Author Archives: wpmaster

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 左 4567欠損

模型と作成されたミラクルデンチャー

模型上のミラクルデンチャー

ミラクルデンチャーにはキーとロックと言う概念があります。キーは最初に合わせる所、ロックは最後に合わせる所です。装着するときは必ずキーから合わせます。外すときは必ずロックから外します。この症例では左上3番がキーになります。キーを合わせたところです。

次にロックを合わせます。ロックはワイヤーのリングです。

ロックを合わせたところです。

ミラクルデンチャーを装着したところです。

前方から見たところです。他人から見ると入れ歯を入れているようには見えません。

 

新型コロナウイルス感染症に打ち勝つ 究極のむし歯・歯周病予防

3DS・むし歯菌、歯周病菌の除菌療法(ental rug elivery ystem)

歯に付着するむし歯菌・歯周病菌を除去することで

  • 新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ
  • むし歯・歯周病の予防をします。
  • 口臭を予防します
  • むし歯菌・歯周病菌による歯原性菌血症を予防します
  • 血管を守ります。血管の慢性炎症を防ぎます。
  • 全身疾患(高血圧、糖尿病、肺炎、心疾患、脳卒中など)

を予防します。

方法

  • 上下顎の歯型取り
  • マウスピース作成

クリニック除菌(クリニック3DS、歯科医院で行います)1回目

歯全体をクリーニングしてマウスピースに除菌薬剤を塗布、歯に装着して5分間除菌。むし歯菌・歯周病菌は限りなく0に近づきましたが複雑に並んだ歯の周りでは残念ながら0ではありません。

1匹の菌が30分で1回分裂して増殖し14時間で10万匹になります。このまま放っておくと元の木阿弥です。効果を持続させる為にホーム除菌(家庭での除菌)が必要となります。

ホーム除菌(ホーム3DS、自宅で行います)

1日の歯みがきのうち1回、ていねいに歯みがきをした後マウスピースに除菌薬剤を塗布、歯に装着して5分間除菌します。これを7~10日間続けます。

クリニック除菌(クリニック3DS)2回目

経過観察。再度歯全体をクリーニングしてマウスピースに除菌薬剤を塗布、歯に装着して5分間除菌

上記を1クールとします。

1クールで効果は2カ月から12カ月(1年)続きます。むし歯を予防でき、歯周病を予防、進行した歯周病では進行を止めることが出来ます。また改善もできます。歯原性菌血症による病気も予防できます。毎日継続することをお勧めします。

歯原性菌血症とは?

むし歯が進行して象牙質に達するとむし歯菌が歯髄(神経)の血管に侵入します、また歯周病菌は歯周病が進行して弱った歯肉の血管に侵入します。このようにむし歯菌や歯周病菌が血管に侵入して全身に運ばれることを歯原性菌血症と言います。歯原性菌血症が続くと細菌の害と細菌が産生する毒素によって次のような病気になると考えられています。

ガン、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、高血圧、関節リウマチ、脳脊髄膜炎、心内膜炎、血行性肺炎、急性虫垂炎、肝臓膿瘍、脾臓膿瘍、早産、低体重児出産、アルツハイマー型認知症

出来れば毎日1回はホーム除菌(ホーム3DS)を継続します。また良好な結果を維持していく為には日常の生活習慣を変える必要があります。炭水化物の食べすぎを改善(糖質制限食をお勧めします)砂糖の摂り過ぎに注意(WHO勧告1日25g、調味料を引くと20g)歯みがき・歯肉マッサージを丁寧に(場合により音波ブラシの活用)

費用:¥32.400(税込み、簡易版)

【初期人類は糖質の多い食事をしていた】

700万年前~150万年前:木の葉や果実やベリー類大きな種子や地下の根など植物性食物が主体でした

【人類は氷河期に入って肉食になった】

150万年前~3500年前:狩猟や肉食獣の食べ残しや魚介類など動物性の食糧が増えてきます。少なくとも150万年前くらいから農耕が始まる1万年前くらいまでは、低糖質・高蛋白食であったことになります。各地に貝塚があります。

糖質の摂取量は現代人では1日250から400グラム程度ですが、狩猟採集時代の糖質摂取量は1日10から125gと推定されています。

【農耕が始まって高糖質食に適応するように進化しているが】

3500年前~150年前:日本において農耕が本格的に行われるようになったのは稲作が伝来した弥生時代に入ってからで、今から3000年から3500年くらい前と言われています。

特に近年のような単純糖質が多くグリセミック指数の高い(血糖値を上げやすい)食事には人間は適応する十分な時間を経ていないということです。

【精製した糖質の摂取に現代人は適応できていない】

150年前~現在:問題は、産業革命以降の急速な工業化と、近代における精製した単純糖質の摂取が増えたことです。単純糖質は殆ど糖質で出来上がっている食品で、白米、小麦粉などで代表は砂糖です。

砂糖や異性化糖(でんぷんを酵素などで処理して作ったグルコースとフルクトースの混在した糖)は近代に入るまで人類の食事には無かった食品です。この単純糖質の摂取に対して人間は遺伝的にほとんど無防備な状態です。

精製した糖質の摂取と運動量の減少が肥満や糖尿病、虫歯や歯周病、メタボリック症候群など多くの病気を引き起こしているのは明らかです。このような食事と生活環境の変化が急激に起こったために、人類は適応できていないのが原因となっています。

チンパンジーの脳容積は400㏄程度で、現代人の成人男性の脳容積の平均は約1350㏄です。チンパンジーと同程度の脳容積しかなかった初期人類から、高度の知能をもった現生人類に進化する過程で脳容積は3倍以上に増えました。動物性の栄養素が増えたことが、人類の脳を大きく成長させ、知能の発達に大きく寄与したと言えます。

しかし、農耕が始まってから、成人の平均身長は減少しているという報告があります。また、骨粗しょう症や虫歯も増えています。そして、農耕が始まって人類の歴史の中ではじめて脳の重量が減少していることが報告されています。

現代人の脳容積は、2万数千年前までヨーロッパに存在したネアンデルタール人の脳容積より10%程度小さいことが明らかになっています。その理由としてタンパク質や不飽和脂肪酸の摂取量の減少が指摘されています。

糖質制限食とは

現在の日本の食事では炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素の比率は炭水化物が60%を超えており、残りがたんぱく質、脂質になっています。糖質は炭水化物から食物繊維を引いたものです。

従って、炭水化物の中で糖質の多い主食(白米、パンやめん類、パスタなどの小麦粉製品)を少なくして食物繊維の多い炭水化物(葉物野菜など)が推奨されたんぱく質と脂質を増やすものです。

簡単に言うと主食と甘いおやつを減らして、その分おかずを増やして全体量は減らさないようにします。肉、魚介、卵、チーズなどは積極的に摂ります。

まとめ

新型コロナウイルス感染症について、以前に花田信弘先生(口腔感染症研究の第1人者)の解説を取り上げました。それによれば、一旦ウイルス性肺炎が治まった後、(感染しても、まったく症状の出ない人もたくさんいます)二次的に細菌性肺炎を起こすというパターンが多いというデータが出ています。

つまり、ウイルス性肺炎は軽症なので、二次的な細菌性肺炎を予防すれば重症化しないと言うことです。細菌性の肺炎は血行性肺炎、誤嚥性肺炎があります。進行したむし歯のむし歯菌や、進行した歯周病の歯周病菌が毛細血管から侵入すると血行性の細菌性肺炎が起こりやすくなります。

また口の中がゴミ屋敷のような状態で誤嚥すると誤嚥性肺炎の危険性が高いのです。重症化を防ぐために定期的な歯科受診をお勧めします。

いなだ歯科医院

今週のお知らせ リンゴをどうやって食べる

リンゴを1個もらいました。皆さんはどのように食べますか?

小さい頃はよくリンゴ1個マルマルもらったことがあります。大抵、水洗いしてそのままかぶりついていました。

いろいろな食べ方がありますね。そのまま、丸かじりする。皮をむいて丸かじりする。4分割して種を取り、皮はウサギの形にして食べる。皮をむいて4分割して種を取る。皮をむいて、薄くスライスする。ミキサーでジュースにして飲む。ジューサーにかけてジュースにして飲む。

私の考えでは丸かじりが最高だと思います。ジューサーにかけてジュースにして飲むのは、たまにならいいと思いますが、お勧めできません。

丸かじりが最高だと思う理由

  • 栄養的に優れている。皮も実も食べるので栄養豊富である。
  • 歯ごたえがあるので歯肉を鍛えてくれる。歯周病を予防する。

テレビのグルメ番組を見ていると、タレントが最初に発する言葉は「柔らかい」「一口噛んだだけでとろけてくる」です。このように柔らかいもの、ラーメンなどのめん類が好きな人は、歯肉が柔(やわ)になって歯周病になり、いずれは歯を抜くことになります。泉ピン子氏はすべての歯が無くなりインプラントになっていると言われています。最近の黒柳徹子氏は活舌が悪く、入れ歯が合っていないようなしゃべり方です。

  • 筋肉をよく使うと顎が発達して歯並びが悪くなりにくい。

最近、子供の患者さんのお母さんに聞くと、子供が柔らかいものしか食べないのだそうです。歯ごたえがあっておいしいものを少しずつ増やしていけば食べるようになります。また最近の子供の歯並びを見ると、私の感覚では7~8割が歯並びに問題ありです。歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすくなります。また、歯並びを治すのは精神的にも経済的にも大変な負担がかかります。

食事1回の咀嚼時間比較

日本人の顔の変化

  • 噛むと「こめかみ」が良く動きます。こめかみの深部には血管の集まりがあり、よく噛むことはポンプの働きがあり、脳への血流が豊富になり、頭が良くなります。中高年では認知症になりにくくなります。

 

  • 唾液が良く出る。唾液は体を守るために様々な成分を含んでいます。

消化酵素、殺菌成分、発がん物質を分解する成分、実に様々な体を守る成分に溢れています。ジュースにして飲むと唾液はあまり出ないので実にもったいない話です。

今回は例としてリンゴの食べ方を取り上げましたが、他の食材も、余りにも美味しさと柔らかさを追求するのはほどほどにしたほうが良さそうです。

 

 

今週の症例 トレーナーによる小児矯正

上顎前突および叢生(でこぼこの歯並び)

男子:11才8か月

トレーナーによる小児矯正、理想的な開始時期は7~8才なので、少し遅いですが、本人やる気満々です。起きている時1時間以上、寝ている時はずっとトレーナーを装着します。毎月、経過観察をします。

【2ヶ月後】

少し動いてきました。上前歯のねじれが少し良くなっています。この少年は、毎日忘れることなくトレーナーの装着をしてくれました。これが一番大事です。

【4ヶ月後】

前歯の隙間が無くなりました。噛み合わせが高くなっています。以前は上の前歯の先端が下の前歯の半分以上隠れる位置でしたが、今回は1/3~1/4の一になっています。上下の前歯の噛み合わせが良くなってきました。

【9ヶ月後】

乳歯が抜けて永久歯がそろってきました。

【1年3ヶ月後】

上下の噛み合わせが良くなってきました。

【1年6ヶ月後】

永久歯が生えそろいました。いい歯並びです。

【1年9ヶ月後】

終了に近づいてきました。これからは、春休み、夏休み、冬休みに経過観察です。上顎前突(出っ歯)もなくなり、横顔もナイスな少年になりました。

今週のお知らせ 当院の拡大鏡について

当院では患者さんに施術するときには私をはじめとして全員(歯科医師、歯科衛生士の計9名)が拡大鏡を使用して行っています。

初めて拡大鏡を使ったのは約20年前です。友達がインターネットで買った拡大鏡を使ってみたけど自分には合わないということで私にくれたのです。

使ってみると歯が大きく見えて細かいところもよく見えます。ただ、レンズを通すと少し暗いので照明をうまく当てる必要があります。照明と私の視線が違うので歯に影が出来て治療しにくいのです。

もっといい拡大鏡はないものか思案していたところ、2003年のある勉強会でサージテルの拡大鏡の展示がありました。このサージテルの拡大鏡はテレビで医療系ドラマの番組では手術をする外科医が良く使っているものでした。

ハロゲン球の照明がついており影もほとんどなくよく見えました。初めてなので2.5倍を勧められましたが、3倍を選びました。少々高価でしたがなくてはならないものとなりました。

その後、次女と一緒に診療することになり、3倍は次女に譲り私は8倍を購入しました。このころには照明がハロゲンからLEDに代わり球の交換が必要なくなりました。

数年前からは歯科衛生士用に国産の2.5倍を導入しました。現在、次女は8倍に私は10倍になり大活躍しています。あるとき患者さんから話がありました。

患者さん「先生が使うとる拡大鏡はよう見えそうじゃね?わしも、つこうてみたいのう。なんぼぐらいするんね?」

わたし「これはすごいよう見えるんよ。ただね、高いんよ。〇〇万円するんよ。」

患者さん「そがあに髙いんね。わしの給料の倍じゃが。そりゃー、わしには買えんわ。」

 

3倍拡大鏡

3倍拡大鏡の視野 これでも初めは感動しました。

 

8倍拡大鏡

8倍拡大鏡の視野

 

10倍拡大鏡

 

10倍拡大鏡の視野

 

LED照明を付けるとこんな感じです。10倍拡大鏡で見た感じは、奥歯がゴルフボールぐらいの大きさに見えます。

今週の症例 私の歯磨きの変遷

歯磨き週1時代―高校卒業するまで

高校卒業するまでは、歯磨きは気が向いたとき週1回ぐらいで歯磨き剤は粉でした。

小学校の時は、時々、顔を洗ってきたか?歯磨きしてきたか?を校門で先輩や先生が検査する日があり、その時は歯磨きしていたような記憶があります。

私は高校卒業するまでむし歯はありませんでした。歯科検診でいつも歯医者さんから「上7から7、下7から7まで、よろしい」で終わり、友達にはうらやましがられていました。

どうして虫歯にならなかったのかを分析すると、ご飯は朝昼晩の3回で、おやつを食べる時間を惜しんで遊んでいたのでおやつはあまり食べませんでした。

一番虫歯になる原因は砂糖を食べることです。3食の食事で使われる砂糖の量は約5グラムだと言われています。おやつで取る砂糖は飲み物を含めると何十グラムにもなります。例えば、朝食を食べると歯は表面が少し溶けます。次の昼食まで砂糖が入ってこないと歯の表面は再石灰化により元に戻ります。朝食と昼食の間に砂糖の入った飲み物やおやつを食べると再石灰化は中止され、さらに歯は溶けて昼食までに修復されないのです。これを何日か繰り返すと虫歯が出来ます。

教訓:おやつを食べなければ、又は砂糖を含まないおやつであれば、私のように歯磨きがへたくそでも週1歯磨きでも虫歯になりません。砂糖を使ったお菓子が溢れている現在、甘いおやつを食べないのは大変かもしれません。

歯磨きを毎日した時代―大学入学から歯学部歯磨き実習まで

私の大学生活は寮生活で始まりました。同期の学生たちが洗面所で毎日歯磨きをしています。つられて私も毎日歯磨きをするようになりました。歯磨き粉を付けて1分ほど磨いてうがいをして終了です。

磨き方は自己流です。歯磨き粉がきっとむし歯を防いでくれると信じていました。また、自分の歯は丈夫だからむし歯にはならないとも思っていました。

しかし残念ながら、おやつにお菓子を食べるようになっていたのでとうとう虫歯になってしまいました。

このころ、私はアルバイトをよくしていて給料が入ると、広島の千田町にある「浅野42万石」と言うお菓子屋さんでシュークリームを10個買って、ピーチネクターを買って、一度に食べて飲んでいました。

教訓:おやつにお菓子を食べているといくら歯磨きをしてもむし歯になります。

ブラシの動かし方に気を付けるようになった時代―歯学部歯磨き実習から片山セミナーまで

歯学部の専門課程に入って歯磨き実習がありました。始まる前は、みんな「この実習は要らんだろ」などと言っていましたが、終わった時にはいい実習だったねと、みんなで感激ひとしおでした。

むし歯になりやすい部位は奥歯の噛む面にある溝、歯の生え際、歯と歯の間です。この部位の60%が磨けていれば合格と言う実習でした。誰も合格点に達しなかったし、私は最低点の19点でした。クラスの半分は歯医者の子供でしたが駄目でした。ちなみに私の親族に歯医者はいませんでした。

それから磨き方や、虫歯になる理由、歯磨き剤の話、虫歯予防の話など、実に奥深い実習となりました。この実習以降ていねいな歯磨きを心がけることになりました。

教訓:歯磨きの仕方について歯医者で教えてもらってください。自己流では虫歯予防が出来ません。

歯ブラシだけで、歯磨き剤を使わない歯磨きの時代―片山セミナーとの出会いから現在まで

昭和58年だったと思いますが歯周病の大家である歯科医師・片山恒夫先生が朝日新聞の日曜版に歯周病を治す記事をシリーズで掲載しました。この記事は大変な反響を呼んだそうです。私も切り抜いて保管しました。

なにしろ、歯磨き剤は使うな、使うと歯周病の治りが悪いなどと言うのです。

歯科の専門雑誌を読んでいた時、片山セミナーが開催されていること知り、すぐ電話を掛けました。

紹介者がいないと受け付けられないと言われましたが、私の熱意が通じたのか?それではおいで下さいと受講することが出来ました。1回のセミナーは1泊2日を2回の計4日間です。結局4回セミナーに通ったので合計16日受講しました。考え方、理論、治療方法などを教えていただき、私の歯科人生で最も尊敬できる先生です。

この頃から、歯磨き剤はほとんど使わなくなりました。磨く場所も洗面所から居間の食卓に代わり、今ではパソコンの前で、朝15~30分のながら磨きをしています。

片山先生が歯磨き剤を使わないように指導する理由。

実は歯磨き剤には歯垢を落とす力はありません。初めから使うと香料が入っていて爽快感があるので、それだけで歯がきれいになった感覚があります。その為本当に磨かないといけない部分がおろそかになるのです。

現在の私の歯磨き方法

朝食の後1日1回。15~30分のながら磨き。歯垢が成熟するのに24時間かかると言われています。使用するものは、ブラシと歯間ブラシです。糸ようじ(フロス)は時々使います。歯磨き剤は使いません。

歯磨きする場所は、パソコンの前又はテレビの前です。洗面所にはいきません。

磨き方は、上の奥歯外側から順に少しずつ、気を付けるのは歯と歯の間を意識して小刻みに動かしていきます。上の外側が終わったら、下の外側、次に下の内側、最後に上の内側を磨いて終わります。

毎回この順序で磨きます。読者の皆さんも独自に決めていただき、毎回同じ順序で磨くと磨き残しが無くなります。

ブラシだけで磨くので口中泡だらけになることはありませんが、唾液が出てきますので歯垢ごと飲み込みます。不潔な感じがするかもしれませんが胃液で殺菌されるので問題ありません。気になる方はうがいをしてください。歯磨き剤を使わないので少し歯に茶渋などが付きます。気になるようでしたら最後に歯磨き剤を使ってもいいです。

すべて磨いたら、ちゃんと磨けたかどうかの確認です。これには舌触りを使います。

きれいに磨けていると舌触りはツルっとしています。ヌルっとしたりザラッとした舌触りではまだまだきれいではありません。その部分はもう一度磨きます。

舌が届かない部分は爪楊枝などでこすってみます。本当は染色剤で歯垢を染めるのが一番です。磨き方は自己流になってしまうので歯医者さんで教えてもらってください。

歯医者になってから甘いお菓子を食べることが減りました。患者さんへの説得力が無くなると思ったからです。おやつ自体食べなくなりましたし、砂糖の入った甘いお菓子はほとんど食べません。

教訓:ながら磨きでむし歯も歯周病も予防できます。ながら磨きを習慣にしましょう。

私が推奨する歯磨き方法

毎食後3回ながら磨き、特に夕食後または寝る前に特に時間をかけて下さい。寝ている間は唾液が少なくなりむし歯の危険性が高くなります。

「ながら磨き」が効果的!

――こんな時間を利用してみましょう――

◎「ながら磨き」には、歯みがき剤は使いません。
◎歯垢は毛先が当たって振動することでしか取れません
◎歯磨剤に歯垢を落とす力はありません。ブラシを丁寧に動かして 舌でさわってツルツルになったら完了です。
◎その後に歯みがき剤を使うと効果があります。
◎この習慣をつけるかどうかで、一生自分の歯で噛みつづけられるかが決まります。

壁に貼って「ながら磨き」が習慣になるようにお勧めします。「ながら磨き」はあなたの歯を守ります。

今週のお知らせ いなだ歯科医院の新型コロナ(武漢肺炎)ウイルス感染症に対する感染対策

私が神奈川県相模原市の六地蔵歯科医院(同窓生3家族の共同経営、歯科医師4名)を辞職して、郷里福山に帰って、いなだ歯科医院を開業して32年目になりました。

新規開業にあたって、どのような診療所にするか考えました。治療に関しては、歯列矯正以外をオールラウンドにこなす。その為、東京医科歯科大学同窓会の研修会で勉強し直しました。

また、その当時はまだ珍しかった感染対策を徹底することにしました。当時の一般的な歯科医院の感染対策は、グローブはしない、切削器具は簡易消毒で次の患者さんに使う、ウイルス性疾患の患者さんも一般の患者さんと同じレベルの消毒、消毒液や注射針、注射液を使いまわすところもありました。

開業にあたって、必ず、将来的に感染対策の徹底が必要になるであろうと思っていましたので、感染対策の本を読み、感染対策を徹底している友人の歯科医院を見学して勉強しました。

スタッフには清潔と不潔の区別を徹底し、グローブは全員着用、患者さん毎に交換。歯を削る機械類は一人の患者さんに使ったら簡易消毒ではなく必ず滅菌して、次の患者さんには必ず滅菌済みのものを使うことにしました。そのために、機械類はたくさん本数揃えなければならず資金的に大変でした。

※滅菌とは細菌とウイルスを完全に無くすことです。使用機械は高圧蒸気滅菌機です。その他、病原菌を殺菌する機械には、ガス殺菌器、紫外線殺菌器を使用しています。

このような感染対策は、当時は大変珍しかったので、他の大学同窓会に呼ばれて講演したこともあります。現在の新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎コロナウイルス)感染対策は以下の通りです。

1.消毒

患者さんが歩くあるいは手が触れる場所、玄関まわり、トイレ、スリッパ、待合室、治療台、レントゲン室は抗菌・抗ウイルス剤イータックを使って消毒しています。

※抗菌・抗ウイルス剤イータックは一度消毒すると8日間効果が持続します。月曜日に消毒すれば土曜日まで1週間消毒効果が続きます。イータックは私の母校である広島大学歯学部の二川教授が開発しました。

2.グローブ

歯科医師、歯科衛生士は全員グローブを装着、患者さん一人ずつ交換する。一度使ったグローブは捨てる。現在でも、素手で治療している歯科医院がありますがその場合、術者から患者さん、患者さんから術者へと感染する危険性が高まります。

3.切削器具の滅菌

患者さんの口の中に入るものは消毒と滅菌を徹底します。特に切削器具は高価なので一般的には揃える本数が少なく簡易消毒が一般的でしたが、当院では本数多くそろえて一患者ごとに滅菌することにしています。

4.使い捨て(ディスポーザブル)製品を使用する。

たとえば、口の中の写真を撮って患者さんへの説明に使いますが、その時使う口腔内カメラには透明保護袋を装着して、終わったら保護袋は捨てます。

いなだ歯科医院では上記のような感染対策を取っておりますので、どうぞ安心して受診してください。よろしくお願いいたします。

今週のお知らせ 新型コロナウイルス(武漢肺炎ウイルス)感染症対策について歯科からの提言

新型コロナウイルス感染症の陽性者が過去最高数に達して、今や第2波が訪れたと言われるようになってきました。新型コロナウイルスに関して私が感じたこと。気を付けることは次の通りです。

高齢者、基礎疾患がある人、免疫力が低下している人、栄養に問題のある人は絶対にかからないように努力しないといけません。重症になる可能性が高いです。

免疫力の低下は、睡眠不足、疲労をためること、ストレスをためること、スポーツ選手など体を鍛えすぎることなどが挙げられます。

栄養に問題のある人、すなわち栄養失調の人は元気そうに見えて実は問題を抱えています。私が診た20代後半の男性は足のしびれで立てなくなり入院されました。原因はわからず1週間の点滴で症状は無くなり退院しました。職業ドライバーで食事はコンビニのお弁当で飲み物はコーラをよく飲まれていました。私は食事内容を聞いてピンときました。

そのころ、「現代によみがえる「江戸の病」の食生活」と言う本を読んでいたためいわゆる脚気だと判りました。脚気はビタミンB欠乏症で、昔、帝国陸軍で主食を白米にして多くの兵士がなくなっています。また、徳川14代将軍、家茂も脚気で亡くなっています。患者さんに説明して、ビタミン剤を飲むように勧めました。

いろいろな栄養失調があります。偏った食生活をしている方は気を付けてください。

上記以外の人はあまり気にする必要はないと思います。ただし、感染しても何も症状が出ない場合、知らずに感染源になることがあるので、上記の人たちと濃厚接触しないようにしないといけません。

感染して症状が出ると肺が線維化すると言われています。線維化が進行すると治癒した後も、「息苦しさ」などの後遺症が残るようです。

鶴見大学歯学部の花田教授の考察をかいつまんでお知らせします。

新型コロナウイルスによる肺炎は、一旦ウイルス性肺炎が治まった後、2次的に細菌性肺炎が起こるパターンが多いそうです。つまり、ウイルス単独としてはそれほど強毒性ではないと言われています。

重要なことは、2次的細菌性肺炎を防ぐため口腔衛生を徹底する必要があります。

細菌が肺に行くプロセスは2系統あり、一つは歯周病に代表されるように毛細血管から血流に入ってしまうルート。これは間質性肺炎の危険性が高まります。歯周病やう蝕を予防する歯磨きが必要です。

※間質性肺炎とは肺胞の壁に炎症や損傷が起こるもの。線維化が起こり難治性になることがあります。※肺胞性肺炎とは肺胞に炎症が起きるもの。浸出液が再吸収されれば全く跡を残さない。

もう一つは唾液中の細菌が誤嚥されるは肺胞性肺炎につながります。これには舌磨きが重要です。歯科医師がやるべきことは前述の口腔細菌のコントロール、もう一つが咀嚼系の維持、栄養のコントロールです。

新型コロナウイルスの重症化患者を調べた論文でも、栄養失調の患者が非常に多いと言います。

噛めていない人は栄養失調の可能性が高いことは明らかです。柔らかいものしか食べられない人は、ほとんど炭水化物でカロリーを摂って終わりになりますので、タンパク質とか脂質だとかビタミン、ミネラルが不足しています。そういう方には、きちんと補綴治療を施してあげないといけません。

以下に全文を載せますので是非最後まで読んでみて下さい。なお、文中3DSは当院でもやっております。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 1|1欠損

作成用模型とミラクルデンチャー
この症例ではキーが左上234番がキーとなります。キーは最初に合わせる所です。

キーを合わせたところです。

ロックを合わせようとしています。ロックは最後に合わせる所でこの症例では右上234番です。

ロックを合わせたところです。

ミラクルデンチャーを装着したところです。入れ歯とは判りにくい設計です。この症例は材質がポリカーボネートで、普通に使うアクリルレジンに比べて弾力性があります。壊れた時、アクリルレジンに比べて修理が困難なので壊れにくい設計が必要です。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 74|4567欠損

作成用の石膏模型と完成されたミラクルデンチャーです。

ミラクルデンチャーにはキーとロックと言う概念があります。キーは最初に付ける所で、この症例では左上の3本目の歯ががキーになります。

ロックは最後に付ける所で、この症例では右上の6番目の歯がロックになります。

ロックを合わせて装着したところです。

ミラクルデンチャーを装着したところです。残っている歯に寄り添うように作ってあります。残っている歯とミラクルデンチャーが一体となってよく噛めます。また残っている歯も長持ちします。

ミラクルデンチャーを作るとき気を付けることには

  •  噛み合わせ
  •  歯肉との適合性、ぴったり合っていること
  •  ミラクルデンチャーに異物感がないこと

などがありますが、一番重要なことは 噛み合わせです。この症例も噛み合わせの調整に一番時間を取りました。その日の夜、いいね!とメールをいただきました。

今週のお知らせ 歯周病にお灸が効く

進行した歯周病を治すのは簡単ではありません。虫歯の治療のように口を大きく開けていれば治るものではないからです。患者さんが毎日、食事に気を付け歯磨きを頑張らないと治らないからです。ここまでくれば大丈夫となるのに2年位かかります。

これまでいろんなお知らせをしてきましたが、今週は少し変わり種です。お灸です。

私のお灸経験は幼少期におねしょが治ると、親指の爪の境目にお灸をしたことを強烈に覚えています。効果のほどは覚えていませんが多分あったのでしょう。

 

歯周病の治療に効果があるお灸

女膝(かかとにある)と委中(膝の裏にある)と言うツボにお灸をすると歯周病に効果があると言われています。鍼灸院で施灸してもらうか教えてもらってお灸をして下さい。歯周病が良くなります

 

歯周病の治療に効果がある糖質制限食

もともと肥満解消の為や糖尿病治療の為に始まった治療法ですが歯周病に大変効果があるとの報告が出ています。歯周病以外にもアレルギーや花粉症に大変効果があるようです。簡単に言えば、主食のごはん、パン、麺類などを減らしてその分おかずを増やす方法です。

おやつも砂糖の少ないものを食べます。むし歯予防と歯周病治療になり、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、認知症にも効果があると言われています。

書籍がたくさん出ています。是非読んでみて下さい。

今週のお知らせ スポーツドリンクの罠

以前スポーツドリンクに関して、むし歯と糖尿病の関連についてお知らせしました。

今回新しい知見が発表されたのでお知らせします。また暑くなって飲む機会が増えてくるので絶好の機会と思います。

もう何年も前になりますが、陸上競技(駅伝?長距離の選手)をやっている患者さんに、スポーツドリンクについて説明をしました。するとその選手は「陸上部として決まっているので減らすことはできない。」と言うのです。私は若いころから思ったことをそのまま言ってしまう悪い癖があり、険悪な雰囲気になったことも度々あります。その時もせっかく体のためになると思って言っているのにと言う思いから「だったら、今度陸上部の監督さんと一緒においで、説明してあげるから」と言ってしまいました。結局、監督さんは来ませんでしたが。

以下に以前のお知らせを載せます。

最後に水分補給にスポーツドリンクが適しているわけではなく、水と変わらないとの実験の記事を載せますので、最後までお読みいただけたら嬉しいです。

——————————————————————————————-

今週の症例 むし歯と糖尿病 スポーツドリンクに気を付けよう

——————————————————————————————-

以前、むし歯と脚気について書きました。少し話が変わりますが、むし歯と糖尿病の患者さんの症例も経験しています。この患者さんは50代男性、ドライバーです。むし歯がたくさんあり、約半年をかけてすべてのむし歯を治療しました。

それから1年経ってからまた受診されました。診察して驚きました。むし歯が多発して、歯周病になり歯が動揺していました。驚いて食事について変わったことがないかを質問しましたが、特に何も出てきませんでした。5分くらいあれこれ尋ねましたが特に問題のある食事ではありませんでした。しかし、最後に

「ポカリスウェットは体にいいのでよく飲んでいます」と言われたのです。「それですよ原因は、どれくらい飲みますか?」と質問すると「1日5本は飲みます。」と言われました。後日、この患者さんは糖尿病にかかっていることが分かりました。

またある時、1才の赤ちゃんを連れてお母さんが来院されました。赤ちゃんの歯がいつまでたっても生えてこないとの相談でした。診察すると歯は2本あるのですが根っこ(歯根)だけになっていたのです。

「飲み物は何をあげていますか?」と質問しますと「ポカリスウェットを哺乳瓶で飲ませています。」と答えられました。そこで「歯は生えてきているのですが、ポカリスウェットのせいで歯が出てくるそばから溶けて根っこだけになっています。」と説明しました。

また、昔お世話になった方ですが、あるスポーツマンは缶コーヒーが好きで毎日何本も飲んでいました。むし歯が多発したそうです。数年前、脳梗塞になり少し後遺症が残り、スポーツは無理になったそうです。

スポーツをすると、のどが渇くので、缶コーヒーやスポーツドリンクを飲む方が多いですが、たまに飲むのはいいですが、出来たら控えたほうがいいです。砂糖の取り過ぎは病気の始まりです。

栄養学者の川島先生(故人)は軍隊の行軍で実験したところ、0.5%の食塩水が一番体に良かったと発表されています。水1リットルに海の塩5グラムを溶かしたものです。私はこれを飲んでいますが、少し塩辛いのでもう少し薄めてもいいと思います。

以下は当院で患者さんに渡しているパンフレットです。

ジュース・スポーツドリンクに注意しよう

皆さんは喉が乾いたとき何を飲みますか?水ですか?お茶?それとも…・・スポーツドリンク、ジュース、缶コーヒー、コーラなどの清涼飲料を飲みすぎていませんか?これら清涼飲料にはどのような特徴があるのでしょうか?

① 問題点

酸性度―歯質は、pH5.4以下になると表面のカルシウム分が溶け出します。砂糖分―清涼飲料を飲むと上の前歯に砂糖分が粘りつき、これを細菌が餌にして歯垢を多量に作ります。歯垢は酸をつくって歯の表面を溶かし虫歯を作ります。

② 結論

酸性分と砂糖分のダブルパンチで上の前歯が集中的に虫歯になります。上の前歯が虫歯になるとおしゃべりしたり笑ったとき大変目立ちます。

③ 対策

1)清涼飲料(スポーツドリンク、ジュース、缶コーヒー、コーラ、ヤクルト等)は週2回くらいに減らす。(できれば水、麦茶、牛乳、0,5%食塩水等にしましょう。)

2)必死に歯磨きをする。(歯科医院で歯磨きのこつを教えてもらいましょう。これは重要です。ただし大変難しいです。)

3)ながら磨きのあと使う歯磨剤をフッ素とキシリトール入りのものにする。(フッ素は酸に溶けにくい歯を造ります。キシリトールは歯垢を少なくします。)

 

以下が新しい実験の情報です。

ドクターシミズのひとりごと

ホーム

食事

日常の水分補給にスポーツドリンクを飲んではいけない

2020/6/25 食事, スポーツ

今年も「脱水を起こさないように気を付けよう!」「熱中症対策にこまめに水分補給を!」、というマスコミが騒ぐ季節がやってきました。もちろん汗を掻きやすくなりますから、水分補給が必要になることもあるでしょう。しかし、水分補給をしたから熱中症が防げるわけではありません。(「熱中症予防に水分補給?」参照)

そして、この季節、スポーツドリンクを飲ませようと企業がアピールします。「汗を掻くと、水分だけでなく塩分も失われるから、塩分を含んだスポーツドリンクが最適!」、などと宣伝するため、それを信じてしまう人が非常に多くいるでしょう。

医師でさえ水分補給にスポーツドリンクを勧める人もいるのは非常に残念です。

ある企業は、子供は寝汗を掻くから、寝る前の健康習慣「おやすみ〇〇〇」というとんでもないキャンペーンで、売り上げを上げようとしましたが、すぐにこのキャンペーンは中止になりました。(ここ参照)

スポーツドリンクは子供でも、高齢者でも、どんな人にも日常生活のどんなタイミングでも必要

なものではありません。ましてや健康的なドリンクではありません。赤ちゃんや小さな子供に飲ませてはとんでもないことになる可能性もあります。(「糖質過剰摂取で脚気になる!乳幼児で死亡例もある!スポーツドリンクなんていらない!」を参照)

500mlのスポーツドリンクを飲んだらビックリするくらい血糖値が上昇します。

では、スポーツドリンクは水よりも水分補給に向いているのでしょうか?

今回の研究では、様々なドリンクを比較して、体の水分保持に対する効果を分析しています。beverage hydration index(BHI:飲料水和指数)というもので比較しています。BHIはただの水を摂取した後の尿量をそれぞれのドリンクを飲んだ後の尿量で割ることで求められます。それぞれのドリンクを飲んで尿量が少なければ、その分体に水分が保持されるという考えです。(図は原文より)

上の図はそれぞれのドリンク1リットルを飲んだ後の尿量によって求められたBHIの比較です。横軸のドリンク名は左から、ただの水、炭酸水(無糖)、コーラ、ダイエットコーラ、スポーツドリンク、経口補水液、オレンジジュース、ラガー(ビール)、コーヒー、紅茶、冷たい紅茶、全脂肪乳、スキムミルクです。ただの水を1として、BHIの数値が大きいほど水分保持が大きいことになります。

そうすると、水と比較して有意に大きくなったのは、経口補水液と全脂肪乳、スキムミルクだけでした。経口補水液はかなり多くのナトリウムなどの電解質が入っているからなのでしょうね。牛乳やスキムミルクはタンパク質や脂質が入っているために、吸収がゆっくりになって、その分尿が少なくなった可能性があるのかもしれませんが、4時間尿を採取しているので、これらもそこに含まれる電解質の量によるのかもしれません。

いずれにしても、スポーツドリンクが水に勝って水分保持ができるという結果はありませんでした。つまり、通常の生活の中では何を飲んでも大して水分補給の効果は変わらないことになります。あえて水分を保持したいのであれば、経口補水液か牛乳となるのかもしれません。しかし、通常の生活で経口補水液が必要である場面はほとんど、または全くありません。経口補水液には糖質も入っているので、日常では水やお茶で十分です。

汗で失われる塩分なんて、長時間の激しい運動以外では問題となりません。通常の食事で十分に補給できます。飲み物で補給する必要は全くありません。

企業の戦略に騙されて、脱水予防だと思い、糖質のたっぷり入ったスポーツドリンクを飲むことは明らかに健康に有害です。

「A Randomized Trial to Assess the Potential of Different Beverages to Affect Hydration Status: Development of a Beverage Hydration Index」

「異なる飲料が水和状態に影響を与える可能性を評価するランダム化試験:飲料水和指数の開発」(原文はここ

今週の症例 ミラクルデンチャー 下顎 左下6番欠損

歯が1本なくなった時の治療法はいろいろあります。

 

この方は、これからは自分の歯をもっと大事にしたい、健康な歯を削りたくないということで、取り外しの入れ歯、その中でミラクルデンチャーを選ばれました。ミラクルデンチャーの設計図です。私の設計も悪くはなかったと思いますが、今回は会長の設計変更が入りました。

これまでほとんど設計変更はありませんが、たまに変更されます。オーソドックスな設計でナイスです。

ミラクルデンチャーにはキーとロックの言う概念があります。キーは初めに合わせる部位、ロックは最後に合わせる部位。この症例では7番がキー、5番がロックです。

キーを合わせたところです。

ロックを合わせて装着したところです。

従来の取り外し入れ歯です。ミラクルデンチャーと見た目がずいぶん違います。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 21|1欠損

作成用模型とミラクルデンチャー。ミラクルデンチャーを装着します

初めに合わせる所をキーと言います。今回の症例では左の2345がキーになります。キーをぴったり合わせます。

次にロックを合わせます。最後に合わせる所をロックと言います。

ロックは右の6番です。ぴったり合わせたところです。

装着したところです。

実際の見た目は金属はほとんど見えないので、入れ歯を入れているようには見えません。また従来の入れ歯と比較して、違和感がほとんどなくなります。

今週のお知らせ 知覚過敏 冷たいものがしみる

むし歯になるといろんな症状が出てきます。

初めに冷たいものがしみるようになります。次に温かいものもしみるようになります。さらに進行すると冷たいものはしみなくなり、熱いもので激しい痛みを感じるようになり冷水で冷やすと痛みが軽くなります。最後は何もしなくてもズキズキ痛みます、痛み止めも効かなくなります。

これを我慢していると神経が死んで痛みは無くなりますが、細菌は骨に入り込み骨を溶かしていきます。さて、むし歯がないのに冷たいものがしみる場合、これを知覚過敏と言います。

原因:歯磨剤のつけすぎ(研磨剤)により歯頚部のエナメル質がすり減って象牙質が露出するため。(下の図を参照)

エナメル質は神経とはつながっておらず知覚はありません。だから何を噛んでも痛くありません。象牙質は神経とつながっているため知覚があります。冷たいものがしみたり、触るとピリッとした痛みがあります。

治療:軽い場合は、シミ止めを塗ります。フッ素塗布やシミ止めの入った歯磨剤もあります。下の図のようにすり減っている部分はコンポジットレジン(プラスチック)充填をします。

歯肉炎による噛み合わせの変化によるもの:以下は患者さんに渡しているパンフレットです。

歯肉炎について

  • 「虫歯はない」のにどうして歯が痛くなるの?

虫歯は無いのに噛むと痛い、運動したり飛んだり跳ねたりした時、ツンとしたあるいはズキンとした痛みがある、何となく鈍痛がある、これは一体何でしょうか?歯の病気は大きく分けて二つあります。

  1. 虫歯
  2. 歯周病(歯槽膿漏)―歯肉炎は歯周病の初期症状です。

どちらも原因は歯垢です。ここでは歯周病(歯槽膿漏)について詳しく見ていきましょう。

  • 歯肉炎の痛みについて

痛む理由―歯肉の腫れで歯が少し移動します。動いた歯は他の歯より強くぶつかり神経や歯根膜の充血を起こします。充血がひどくなると刺激に対して大変敏感になり(知覚過敏)、いろんな痛みが起きてきます。

  • 歯肉炎について(まとめ)

  • 歯周病による歯肉退縮

歯周病が進行してくると、歯を支える歯槽骨が溶けて歯肉が下がってきます。歯根露出が始まり象牙質知覚過敏になります。以前にも書きましたが歯肉炎、歯周炎になるのは食べ物がヤワになったからです。よく噛んで食べるものを食べ、歯ブラシで歯肉をマッサージする必要があります。

  • 歯のひび割れ

これは私の歯です。

左の写真:しみて、硬いものを噛むと痛いのでレントゲン撮影したり写真を撮り調べたのですが判りませんでした。出来るだけこの歯で噛まないようにしていました。

右の写真:2年後に歯の一部が欠けました。症状は2年間持続していましたが、どうやらひびが入っていたようです。

原因がわからずしみる症状がいつまでも続く場合、ひび割れであることが結構あります。

治療は軽い場合はコンポジットレジンレジン充填。中程度の場合は、ヒビが進行しないように冠を被せます。痛みが取れない場合は神経を取ります。最終的には冠を被せます。

  • 食べ物による知覚過敏

40代の男性患者さん、前歯が冷たいものでしみると言って来院されました。全くむし歯も歯周病もありません。象牙質の露出もありません。それでいろいろ質問しましたが、食べ物はどんなものを食べているのか聞いたところ、家庭の事情で自分がご飯を作っていて、作るのが面倒なのでラーメンばかり食べているとのことでした。

どうやら、熱いものばかり食べて歯の神経が充血して過敏になっているのではないか?と説明して納得していただき、食事を変えていただくことになりました。

今週のお知らせ 感染対策について

イータック(EtakR)を使って抗菌・抗ウィルス対策を施行しています。イータック(EtakR)は持続型抗菌・抗ウィルス剤で8日間効果があります。

現在、新型コロナウィルス(武漢肺炎)により世界的に感染が拡大して患者が激増しています。日本でもピークを越えたとは言え、第2波などの危険性がまだまだあります。感染することも怖いけれど、経済の停滞で生活も厳しくなっています。

当院では持続型抗菌・抗ウィルス剤のイータック(EtakR)を使って抗菌・抗ウィルス対策を施行しています。

さて、これまでの消毒液(抗菌・抗ウィルス剤)は使用した時に効果を発揮しますが、その効果は一時的で、消毒後に新たに触れた菌やウィルスはその表面で生きています。そのため一日に何度も消毒剤を使用しなければなりませんでした。

イータックを使って消毒をした場合、イータックが定着した表面では、後から付着する菌やウィルスを接触的に除菌、不活化し、8日間にわたって効果が持続することが確認されています。

つまり、一度塗布すれば約1週間効果が持続するので、1週間に一度塗布すればよいのです。

現在、当院では我々歯科医療スタッフと患者さんが接触するドア周辺、スウィッチ類、椅子、スリッパなどを1週間に一度イータック(EtakR)を使って抗菌・抗ウィルス対策を施行しています。

イータック(EtakR)は若干高価ですがインターネットで購入することが出来ます。エーザイからウェットシートやスプレーが販売されています。

最後に少し自慢ですが、わが母校・広島大学歯学部の二川教授が開発しました。また、二川教授はL8020乳酸菌を発見され、L8020乳酸菌飲料などを開発されています。

L8020乳酸菌とは歯周病、むし歯になったことのない健康な子どもの口の中から発見されたヒト由来の乳酸菌です。歯周病菌・むし歯菌の発育を阻止する、制菌効果のある乳酸菌の一種で、ヒトの口腔内から5種類の歯周病菌とむし歯菌・カンジダ菌を効果的に抑制し、口腔内環境を健康に保ちます。

そんなL8020乳酸菌ですが、正式名称は「ラクトバチルスラムノーザスKO3株」という菌種。L8020乳酸菌は満80歳で自分の歯を20本以上保ってほしいという思いを込めて、L8020乳酸菌と名付けられました。

今週のお知らせ 非歯原性疼痛について 歯が原因ではないのに歯が痛いのは? 患者さん「歯茎からソーメンが出てきます」私「えっ、、、」

本当は歯が痛くないけれど、歯に痛みを感じる例がまれにあります。私が経験した歯が原因ではない歯の痛みや歯肉の症状についてお知らせします。

  1. 感覚異常症
  2. 非定形歯痛
  3. 三叉神経痛
  4. 急性上顎洞炎
  5. 帯状疱疹
  6. 舌痛症

1.感覚異常症(口腔内セネストパチー)

これまで数名の口腔内セネストパチー患者さんを診たことがあります。初めての患者さんには、本当にたまげました。

私「今日はどうされましたか?」

患者さん「上の歯の歯ぐきからソーメンが出てきたんです。」

私「えっ、、、、」

もう一万人近くの患者さんを診てきましたが、こんなに驚いたことはありません。

今度はソーメンが出ている最中に来院していただくことにしました。

患者さん「今、ソーメンが出ています。」

私「では見せてください。ん、何もないぞ。」

私「現在、何も出ていませんが、患者さんの感覚では出ているのだと思います。調べてみます。」

学術誌を調べたりしましたが、判りません。インターネットでやっとたどり着きました。東京医科歯科大学の教授が立ち上げたホームページ「踊る歯科心身症のホームページ」で同じような症状の症例が載っていました。

それからは、「砂が出てきた、」「釘が出てきた、」中には「金冠が出てきた」と言う患者さんを診ました。患者さんたちには、「踊る歯科心身症のホームページ」のコピーを見せて納得してもらいました。

原因:判っていません。私の感じでは、やはりどこかの神経伝達物質のが作動ではないかと疑っています。

治療:抗うつ薬が有効と言われています。心療内科、脳外科受診を勧めます。

 

2.非定形歯痛

この患者さんは歯が痛いとはっきり言われてこられました。その歯を診ると全く正常な歯です。そのような場合はいろんな検査をします。レントゲン検査、歯髄検査(弱い電流を流して痛みを感じるか?神経が生きていれば痛みを感じます。感じなければ神経は死んでいる。)麻酔診断などです。しかし判りませんでした。

日を代えて調べてもわかりません。すでに何本かの歯が抜かれていました。患者さんは抜歯を希望されましたが、ヒビが入っているのかもしれないと神経を取りました。それでも痛みは治まりません。その間、同時進行で他の歯を治療しました。すると、痛みが軽くなってくると、今度はまた別の歯が痛いと言われました。

さすがにこれはおかしいと思い、レーザーを当てたりマウスピースを試したりして様子を見ることにしました。

その後、「口腔がん面疼痛を知る」と言う講演会があり参加して、講師の先生に質問したところ、「非定型歯痛で間違いないでしょう。歯を抜かなくてよかったですね、」と言われました。

患者さんはその後来院されていないのでわかりませんが、他の歯科医院で歯を抜いてもらっているかもしれません。同じような患者さんが来た時には、脳外科を紹介して薬を出してもらったこともあります。

原因:まだよく判っていませんが、神経伝達物質の誤作動ではないかと言われています。

治療:抗うつ薬の服用でよくなる事があります。

 

3.三叉神経痛

歯が痛いと言ってもいろんな痛みがあります。一番多いのはむし歯によるものです。初期段階では冷水通です。放置して進行すると冷水痛と温水通の両方が出ます。さらに進行すると温水通が強くなり冷水で冷やすと楽になります。最後は痛みが激しくなり夜も眠れなくなります。

歯周炎の場合は噛むと痛い、腫れてきて痛いなどがあります。

三叉神経痛の場合は 電流が走るような痛みを感じます。顔を洗ったりしたときに痛んだり、冷たい風に吹かれた時などに痛みます。

治療:神経痛の薬を服用します。

 

4.急性上顎洞炎

症状は上顎の歯が焼けつくような痛みを感じることが多いです。歯に問題がない場合は鼻の病気を考えます。

風邪をひいている、鼻汁が出る、鼻の横を軽くノックして痛みがあるなどの症状があれば急性上顎洞炎の可能性が高いです。むし歯がない場合はレントゲン撮影して左右の濃度が違っていれば耳鼻科受診を勧めます。

治療:抗生剤を服用します。耳鼻科受診を勧めます。

 

5.帯状疱疹

帯状疱疹は、体内の水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症します。
主に子どもの頃に、このウイルスにはじめて感染すると、水ぼうそうを発症します。そして、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜んでいます。

普段は体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられているため発症することはありませんが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。そして、ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹(ほっしん)が出る帯状疱疹を発症します。

初期段階では歯が痛いと訴えられますが、しばらく経過を見ていると発疹が出来ると診断がつきます。

治療:抗ウィルス剤の服用

 

6.舌痛症

これも原因は不明で舌に痛みを感じる症状です。

私も何人か舌痛症の患者さんを診ましたが、何も問題がないことをお知らせすると徐々に安心されて治ることが多いです。

なかなか治らない患者さんもいました。大変敏感になって舌が触れる歯がとがっているとのこと

で、その部分をツルツルにして徐々に良くなっていました。1週間に1回治療して何カ月たった時に「もうだいぶん良くなられたので、そろそろおしまいにしてもいいかも知れませんね」と言ったところ、次回に来られた時に患者さんが「この1週間眠れませんでした」と言われました。まだ治っていないのに終わりにされると思われたようで、不安になって眠れなくなったそうです。それからネガティブなことは一切言わないようにして2~3ヶ月後に患者さんから「長い間ありがとうございました。すっかり良くなりました」と言われ終了しました。

原因:判っていません。

私の感じでは、やはりどこかの神経伝達物質の誤作動ではないかと疑っています。

 

以上のようにまだまだ判っていないことがたくさんあります。

一つの考えとして糖質の食べ過ぎではないかとの説があります。

糖尿病の治療は薬とカロリー制限などでなされていますが、昔、まだ糖尿病の薬がなかったころは、糖質制限食が治療法でした。てんかんの治療法も、現在では薬で治療されていますが、厳格なケトン食(糖質制限食)が治療食です。

うつ病も、鉄分不足があるということで、糖質制限食で治療している医師もいます。肉やレバーは鉄分豊富なのです。

今週の症例 ミラクルデンチャー 下顎765|467

作成されたミラクルデンチャー

作成用模型とミラクルデンチャー

右下4番がキーで、まずキーを合わせます。
ミラクルデンチャーでは初めにつける部分をキーと言います。

ロックは左下5番です。リングになっています。
ミラクルデンチャーでは最後につける部分をロックと言います。

ロックがきちんと装着されたところです。
ミラクルデンチャーを外すときはロックから外します。キーからは外せません。

装着されたミラクルデンチャー

見た目、入れ歯とはわかりません。

前から見たところです

実際の見た目は、ほとんど入れ歯とは判りません。異物感が少なく、従来の入れ歯から作り直される患者さんはビックリされます。上顎は前回の1歯残存症例のミラクルデンチャーです。噛み合わせの調整(これが1番大事)をして、内面の調整をして、近日中に経過観察をします。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎1歯残存、13歯欠損

右上3番(犬歯)が1本残っています。

装着前の模型とミラクルデンチャーです。

ミラクルデンチャーでは最初に入れる所をキー、最後に入れる所をロックと言いますが、この症例ではキーとロックは同じになります。ロックを合わせます。

ロックを合わせて装着したところです。

装着されたミラクルデンチャー。口蓋に骨隆起があります。以前の義歯は骨隆起も覆ってありましたが、今回はくりぬいてあるので異物感が大変少なくなっています。

今週のお知らせ 口が渇く時にはダシ昆布 ドライマウス対策

  • 朝起きるといつも口が苦い
  • 舌がヒリヒリして痛い
  • 口の中がベタベタする
  • 物が飲み込みづらい
  • 味が分からない

ドライマウスとは、上記のような症状が出る、唾液の分泌量が減って、口の中が乾燥する病気です。日本人の4人に1人がドライマウスと言われています。高齢者、更年期の女性に多く、高齢者の場合原因の多くは薬の副作用です。更年期の女性の場合はホルモンバランスの変化、ストレスが強くかかった人が成りやすいと言われています。

ドライマウスの影響、以下のような病気や症状を起こすと言われています。

  • 歯周病、糖尿病、掌蹠膿疱症、味覚障害

対策としては

  • 味覚刺激
  • 唾液腺マッサージ

などです。

以下に関連記事を載せます。

唾液腺マッサージドライマウスを改善する身近な食品とは?

query_builder2018/02/13

あなたの健康百科

目次

口の中が「ヒリヒリと灼けるように痛い」「ベタベタ、ネバネバする」-そんな症状が現れれば、ドライマウスの可能性がある。ドライマウスは食べ物の味を感じにくくなる味覚障害などの原因となる恐れもあり、治療が必要だ。東北大学大学院歯学研究科口腔診断学分野教授の笹野高嗣氏は、ドライマウスの改善に有効な、身近な食品を使った独自の治療法を見いだした。

「口が渇く」より「ヒリヒリ」「ネバネバ」の訴え

ドライマウスとは、唾液分泌量が低下し、口内が乾燥した状態になること。加齢や薬の副作用、ストレスなどが原因で、口内のヒリヒリと灼けるような痛みやねばつき、口臭、味覚障害などを引き起こす。

笹野氏によると、ドライマウス患者が言葉通り「口が乾く」と訴えることは少なく、痛みやねばつきを訴える方が多いという。心当たりのある場合、口に水を含んで痛みなどの症状が消えればドライマウスである可能性が高い。

「うま味」に唾液分泌促進作用

唾液を分泌する唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺を含む大唾液腺のほか、歯肉以外の口腔粘膜全体に存在する小唾液腺があるが、笹野氏はこの小唾液腺に着目している。小唾液腺は口腔粘膜の直接的な保護や保湿、再生の役割を担っており、ドライマウスの改善には小唾液腺からの唾液分泌量が重要だという。

さらに、小唾液腺からの唾液分泌には味を感じる味蕾細胞を保護する働きもある。そこで、笹野氏が小唾液腺における唾液分泌と味覚の関係について検討したところ、5基本味(甘味、酸味、苦み、塩味、うま味)のうち、酸味とうま味が唾液分泌量を大幅に増加させ、酸味による効果は一時的だが、うま味の効果は持続性があることが分かった。

図. 小唾液腺からの唾液分泌に対する5基本味の刺激効果

昆布だしのうま味を活用

この結果を踏まえ、笹野氏は「うま味」を活用した独自のドライマウス治療法を発案した。使用するのは、我々日本人に身近な食品でありうま味成分を含む「昆布」で、水500mLに昆布40gを1晩浸してだしを取るだけ。お湯ではなく水を使うことでだしにとろみがつき、保湿効果が生まれる。使い方は、口の乾燥を感じたときなどに1日約10回、30秒間口をすすぎ、そのまま飲んでもよい。訓練を重ねることで、2週間ほどで唾液分泌の改善を実感できるという。

ドライマウスに関して、また新しい報告がなされました。

がん治療で放射線治療をすると唾液が出にくくなることがありますが、この症状にもダシ昆布が有効だということです。