投稿者「wpmaster」のアーカイブ

今週の症例 ミラクルデンチャー 下顎右67左4567欠損

・50代、女性

以前作った義歯が痛くて合わない
金属が見えないぴったり合った義歯を希望

・作製されたミラクルデンチャー

・まず左の3番に合わせます。初めに合わせる所を「キー」と言います。

・次に、右下5番に合わせます。これを「ロック」と言います。ミラクルデンチャーの場合、初めにキーを合わせ、最後にロックを合わせることになります。

・ロックを合わせたところです。

・ミラクルデンチャーを装着しました。金属が見えないので入れ歯とは判りません。

・装着したら、一番大切な噛み合わせの調整をします。噛み合わせがあっていると、少しぐらい適合が甘くても噛めますが、噛み合わせが合っていないといくら適合が合っていても痛くて噛めません。

・次に内面の裏層をします。

義歯はいくら精密に作っても製作過程で誤差が出ます。それを実際の歯肉にぴったり合わせるのが裏層です。やり方はアクリルレジンの粉と液を混ぜてペースト状にして、義歯の内面に盛り付け、口の中に装着して固まるのを待ちます。その後研磨して装着すると、患者さんから「あー、いいです」という言葉がいただけます。

・その後、着脱の練習をして終わります。

・2回目は、ご飯を食べた時の感想を聞いて調整します。

今回はご飯を食べた時の問題は全くなかったのですが、前歯の部分の厚みが気になるとのことで、薄く調整して、よくなったのでこれで様子を見ます。

今週の症例 歯根破折 神経を取った歯は割れる、その2

甘いものを食べると虫歯になります。1番むし歯になるのは砂糖です。次が炭水化物です。タンパク質、脂質は虫歯になりません。具体的に言うとおやつの甘いお菓子が一番むし歯になります。

しかし、皆さん甘いお菓子を我慢できますか?イヤイヤ、歯磨きをちゃんとすればいいじゃないか、という声が聞こえてきますな。実は歯磨きってすごく難しいんですよ。

学生時代に90分間の歯磨き実習の講義がありました。実習が始まる前は皆でこんなつまらん講義よりもっとためになる講義があるよな、などと愚痴を言っていました。実習の内容は、昼ごはんの後いつも通りに歯を磨きます。磨き終えたら歯に染色液を塗ります。歯の噛む面の溝、歯と歯の間(歯間部)、歯の生え際(歯頚部)のむし歯になりやすい部分がどれだけ磨けているか調べます。80%磨けていれば素晴らしいあまりむし歯にならない、60%が一応合格という基準です。40人の学生でだれも合格しなかった。親が歯医者の学生が半分ぐらいいましたが全滅。私にいたっては19%でした。

講義を受けて歯磨きの練習をしました。ブラシの選択、当て方、動かし方、力の入れ方など、実習が終わるとみんな「素晴らしい実習だった」と感激していました。歯磨きがへたくそだったそんな私がなぜむし歯にならなかったのか?おやつをほとんど食べなかったし食べる時はいりこなどを食べて、甘いお菓子は食べていなかったからです。大学に入り、反動で甘いお菓子をいっぱい食べて虫歯になりました。

むし歯や歯周病の勉強が進むとその原因がわかり対処法がわかりました。原因と対処法がわかれば病気は根絶できるなどと甘い考えを持っていましたが、歯医者も必要ない時代が来る、次はどんな仕事をしようかなどと考えていたものです。しかし、甘いものの誘惑はすさまじく手を変え品を変え迫ってきます。残念ながらまだまだ私は歯医者として必要とされているようです。

コメディアンの植木等(もう亡くなられましたが)さんは、根は真面目な方で「すーだら節」を歌うことになった時、こんなふざけた歌を歌っていいんだろうかと悩み、お寺の住職をしていた父親に相談したそうです。父親はこの歌の歌詞を読んで、素晴らしい歌だから是非歌いなさいと後押しされたそうです。「判っちゃいるけどやめられない」本当にふざけた歌ですが名曲です。甘いものは食べるな、塩分控えろ、タバコは吸うな、酒飲むな、などと言われますがやっぱり飲んじゃうんですよね。それ以来「すーだら節」が大好きになりよく鼻歌交じりに歌っています。YouTubeで見れます。最高ですよ。

話を元に戻して、虫歯になると虫歯菌が神経に侵入してきてだんだん痛くなります。痛みを止めるために神経を取ります。(木に例えると枯れ木になりました)根管治療が済んで長持ちするように冠を被せます。(咬合面を部分的に詰めるものは欠け易い、咬合面をすべてカバーしたほうが欠けにくい)一件落着なのですが、実は時限爆弾を抱えているのです。それが歯根破折です。もしも死ぬまで持ったらラッキーと考えましょう。教訓:痛くなくても定期的に歯医者に行きましょう

50代 女性
主訴:噛むと痛い
診断:歯根破折

レントゲンの結果、左下5番が歯根破折を起こしています。6番欠損の5番7番支台の3本ブリッジです。5番は失活歯(神経を取ってある歯)で真っ二つに割れています。割れた歯根の間に白い糸のようなものが2本見えますが、根管の防腐剤です。 

抜歯した5番は真っ二つでした。

2~3ヶ月経って抜歯した部分が治ったら、5番6番欠損、4番7番支台の4本ブリッジになります。4本分の力を2本の支台で支え2倍の力がかかることになるのであまり固いものは控えたほうがいいです。

むし歯がない生活歯(神経が生きている歯)が1番長持ちします。

以前30代の女性の患者さんを診ましたが、その方は甘いものが好きだったんでしょう、ほとんどの歯が失活歯でした。欠損部にインプラントを入れましたが、それから失活歯が次から次へと割れていきました。本当にいたたまれない気持ちになりました。私が診ている時だけでも5~6本歯根破折を起こして抜歯しました。

甘いものが好きな方は神経を取らない、その為にはむし歯にしない、その為には歯が痛くなくても歯医者に行く、定期的にクリーニングに行きましょう。 

今週の症例 ADHD(注意欠如、多動症)の症例

今週の症例は子供のADHD(注意欠如、多動症)についてです。

廿日市市で心療内科を開業されている藤川徳美先生は分子栄養学を駆使してADHDを治療しています。現在大変豊富な治療経験を持っており、最終的には薬に頼らないで治癒に導かれていす。

著書には「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」「親子で始める天才ごはん」「すべての不調は自分で治せる」などたくさんあります。ADHDについてもカウンセリングなどよりも栄養不足で起こるのだから食事を改善するのが先であると言われています。

私も分子栄養学を勉強し始め、理論的に正しいと思ったので取り入れてみました。私はこれはと思ったら1度真似してみます。1か月ほどして変わらなかったら止めます。今回の分子栄養学ではプロテインを1回20グラムを2回、つまり1日40グラムを摂りました。1か月して結果が出ました。

冬になると寝る時毛布を追加して寝ますが、暑くて毛布が要らなかったのです。結局、冬でも毛布なしで寝ることが出来ました。寒さに強くなりました。もう一つは、時々出ていた鼻血が出なくなりました。血管が強くなったのか粘膜が強くなったのか鼻血が出なくなりました。最近では、髪が太くなった感じがします。足がけいれんしなくなりました。年取るとトイレが近くなりますが、少し良くなりました。目の飛蚊症が良くなった。(眼科医の友人は自然に良くなることがあると言っていますが)

それでは、藤川先生の「精神科医こてつ名誉院長のブログ」から転載します。

以下引用始め

コンサータを服用しているADHDの小学6年生

NEW!2022-07-04 07:11:07

テーマ:

発達障害

コンサータ(中枢神経刺激剤)を服用しているADHD(注意欠如、多動症)の小学6年生

症例;小学校6年生、男性。家族構成は両親と二人の妹。保育園の頃から落ち着きがなく、対人トラブルが多い。2年前から登校日の朝コンサータ36mgを服用させている。コンサータを飲むと食欲低下、倦怠感が出る。

母親が本を読み、R4.2当院受診。他院で採血、BUN(尿素窒素、栄養状態を見ます)16.2、フェリチン(貯蔵鉄量)21.3。少し前からプロテイン*2を開始している。卵、肉は大好き。→フェルム(徐放性鉄剤)処方。ナイアシンアミド(ビタミンB群の1種、皮膚炎、下痢、精神神経障害に効果)、C1000(ビタミンC)、Mg100(神経障害に効果)開始。Mg入浴を推奨。

母親;他院で採血、BUN14.1、フェリチンン13.4。少し前からプロテイン20g*2を飲んでいる。→フェルム処方。

1週後再診、プロテイン*2、ナイアシンアミド*3、C1000*3、Mg*4飲めている。Mg入浴も始めた。

R4.4、中学生になった。イライラがなくなり、落ち着いた。素直になり、親子喧嘩が減った。ナイアシンアミド*4。コンサータが36mgが27mgに減量となった。

母親;”疲れにくくなった”。

R4.5、プロテイン20g*3、ナイアシンアミド*4、Mg*4。イライラがなくなり妹たちにも優しく接するようになった。

母親;プロテイン+フェルム+ナイアシンアミド、C1000、Mg。”とても元気になった”。BUN18.4、フェリチン32。

R4.6、穏やかになり、喧嘩が減った。そろそろコンサータが止められそう。

母親;”かなり元気”。

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大切な順は、

1)プロテイン

2)鉄

3)ナイアシンアミド

4)Mg

5)C

小学生以下のお子さんの治療の場合、必ず母親もカルテを作り、平行して治療を行うことを原則としている。そうすると子供より先に母親の方が効果を実感できる。母親が元気になると、イライラして子供に言い過ぎなくなるため、子供も落ち着きやすい。

元記事はこちら

https://www.facebook.com/100003189999578/posts/pfbid037omPc1nVGKLAk3jbmPCiC2BqNe4nBYjBmtBuTCNwmtDwLbUorYLKFgFVNkW7ykJtl/?sfnsn=mo

コンサータ:中枢神経刺激剤

ADHD:注意欠如、多動症

男の子がADHDになりやすい理由

NEW!2022-02-09 07:33:37

テーマ:

発達障害

男の子がADHDになりやすい理由

母親が全員貧血、もしくは鉄不足あり。

1)現在、貧血の治療を受けている。

2)妊娠中貧血があり、フェジンの静注を受けた。

3)貧血は指摘されていないが低フェリチン。

 

ADHDの男の子は全員、母親から引き継いだ鉄不足でフェリチン50未満。女性に比べ男性は鉄不足に極めて脆弱。女性では、フェリチン10未満=最重度鉄不足。フェリチン10~50=鉄不足。男性では、フェリチン50未満=最重度鉄不足。フェリチン50~100=鉄不足。つまり、女の子のフェリチン10~50では無症状だが、男の子のフェリチン50未満はADHDになる。

鉄不足の男の子は、

1)じっと座っていられず、直ぐ走り出してしまう(レストレスレッグス様)。

2)待合室に入った時から、ドンドンと床を踏みならす足音がする。

3)体幹がグニャグニャで、背もたれや壁にもたれ掛かる。

治療は、

1)高タンパク/低糖質食*プロテイン*2。

*母親がプロテイン*2を継続することが最重要、母親が飲まないと子供も飲まない。

2)フェルム、もしくはインクレミン。

3)ナイアシンアミド。

4)マグネシウム、経口+経皮。

5)ビタミンC。

*フェリチンの目標は150~200。

元記事はこちら

https://www.facebook.com/100003189999578/posts/4774908895958730/?sfnsn=mo

以上引用終わり

健康関連のお勧めの本

藤川徳美「すべての不調は自分で治せる」「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」
三石巌「医学常識はウソだらけ」
宗田哲男「体・知能がグングン育つ離乳食」
三島学「糖質制限で頭がいい子になる、三島塾のすごい子育て」
江部康二「糖質制限の大百科」

今週の症例 小児矯正 上顎前突および捻転

男子 7歳11か月

左側の写真、術前。右側の写真、4年4ヶ月後。

術前 7歳11か月

術中 9歳2か月 1年3ヶ月後 あと少しです。

12歳3か月 4年4ヶ月後 うまく並びました。

矯正装置

小児矯正で使用する装置は柔らかい素材の既製のトレーナーです。上顎前突用、下顎前突用、その他いろんなトレーナーがあります。起きている時1時間、寝ている時はずっと使用します。舌や口唇の癖、口呼吸,指しゃぶりなどを治して歯を本来の位置に誘導します。1年に1回トレーナーを新しいものに交換します。状況により頻繁に交換することもあります。

期間

8歳ごろから始めるのが1番効果が高いと言われていますので、7歳11か月でちょうどいい時期です。乳歯がすべて抜けて永久歯になるまでです。平均で5年位です。1ヶ月に1回経過観察をします。写真撮影と歯型を取ります。

経過

1週間で慣れて寝ている時外れなくなりました。あと乳歯が3本抜ければ治療終了になります。

今週の症例 小児矯正 上顎前突

男子 9歳10か月

左側の写真、術前、右側の写真、2年3ヶ月後。

矯正装置

小児矯正で使用する装置は柔らかい素材の既製のトレーナーです。上顎前突用、下顎前突用、その他いろんなトレーナーがあります。起きている時1時間、寝ている時はずっと使用します。舌や口唇の癖、口呼吸,指しゃぶりなどを治して歯を本来の位置に誘導します。1年に1回トレーナーを新しいものに交換します。状況により頻繁に交換することもあります。

期間

8歳ごろから始めるのが1番効果が高いと言われています。 乳歯がすべて抜けて永久歯になるまでです。平均で5年位です。1ヶ月に1回経過観察をします。写真撮影と歯型を取ります。

経過

1週間で慣れて寝ている時外れなくなりました。あと乳歯が4本抜ければ治療終了になります。

今週の症例 歯根破折 神経を取った歯は割れる

甘いものを食べると虫歯になります。1番むし歯になるのは砂糖です。次が炭水化物です。タンパク質、脂質は虫歯になりません。具体的に言うとおやつの甘いお菓子が一番なります。

しかし、皆さん甘いお菓子を我慢できますか?イヤイヤ、歯磨きをちゃんとすればいいじゃないか、という声が聞こえてきますな。実は歯磨きってすごく難しいんです。学生時代に90分間の歯磨き実習の講義がありました。

実習が始まる前は皆でこんなつまらん講義よりもっとためになる講義があるよな、などと愚痴を言っていました。実習の内容は、昼ごはんの後いつも通りに歯を磨きます。磨き終えたら歯に染色液を塗ります。歯の噛む面の溝、歯と歯の間(歯間部)、歯の生え際(歯頚部)のむし歯になりやすい部分がどれだけ磨けているか調べます。80%磨けていれば素晴らしいあまりむし歯にならない、60%が一応合格という基準です。40人の学生でだれも合格しなかったのです。親が歯医者の学生が半分ぐらいいましたが全滅。私にいたっては19%でした。

講義を受けて歯磨きの練習をしました。ブラシの選択、当て方、動かし方、力の入れ方など、実習が終わるとみんな「素晴らしい実習だった」と感激していました。そんな私がなぜむし歯にならなかったのか?おやつをほとんど食べなかったし食べる時はいりこなどを食べていたからです。大学に入り、反動で甘いお菓子をいっぱい食べて虫歯になりました。

むし歯や歯周病の勉強が進むとその原因がわかり対処法がわかりました。原因と対処法がわかれば病気は根絶できるなどと甘い考えを持っていましたが、歯医者も必要ない時代が来る、次はどんな仕事をしようかなどと考えていたものです。残念ながらまだ私は歯医者として必要とされているようです。

コメディアンの植木等(もう亡くなられましたが)さんは、根は真面目な方で「すーだら節」を歌うことになった時、こんなふざけた歌を歌っていいんだろうかと悩み、お寺の住職をしていた父親に相談したそうです。父親はこの歌の歌詞を読んで素晴らしい歌だから是非歌いなさいと後押しされたそうです。「判っちゃいるけどやめられない」本当にふざけた歌ですが名曲です。甘いものは食べるな、塩分控えろ、タバコは吸うな、酒飲むな、などと言われますがやっぱり飲んじゃうんですよね。それ以来「すーだら節」が大好きになりよく鼻歌交じりに歌っています。YouTubeで見れます。最高ですよ。

話を元に戻して、虫歯になると虫歯菌が神経に侵入してきてだんだん痛くなります。痛みを止めるために神経を取ります。(木に例えると枯れ木になりました)根管治療が済んで長持ちするように冠を被せます。一件落着なのですが、実は時限爆弾を抱えているのです。それが歯根破折です。もしも死ぬまで持ったらラッキーと考えましょう。

教訓:痛くなくても定期的に歯医者に行きましょう

60代 男性
主訴:噛むと痛い
診断:歯根破折
レントゲンの結果、右下4番と7番が歯根破折を起こしています。

11年前のレントゲン
11年前はまだ歯根破折を起こしていません

抜歯した7番 完全に割れていました

抜歯した4番 完全に真っ二つです

 

今週のお知らせ 糖質制限食(高タンパク低糖質食)は日本人の標準の食事

糖質制限食で糖尿病を治療している京都高雄病院理事長の江部先生のブログ「糖尿病徒然日記」から転載させていただきます。

江部先生はご自身も糖尿病になり糖質制限食で治癒しています。また病院でも糖質制限食を病院食として提供し治療しています。つらい食事をすることなく薬を飲むこともなく治癒します。

以下引用始め

今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。

実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。北海道ではマンモスも食べていました。

当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。

16000年前から『縄文時代』が始まり、狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。2002年に東京大学の米田穣氏によって、「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。縄文時代は、約13000年くらい続きました。

約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。

スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。

以上引用終わり

現在、糖尿病は人口の1割、予備軍が1割と言われています。糖尿病になると感染しやすくなります。歯を抜いたりする場合は治りが悪く、痛んだり腫れたりひどい場合は入院することもあります。なので、抜歯をする場合などは積極的に抗生剤を服用していただきます。

私が小さい時は、糖尿病はまれな病気でした。贅沢(ぜいたく)病と言ってお金持ちの病気でした。60年経って国民病になりました。小さい時はどこの行くにも歩きか自転車、荷物はリヤカーで運んでいたのでエネルギーはしっかり消費していました。今はどこへ行くにも車です。摂取したエネルギーは消費しきれず余ったエネルギーは脂肪となりぜい肉となります。

タンパク質・脂質・糖質の中で脂肪に変わるのは糖質です。糖質はエネルギー源で使いきれなかった糖質はインシュリンと言うホルモンによって脂肪に替えられ蓄えられます。タンパク質・脂質は人体の構成要素です。必ず食事でとらなければなりません。

糖質制限食は必要なタンパク質・脂質は十分に摂り糖質は控えるものです。実は心臓などの内臓のエネルギー源は脂質です。遭難して飢餓状態になっても生きていられるのは体の脂肪をエネルギーとして使っているからです。つまり糖質の摂取が少ない時は脂質がエネルギー源となります。

糖質が多く、タンパク質・脂質が少ない食事をすると体は不調になり、それが長期間続くと病気になります。あなたの体はあなたが食べたもの、飲んだもの、呼吸したもので出来ています。心して食事をしましょう。

図書:江部康二先生 「糖質制限の大百科」 

宗田哲男先生 「体、知能が伸びる離乳食」

藤川徳美先生 「すべての不調は自分で治せる」等のものを参考にしてください

今週の症例 ミラクルデンチャー 下顎65|56欠損

50代、女性。作製用模型と作製されたミラクルデンチャーです。

キーを合わせます。キーは初めに合わせる部位です。左下4番です。

次にロックを合わせます。ロックは最後に合わせる部位です。右下4番です。

ロックを合わせました。

ミラクルデンチャーが装着されました。

前方から見たところです。入れ歯とは判りません。

ミラクルデンチャー装着には少し時間がかかります。上下のかみ合わせの調整が1番大事です。それから内面の適合状態を調整します。最後にキーとロックがきつくもなく緩くもなく調整出来たら、患者さん自身による着脱の練習をします。今回は比較的に短時間でスムースに着脱できるようになりました。次回は実際にご飯を食べての感想を聞いて微調整をします。

 

 

今週のお知らせ 糖質制限食=高タンパク低糖質食が体によい理由

今週は糖質制限食の第1人者・京都高雄病院理事長の江部先生のブログ「糖尿病徒然日記」から転載させていただきます。

ご自身も糖尿病にかかり糖質制限食で克服しています。糖尿病の患者さんにも糖質制限食を勧められ投薬から解放しています。

以下引用始め

お医者さんがあまり知らない栄養・代謝・生理学的事実と糖質制限食

2023年01月30日 (月)

こんばんは。さすがに、『脳はブドウ糖しかエネルギー源にできない』という戯言をいう
医師や栄養士は減ったと思います。ブログ読者の皆さんは、脳はケトン体を利用できるしもっとも好んでいるということは勿論知ってますよね。

今回のブログは、お医者さんや栄養士さんがあまり知らない、栄養・代謝・生理学的事実を羅列してみました。以下は、全て生理学的事実であり、論争の余地はありません。あるのは、知っているか知らないかの差だけです。

<栄養・代謝>
血糖値を直接上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質は、間接的に血糖値を上昇させる。
③脂質は、血糖値を、全く上昇させない。
④追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
⑤タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでるが、
同時にグルカゴンも分泌されるので、通常は血糖値は変化しない。
⑥脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、でない。
糖質制限食で高血糖は速やかに改善するが、肝臓や腎臓の糖新生などにより血糖値は確保されるので、低血糖にはならない。

<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳は、ケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
心筋・骨格筋など、多くの体細胞は、日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であり、人体を従来の自動車に例えるなら、ガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞は、ミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムを利用できる。
④糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており、生理的なものであって病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。

<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけは、ミトコンドリアがないので、ブドウ糖しか利用できない。
②日常生活で、ブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは、赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮の主エネルギー源」

<肥満改善と糖質制限食>
糖質制限食実践中は、食事中も含めて常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は、追加分泌インスリン(肥満ホルモン)が最小限しか出ない。
③糖質制限食実践中は、食事誘発熱産生(DIT)が、糖質食に比べると増える。
④糖質制限食実践中は肝臓や腎臓でアミノ酸やグリセロールを原料に糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費する。
⑤少なくとも同一カロリー摂取なら、①②③④の4つの利点により、糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。

*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり、血中ケトン体が高値でも利用されるので、尿中や呼気中に排泄されなくなる。

**糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され、①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。

江部康二