
作曲家の筒美京平氏が誤嚥性肺炎で亡くなりました。80才でした。
最近、誤嚥性肺炎で亡くなる有名人が続いています。筒美京平氏にはたくさんのヒット曲がありますが、私の好きな曲は「また逢う日まで」尾崎紀世彦、「ロマンス」岩崎宏美、「木綿のハンカチーフ」太田裕美、「ガールフレンド」オックスなどです。どちらかと言うと古い曲ばかりです。「また逢う日まで」は、私のカラオケの持ち歌になっていて、今でもよく歌います。
さて、誤嚥性肺炎ですが唾液などが、食道から胃に入る経路ではなく、気道から気管支続いて肺に入り、肺炎を起こすものです。
普通、食べ物や唾液は気管支に入ろうとすると激しくむせて(咳反射)誤嚥を防ぎます。高齢になったり病気になると誤嚥を防ぐ能力が弱くなり、むせることなく気管支に入ってしまいます。誤嚥性肺炎の原因は唾液に混入したデンタルプラーク(歯垢)、歯周ポケット内細菌、咽頭部の細菌の誤嚥です。
要介護者などでは、就寝中に唾液に混入したデンタルプラーク(歯垢)、歯周ポケット内、舌面、口蓋、咽頭部の細菌が気付かないうちに気道に運ばれてしまいます(不顕性誤嚥)。肺胞マクロファージなどは、侵入した細菌を食い殺そうとしますが、複数の菌種が数多く入り込んでくるとその役割を果たすことが出来なくなって肺炎になってしまいます。
上の図にあるように呼吸では、鼻から取り込んだ空気(激しい運動の時や、口呼吸の人は口からも取り入れます)は喉頭蓋が開いて食道入り口をふさいで、気道に入り込み肺へ導入されます。
食べ物を食べたり、唾液を飲み込むときは、喉頭蓋が気道をふさぎ食道へ導入されます。高齢者や、全身疾患で体力低下があると、この喉頭蓋の反応が弱くなって不顕性誤嚥を引き起こします。
誤嚥性肺炎を防ぐには、歯ブラシや舌ブラシによる、歯、舌、口蓋を清掃する習慣が大変重要になります。また、義歯を使用している場合、義歯ブラシを使って歯垢、ぬめりを取り、その後義歯洗浄剤を使い除菌することが重要です。
高齢者介護施設では、口腔ケアを導入している施設のほうが肺炎を予防することが出来ることが判っています。また、最近では全身麻酔の手術で口腔ケアがなされている場合、術後肺炎が減少する事が判っています。