
歯科治療で行われる検査の一つにレントゲン撮影があります。
治療を進めるうえで大変有用で欠かせない検査です。歯の状態、骨の状態を調べる検査方法です。いろんな種類のレントゲン撮影がありますが、主に、デンタル撮影とパノラマ撮影があります。
これが、デンタル撮影です。3~4歯が撮影できます。パノラマ撮影と比較してより正確に撮影できます。
これがパノラマ撮影です。
歯は上下全て映ります。下顎骨、上顎骨の一部、顎関節が映るので様々な病気、広い範囲の診断が可能になります。大まかにはこれで十分ですが、より精密に調べる場合はデンタル撮影をします。
さて、時々レントゲンは放射能で怖いから撮りたくないと言われることがあります。レントゲンを何枚もとるとガンにならないか?と言われることもあります。本当のところはどうなのでしょうか?
結論―問題ありません
結論を先に言いますと、気にすることはありません、問題ありません。
理由:話を簡単にするため、宇宙飛行士についてお知らせします。我々は自然放射線を年間2.4mSv(ミリシーベルト)を浴びています。1日0.0066mSv(ミリシーベルト)です。自然放射線は、1:宇宙のかなたから来るもの、2:大地から来るもの、3:建物の材料から放出されるもの、4:食べ物から放出されるものなどがあります。
当院の歯科用デジタル・レントゲンのデンタル撮影では、1枚で0.0005mSv(ミリシーベルト)、パノラマ撮影では、1枚で0.01mSv(ミリシーベルト)です。
さて、宇宙飛行士は宇宙滞在中1日で我々地上に住む者が浴びる放射線の約半年分を浴びています。つまり1日1mSv(ミリシーベルト)を浴びています。ながい滞在で180日間(6か月)なので、連続で合計、我々の90年分を浴びていることになります。180日で180mSv(ミリシーベルト)の放射線が許容されています。
この計算ですと、デンタル撮影では、6か月で360.000枚(36万枚)、パノラマ撮影では、6か月で18.000枚まで(1万8千枚)許容されることになります。
現在までの日本人宇宙飛行士は、11名。秋山、毛利(2回)、向井(2回)、若田(2回)、土井(2回)、野口(3回)、星出、山崎、古川、油井、大西の各氏です。上記の宇宙飛行士がガンになったという話はありませんし、野口氏は2005年、2009年に続いて2020年現在ちょうど3回目の宇宙飛行に入ったばかりで、やはり180日滞在予定です。
また、ラジウム温泉、ラドン温泉は放射線を放出する温泉で、効能には外傷、高血圧、リウマチ、糖尿病、慢性気管支炎、気管支喘息などに効果があると言われています。
動物実験(マウス)もあります。長浜裕章著―「脱原発」を論破するーから引用
以下引用
糖尿病を引き起こす糖尿病マウスを2グループに分けて一方は低線量の放射線を照射して育て(24匹)、もう一方は低線量の放射線を照射しないで育てました(24匹)。
引用以上
しかし、学者の中には放射線は一切浴びないほうが良いとする人もいます。
私はこの説には賛成できません。もしそうであるなら、今頃地球上には、地中や深海にすむ生物しかいないでしょう。いや地中深い場所や深海でも自然放射線は存在するので全滅ですね。
生き物によっては何億年、ヒトは約700万年の歴史があります。
その間、放射線に抵抗性を獲得し、低線量ならむしろ体に有利に働く機能を獲得すると言う進化を遂げた可能性が高いと思います。
結論:医療上必要なレントゲン撮影、湯治としてのラジウム温泉、ラドン温泉に関しては気にする必要はありません。