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お知らせ

今週のお知らせ 「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり。

投稿:2024年3月1日

私が江部先生のホームページ「糖尿病徒然日記」にたどりついたのは12~3年前のことです。

テニスの練習を週3回こなし、シングルス・ダブルスの試合にも結構出ていました。食事もほとんど変わることがないのに、体重が増えて太る一方でした。そんな時に知ったのが江部先生の「糖質制限」でした。本も何冊も読みました。理論的にも正しいと思いました。基礎代謝量(何もしなくても、心臓などの臓器は働いてくれているので、そのエネルギー量のことです)は若いころに比べて年取ると減少するそうです。余った糖質はインシュリンと言うホルモンによって脂肪に替えられ蓄えられるのです。つまり太るのです。脂っこいものを食べたらどうなるのでしょうか?実は余った脂質は便となって排出されます。と言うことは、太る原因は余った糖質だったのです。これにはびっくりしました。

「糖質制限」を簡単に説明しますと、高タンパク低糖質食です。糖質の多いもの(白米のご飯、パン、めん類、イモ類など)を減らして、タンパク質(肉、魚介、卵、ちーずなど)を増やすメニューとなります。食事の全体量は減らさないようにします。何ならタンパク質をもっと増やして食事の全体量を増やしても構いません。

一番やってはいけないことは、糖質だけ減らして食事の全体量が減ってしまうことです。エネルギー不足になり体調不良になります。

うちのカミさんに本を読んでもらったら、献立を変えてくれました。おかげで8kg落とせて、ズボン買い替えの危機も去り、昔のズボンもはけました。

食事でとる糖質、タンパク質、脂質のうち、1番大事な栄養素はタンパク質です。筋肉、内臓、爪、髪、骨、神経伝達物質、ホルモンなど必要不可欠です。2番目に大事な栄養素は脂質です。脳みそや細胞膜に必須です。糖質はごく少量で、仮に摂らなくても肝臓で作ってくれるので理論的には摂らなくてもいい栄養素です。

以下引用始め

「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり。

2023年12月11日 (月)

こんにちは。以前京大医学部の同窓会で、「一番なりたくない病気は何?」という話題になったのですが、ダントツで一位は認知症でした。ほぼ全員一致でした。

さて少し前になりますが、医療関係者用のサイトCarenetで「『炭水化物』中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり」という論文が紹介されていました。

www.carenet.com/news/risk/carenet/30280

以下、一部を抜粋引用します。

////////////////引用ここから//////////////////

食生活は生活習慣病の発症に関与するだけでなく、認知症の発症にも影響を及ぼすといわれている。では、どのような食生活が認知症リスクを高めるのか。

Roberts氏らはカロリー摂取と認知症との関係を検討した。J Alzheimers Dis誌オンライン版2012年7月17日号の報告。Roberts RO, et al. J Alzheimers Dis. 2012 Jul 17.

高齢者(年齢中央値:79.5歳)を対象とした集団ベースの前向きコホート研究により、毎日の総カロリーにおける主要な栄養素の割合と軽度認知障害(MCI)または認知症の発症との関係を調査した。追跡期間の中央値は3.7年。

(中略)

主な結果は以下のとおり。

・試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、200名はMCIまたは認知症であると診断された。

・MCIまたは認知症のリスクは、炭水化物の摂取比率が高い方で上昇し、脂質の摂取比率が高い方やタンパク質の摂取比率が高い方では減少した。

・炭水化物からのカロリー摂取比率が高く、脂質およびタンパク質からの摂取率が低い高齢者では、MCIまたは認知症の発症リスクが増加する可能性が示唆された。

////////////////引用ここまで//////////////////

試験開始前に認知機能が正常であった937名のうち、200名が、軽度認知障害(MCI)または認知症であると診断されました。軽度認知障害は、MCI(Mild Cognitive Impairment)と言われています。

そしてMCIは、認知症そのものではありません。しかし健常な状態でもありません。軽度認知障害または認知症のリスクは、炭水化物の摂取比率が高いと上昇し、脂質の摂取比率、タンパク質の摂取比率が高いと減少しました。

「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性があるということですね。

「肉・卵・牛乳・油脂類をよく食べるグループ」は、『ご飯・味噌汁・漬け物をよく食べるグループ』『植物性食品をよく食べるグループ』に比べて、「知的能動性」が低下せずに保たれるという日本の報告もあります。(*)

知的能動性とは「探索」「創作」「余暇活動」などの知的活動能力です。知的能動性が低下していけば認知症コースまっしぐらです。

すなわち、ご飯・味噌汁・漬け物の炭水化物たっぷりパターンだと認知症になりやすいけれど、動物蛋白や油脂をしっかり食べるパターンは認知症になりにくいということで、J Alzheimers Dis誌の報告と同じ結論です。

また、有名な久山町研究でも、第22回日本疫学会学術総会2012年1月26〜28日 で、認知症リスクの低い食事パターンとして、『・・・1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く,「米」の摂取量が少ない食事パターンは,認知症発症のリスクを有意に低下させることが示された。・・・』と報告されました。

www.epi-c.jp/entry/e800_0_jea2012.html#5th

認知症のリスクを低下させるという【1回の食事において「大豆製品と豆腐」「緑黄色野菜」「淡色野菜」「藻類」「牛乳・乳製品」の摂取量が多く、「米」の摂取量が少ない食事パターン】に、魚貝類と肉類を加えたら、そのまま糖質制限食です。

ご飯など、炭水化物摂取の認知症リスク、恐るべしですね。ブログ読者の皆さん、是非「糖質制限食」を実践されて認知症など生活習慣病を予防し、健康長寿を目指して頂ければ幸いです。

(*)熊谷修ほか 「老年社会科学」1995;16:146-155.

江部康二

以上引用終わり

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