今回は歯の構造について、ちょっとしたお勉強です。
知っておくと「なるほどそうゆう事か」と合点がいきます。どうして歯がしみるんだろう?どうして虫歯になると痛むんだろう?神経を取るとどうなるんだろう?知っておくと、知らない人に自慢げに説明できますよ。
歯の構造
写真(下図参照)は下顎前歯の研磨標本です。
歯髄―歯の真ん中にある歯髄腔にある軟組織で、神経、血管、リンパ管、結合組織からなります。いわゆる神経と言われています。触ると飛び上がるほどの痛みがあります。顎の骨の中を通って脳までつながっています。むし歯がエナメル質と象牙質を溶かし、むし歯菌が象牙細管を通して歯髄に侵入してくると痛みがひどくなります。放置すると、歯髄の中の白血球とむし歯菌が戦争します。その死骸が膿みです。膿がたまってくると内部の圧力が高くなりズキズキ痛くなり夜も眠れなくなります。
象牙質―歯髄を取り囲む硬組織です。歯髄から象牙細管(下図参照)を通じて水分、栄養分が補給されます。モース硬度は5~6です。歯髄と接しているので感覚があります。むし歯などの病変で、エナメル質が溶けたり欠けたりして象牙質がむき出しになると、しみたり違和感を感じるようになります。つまり、この時点で治療をしなさいよと言うセンサーの役割もあります。
エナメル質―象牙質の上部を覆っている硬組織です。歯髄とは接していなので感覚はありません。むし歯になっても、欠けても痛みはありません。硬さは水晶と同じぐらい(モース硬度7)で、その為硬いものでも痛みなくバリバリ噛んで食べることが出来ます。
セメント質―象牙質の下部を覆っている硬組織です。骨と線維性組織でつながっています。車のサスペンションのようにクッション性があります。モース硬度は4~5です。
研磨標本
象牙細管