
今週は最近読んだ上記の本についてお知らせします。
著者の宗田先生は千葉県市原市で産婦人科医院を開設されている医師です。宗田先生は、2008年に2型糖尿病を発症しましたが、糖質制限で劇的に改善、5カ月で15kg減量することにも成功、その経験から、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の患者にも糖質制限の指導をスタート。
2013年、世界で初めて妊婦、胎児、新生児にケトン体(※)が高値で現れることを発表。さらに2017年には糖質制限食による妊娠糖尿病の改善率約9割と言う実績を発表。全国の妊娠糖尿病患者の駆け込み寺となっています。
(※)ケトン体とは?
人のエネルギー源は2種類あると言われています。一つは糖質(炭水化物)由来のブドウ糖。二つ目は脂質由来のケトン体です。
これまでは人のエネルギー源はブドウ糖だけと思われていました。しかし、最近の研究では、ブドウ糖は比較的早く枯渇してしまうので、その後のエネルギーはケトン体が受け持っていることが分かっています。たとえば、人が遭難にあって食べ物にありつけない時でも動き回れるのは皮下脂肪などからケトン体を作りエネルギーとしているためです。
また、100年前のアラスカエスキモーの食事は、カリブー、アザラシ、くじら、サケなどの魚を主としており、野菜や果物は少なく、ケトン体を主なエネルギー源として生活をしていました。今週は妊娠中の方、妊娠を希望されている方が対象になりますが、男女問わず、すべての年代の方にとっても大変有益な情報となっています。最近の若い女性は新型栄養失調。
宗田先生推奨の、「赤ちゃんのための妊婦食」は一言で言えば「たんぱくリッチ食」だそうです。肉、魚、卵、チーズなどの乳製品をよく食べて残りを炭水化物にしましょうと言うものです。4900人の妊産婦へ指導しました。この指導によってお母さんは、
赤ちゃんは、
水分を除くと、タンパク質42%、脂質40%、ミネラル15%、糖質3%未満です。このことで分かることは、タンパク質、脂質、ミネラルはしっかり摂ることが必要です。必要以上に体が太ってきた場合は糖質過剰と言うことになります。つまりこれがたんぱくリッチ食と言うことになります。
たんぱくリッチ食にすると
糖質過剰の問題点は
目の網膜が弱くなり最悪の場合、失明する。腎不全を起こし最悪の場合、人工透析が必要になる。足の血管が循環不全となり最悪の場合、足の切断が必要となる。最近ではもう一つ加えられることがあり、それは歯周病です。
4.ガンになりやすくなる。
糖尿病になるとガンになりやすくなります。ガンのエネルギー源はブドウ糖です。がん検診であるPET健診はこのことを利用してがんを発見する方法です。
もっとお知らせしたいことが一杯あります。興味のある方は是非とも一読をお勧めします。