口の中に出来るちょっとした傷、口内炎。
原因に心当たりがないのに出来たり、ブラシが強く当たった時や、入れ歯が擦れたりすると出来やすいですね。
原因が分かっていればその対策を取れば、例えばブラシがその部分に当たらないようにそっと動かす、入れ歯が当たっていれば(冗談のような言葉使いですが)歯科医院で当たりを調整してもらうなどで、大体2~3日で治ります。
口の中の傷が治りやすいのは「夏井式湿潤治療」で、先日お知らせしたところです。原因がわからないのに口内炎が出来やすい方がいます。以下に当院で作成して、患者さんに渡しているパンフレットをご紹介します。
口内炎について
①:ビタミンB2、ビタミンB6などが不足すると同時に、他の栄養素の同時欠乏によって現れます。
◎ビタミンB2を多く含む食品
野菜類―・干し椎茸(しいたけ)・そら豆 ・春菊 ・大豆加工品(納豆)・竹の子 ・とうもろこし ・ブロッコリー ・マッシュルーム
肉類―・ひつじ肉 ・レバー(牛、鶏)
魚介類―・カレイ ・サバ ・はまぐり ・真いわし(丸干し)・どじょう ・ししゃも
その他―・炒りアーモンド ・乾燥わかめ ・イナゴの佃煮
◎ビタミンB6を多く含む食品
緑葉野菜―・にんじん ・ほうれん草 ・小松菜 ・かぼちゃ
肉 卵黄 牛乳
②:歯磨剤に含まれている合成界面活性剤が口内炎の原因になることがあります。
界面活性剤(石鹸やハンドソープなど)は皮膚に用いると、皮膚の皮脂腺から出る皮脂を取り去ってしまい乾燥状態を招き肌荒れを起こしやすくなります。
きれい好きも度が過ぎると肌に良くありません。また、アトピー性皮膚炎がある方は注意してください。対応策としてはワセリンを塗って乾燥を防ぎます。
ワセリンは皮膚の乾燥に大変効果があります。クリームは逆効果になるそうです。ワセリンに止血効果があることは、すでにお知らせしている所です。
また、界面活性剤(歯磨き剤など)を歯磨き時に使うと、口の中の粘膜や唾液を洗い流してしまい傷つきやすくなってしまいます。その場合、歯磨剤を減らすか、変えてみます。
または毎日使うのをやめて、週2~3回にします。歯磨剤は全く使わなくても虫歯や歯周病にはなりません。歯磨剤のコマーシャルはほとんどが誇大広告で、宣伝しているような効果はあまり期待できません。
一番良い歯磨剤は唾液です。
唾液には体を守る酵素、殺菌物質、免疫物質が豊富に含まれているのです。歯磨剤に含まれる清涼剤によって磨ききれていなくてもさっぱり感があるためだまされてしまいます。
歯磨剤には歯垢を取り除いたり溶かすことは出来ません。ブラシの毛先が当たったところだけがきれいになります。ブラシの毛先を丁寧に動かしてくぼんだ部分や歯と歯の間に当てるようにします。唾液には研磨剤が含まれていないので、歯磨剤を使わないと茶シブが着いて薄汚れたように見えるときは歯磨剤を少し使うのはいいでしょう。
③:唾液の減少により口内炎が起きる場合があります。
唾液には体を守る酵素、殺菌物質、免疫物質が豊富に含まれているのですが、加齢や薬の副作用で唾液が減少すると口内炎が起き易くなります。またむし歯や歯周病にもなり易くなります。
その場合、耳の下辺り、あごの下辺りをマッサージしたり、舌を動かす、唇を動かす運動をすると出やすくなります。薬が原因の場合は薬を変えます。
◎歯科治療―・アフタゾロン軟膏塗布 ・高周波治療 ・レーザー照射 ・針治療
いなだ歯科医院