
糖質制限食と言う言葉はかなり市民権を得てきました。高タンパク質低糖質食と同じ意味です。
糖質制限食と言う言葉は一見すると糖質だけ制限すればいいと誤解をされる可能性があるので、今回は糖質制限食を高タンパク質低糖質食に替えさせていただきました。筆者には大変申し訳ありません。
糖尿病は、私が子供の頃は珍しい病気で、贅沢病と言われていました。明治の文豪夏目漱石は糖尿病になり厳重食で治療を受けて「飯がまずい」とこぼしていたと言うエピソードが残っています。
厳重食とは現在の高タンパク質低糖質食です。薬が開発されるまでは高タンパク質低糖質食が糖尿病の治療食だったのです。今では治療食はとても美味しく、まずいと言うことはありません。私が年取った現在、日本国民の1割が糖尿病です。予備軍も1割いますので2割の国民の方には大変重要なお知らせとなります。
今回、京都高雄病院の理事長・江部康二先生のホームページを紹介します。9年前に、私も江部先生の本を読んでブクブクと増えていた体重を7~8kg落とし、現在に至っています。
以下引用
『高タンパク質低糖質食十箇条』2022年版。
2022年04月11日 (月)
こんにちは。私は、2002年、52歳の時に自分が糖尿病と発覚してから、できれば薬を飲まずに済むようにと、徹底的に糖尿病の食事療法を研究しました。その結果、既に糖尿病を患っている人には、『高タンパク質低糖質食』がベストの選択である、との結論に達しました。
糖尿病を発症したら、その時点でもう体内の糖質を処理するシステム(インスリン作用)が破綻していて、糖質を普通に食べることができない身体になっているということなのです。そして糖尿病発症を確実に予防できるのは、高タンパク質低糖質食だけなのです。
もう少し早く、40歳でこのことに気がついていていれば、糖尿病にならずにすんだのにと、今更ながら残念な思いです。父も母も糖尿病ですから、いつか来る道と解ってはいたのですが、結果として油断でした。
糖尿病の人や肥満・メタボリックシンドロームや生活習慣病の人の治療・予防にはスーパー高タンパク質低糖質食がベストの食事療法です。そして 『高タンパク質低糖質食』実践により、糖尿病の人では「食後高血糖(グルコーススパイク)」「血糖変動幅増大」が予防でき、血糖コントロール良好となり、合併症が予防できます。糖尿病の人が、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を食べれば、必ず「食後高血糖」と「血糖変動幅増大」を生じるので、合併症予防は困難です。
耐糖能正常型の人においても、「グルコースミニスパイク」が予防できるので、生活習慣病の予防・治療が期待できます。生活習慣病の根本要因は、頻回過剰のグルコースミニスパイクとそれに伴う頻回過剰のインスリン追加分泌です。
血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみであり、タンパク質・脂質は直接血糖に影響を与えることはありません。従って、糖尿病の人の「食後高血糖(グルコーススパイク)」「血糖変動幅増大」、耐糖能正常型の人の「グルコースミニスパイク」、を予防できるのは、スーパー糖質制限食のみです。このことが食事療法において根源的に大切です。
今回は
『高タンパク質低糖質食十箇条』2022年版
のご紹介です。
『高タンパク質低糖質食十箇条』2022年版
-糖尿病や肥満が気になる人に-一、 糖質の摂取を減らす。可能なら一回の食事の糖質量は20g以下とする。
二、 糖質制限した分、タンパク質や脂質が主成分の食品は充分量食べる。
三、やむを得ず主食(ご飯、パン、麺類など)を摂るときは少量とする。
四、水、番茶、麦茶、ほうじ茶などゼロカロリー飲料はOK。果汁・清涼飲料水はNG。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類はOK。果物はなしかごく少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)、糖質ゼロビールはOK。辛口ワインも適量OK。醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツはNG。
十、可能なら化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。*糖尿病の人がやむを得ず糖質を摂取するときは、
食直前に、「αGI剤」か「グリニド系薬剤」を内服すると、食後高血糖がある程度防げる。
*牛乳は100mlくらいならOK。成分未調整豆乳は200mlくらいOK。
*肉類と魚貝類の摂取量は<1:1>が目安。『高タンパク質低糖質食』の3パターン
一、スーパー高タンパク質低糖質食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。1回の食事の糖質量は20g以下。
二、スタンダード高タンパク質低糖質食は、一日一回(朝か昼)少量の主食あり。夕食は主食抜き。
三、プチ高タンパク質低糖質食は夕だけ主食抜き。朝と昼は少量の主食あり。
嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。☆抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆魚貝・肉・卵・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べる。高タンパク質低糖質食の理論的根拠
1、血糖値を直接上昇させるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上昇させない。
2、糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3、高タンパク質低糖質食を実践すれば食後血糖値はほとんど上昇せず糖尿病は改善する。
4、食前・食後の血糖値血糖変動幅が少ないので生活習慣病の予防ができる。
5、食後血糖値の上昇が極めて少ないので、追加分泌インスリンも少量ですむ。
6、過剰なインスリンは肥満・がん・アルツハイマー病などのリスクとなるので、
血糖コントロールができる限りで少量であるほど身体にはいい。
ということで、とてもシンプルです。上記6つは、生理学的な事実やエビデンスがあることですので信頼度は高いです。高タンパク質低糖質食実践前のご注意
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症・尿素サイクル異常症は、高タンパク質低糖質食は適応となりませんのでご注意ください。
慢性腎臓病(IgA腎症など)も、原則として適応となりません。糖尿病腎症は、医師と相談の必要があります。なお本にも書きましたが、 高タンパク質低糖質食によりリアルタイムに血糖値が改善します。このため、既に経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方薬を使用してない糖尿人は、低血糖の心配はないので、以下の本などを参考にされて、
自力で 高タンパク質低糖質食を実践して糖尿病改善を目指していただけば幸いです。推奨著書
主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「糖質オフ!健康法」2016年3月(PHP研究所 )
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年4月(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年4月(東洋経済新報社)
「男・50代からの糖質制限」2018年11月(東洋経済新報社)
「内臓脂肪がストン!とおちる食事術」2019年5月(ダイヤモンド社)
「糖質制限の大百科」2019年7月(洋泉社)
「糖質量&炭水化物量ポケットガイド」電子書籍、2019年8月(SBクリエイティブ)
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」2020年6月(宝島社)
「ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック」 2020年9月(宝島社)江部 康二監修
医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート2020年10月(宝島社)
「体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない!」2021年2月(学研プラス)
「増補新版 糖質制限の大百科」 2021年9月(宝島社)
など多数
レシピ「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年3月(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」2017年10月 (家の光協会)
「いくら食べても太らない! 旨い酒のつまみ 」2018年5月(宝島社)
「決定版! スグやせ! 糖質オフのラクうまレシピ150」2018年6月(ナツメ社)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)
「レンチン!糖質オフの作りおきおかず」2018年10月(宝島社)
「魔法のダイエットみそ汁 」 2019年2月(日本文芸社)
「決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 」 2020年2月(ナツメ社)
「決定版! 作りおき&帰ってすぐできる 糖質オフのやせる! ラクうまレシピ350 」 2020年7月(ナツメ社江部康二
引用終わり