私は約10年前、江部康二先生の糖質制限食(高タンパク低糖質食)に出会って、体重は8kg、腹囲は3cm落とすことが出来現在に至っています。風邪を引いたりすることもなく体調は良好です。趣味のテニスも週2~3回楽しんでいます。年取ってきて、さすがにテニスの後はあちこち痛くなりますが。
日本の糖質制限のリーダー的存在が、京都高雄病院の江部康二先生です。ご自身も糖尿病になり、糖質制限で治され、患者さんも糖質制限で治されています。
江部先生の「糖尿病徒然日記」には大変示唆に富んだ記事が出ますので、今回はその中で、縄文時代の食事について考察されているので紹介します。
以下引用始め
縄文時代の食事は多様性に富んでいた。
2022年10月12日 (水)
【22/10/12 倉田
縄文時代の食事についての質問です。縄文時代は、狩猟・漁労による肉や魚が中心の食事ではなく、クルミやドングリなどの植物性食材が中心の食事だったという論文があります。
例えば、クルミは25粒のカロリーが約700kcalと高いですが、糖質は1粒(4g程度)で0.17g、25粒(100g程度)で4.2gとなっています。
クルミで1日1500kcalを摂取する場合は、約50粒食べればよいことになります。糖質量は、8.4gとなり、この食事でもスーパー糖質制限食と言えます。
縄文時代は、肉・魚中心の食事ではなく、植物性食材中心の食事であっても、結局、スーパー糖質制限になっていると理解してよいのではないでしょうか。
(参考論文 http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~imozuru/img/file4561.pdf )】
こんにちは。倉田さんから、縄文時代の食事についてコメント・質問を頂きました。ありがとうございます。
【参考論文 http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~imozuru/img/file4561.pdf
縄文時代の食生活 日暮晃一氏 食品経済研究 第19号 1991年3月 】を読んでみると、
[ 1. 縄文時代の食物
1) 縄文人骨が示す食物摂取
の項目で、
①北海道
②本州の海岸集落遺跡
③本州の内陸遺跡
では、タンパク質の供給源が大きく違っている。
①北海道は海棲獣類、魚など海産資源がタンパク質摂取量の
約90%を占めているのに対し、
③本州内陸部の北村人は植物質食糧が85.1%とその大半を占めている。
・・・中略・・・
北村人は極端な植物食であり、陸獣のウエイトが6.5%しかない点が注目される。
②一方古作貝塚人(縄文後期)は、植物、陸獣、海洋資源が
組み合わさったバラエティーのある食卓であったことがうかがえる。・・・]
ということで①北海道、②本州の海岸集落遺跡、③本州の内陸遺跡の三つの地域で、全く異なる食生活を営んでいたようです。すなわち縄文時代の食生活は多様性に富んでいたと考えられます。
古作貝塚(こさくかいづか)は千葉県舟橋市にあります。すなわち本州の海岸集落遺跡です。
貝類(アワビ+ダンベイキサゴ+ウミニナ+タカラガイ+ハイガイ+サルボウ+アカガイ)+イカ+ボラ+スズキ+クロダイ+マダイ+ヘダイ+イノシシ+シカ+クジラ)などが出土しています。鹿や猪の骨も発見されています。日暮氏が指摘しているように植物、陸獣、海洋資源が組み合わさった多様な食卓であったようです。
富山市北代縄文館
https://www.city.toyama.toyama.jp/etc/maibun/kitadai/j_kouza/kouza-06.htm
のサイトをみると、
『・・・クリ、クルミ、トチノミ、ドングリなどの木の実は、今のお米にあたるような主食だったと考えられます・・・』とあるので、山がある地域では、木の実が主食であったのでしょう。
【クルミで1日1500kcalを摂取する場合は、約50粒食べればよいことになります。糖質量は、8.4gとなり、この食事でもスーパー糖質制限食と言えます。】
クルミを中心の食事をしていた縄文時代の地域があれば仰る通り、スーパー糖質制限食ですね。しかし、一般にはクルミばかり食べるという地域はなくてクリ、クルミ、トチノミ、ドングリなどの木の実を万遍なく食べていたと思います。
江部康二
以上引用終わり