンB、C、Dを飲むようにした。その後、ナイアシンアミド(ビタミンB3)を追加した。
令和5年2月、一進一退の状態。マウスピース装着。ソフト2mm、噛みしめ対策。
寝る時の毛布が1枚要らなくなった。
令和5年5月、藤川徳美先生に紹介。Mg、ビタミンC、Zn、Feを補充した。
令和6年3月、変わらず。にがり歯磨き、にがりうがいをしている。ビタミンAを勧めた。
令和6年5月、完治。
症例3、4、5、6は神経伝達物質の誤作動と思われます。
分子栄養学を勉強する前にもいろんな患者さんを診ています。歯肉からソーメンが出てくるとの訴えには大変驚きました。(感覚異常症)勿論ソーメンは出ていなくて患者さんがそのように感じているだけです。砂が出てくる、釘が出てくる、金冠が出てくる。今だったらプロテインと鉄を勧めたと思います。
今の食事は糖質が多くタンパク質、脂質が少なく鉄はじめミネラル、ビタミンも少なくなっています。歯痛があちこち移動する非定型歯痛や、何もないのに舌が痛く感じる舌痛症もタンパク質、鉄不足でしょう。このような症状にはうつ病の薬が効きます。うつ・パニックと原因は同じです。タンパク質・鉄不足で人によりうつ・パニックになったり感覚異常、むずむず足になったり様々な症状が出るのでしょう。
特に女性は鉄不足が多いので、出来れば、鉄とプロテインを取ることが健康的な生活を送る上で大事なことだと思います。
タンパク質と鉄により改善すると思われる症状、病気
鉄の働き 主なもの
鉄欠乏の臨床症状