激しいスポーツをすると大量の汗とともに鉄分が失われます。また着地の時の衝撃で足底の血管が圧迫され赤血球が壊されます。鉄分を考えた食事や場合によりサプリメントが必要になります。今週は藤川徳美先生の精神科医こてつ名誉院長のブログから転載します。
以下引用始め
2024-01-20 10:53:10
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駅伝強豪校の練習で赤血球が壊される
症例は現在、高校一年生、男性。中学二年生の時、起立性調節障害(OD)を発症して当院に通院。初診時、BUN16.7、フェリチン36。1年あまりの治療ですっかり元気になった。元々長距離走が大好きで、R5.4県内の駅伝強豪校に入学した。
R5.4の状況;BUN19.3、フェリチン205とデータは完璧。処方薬は、フェルム、プロマック、ESポリタミン、途中からロゼレム。プロテイン*2、B50、C1000、E400、Mg100、ナイアシンアミド、ベンフォチアミン、Mgスプレーなどを継続。寮に入っている。量では週3回レバーが出る様子。毎日の練習はとてもハードで、夏頃には練習について行けなくなった。
R5.7、BUN18.2、フェリチン106。フェルム(Fe100mg)+Nowアイアン36*1(合計136mg)を、フェルム+Nowアイアン36*3に増量(合計208mg)。プロテイン20g*3に増量。グルタミンパウダー5g*2を追加。その後、体調は回復し、練習もこなせるようになった。
R5.12、体調はとても良く、元気にしている。BUN30.6、フェリチン81。→Nowアイアン6*5に増量を(合計280mg)。聞けば、貧血で体調不良の部員がとても多い様子。
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・9ヶ月前のフェリチン205が、鉄剤を継続しているにも関わらず、81に減っている。長距離走にて足の裏で赤血球が壊されている。
・駅伝部員全員、処方薬フェルム無しなら、プロテイン20g*2+Fe36*5~8飲むべきだろう(Fe合計180~288mg)。週3回のレバーでは全く追いついていない。
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以上引用終わり
激しい運動に伴う発汗や消化管での出血により、体内から鉄が失われます。 足裏に強い衝撃がかかり続けるマラソン、サッカー、剣道など、着地などの動きで足底に繰り返し衝撃が加わり、足裏の血管が圧迫されて血管内で溶血(赤血球の破壊)が起こります。 トレーニングによって筋肉量が増加し、必要とされる鉄が増えた結果、体内の鉄が不足します。
溶血性貧血は貧血の一種で、血管の中を流れる赤血球が破壊される(溶血)ことにより起こります。 これによって貧血に伴う息切れやふらつきの他、眼球が黄色くなったり(黄疸)、胆石、褐色尿などの症状が出現します。