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今週のお知らせ 「うちの子、柔らかいものしか食べないんです」

最近、乳幼児患者さんのむし歯治療をしている時、むし歯予防と歯並びの話を口頭やパンフレットを渡して説明しています。歯ごたえのある食べ物を少しづつ食べるように勧めると「うちの子、柔らかいものしか食べないんです」と訴える保護者が増えています。

テレビのグルメ番組では、タレントやお笑い芸人や俳優が一口食べて第一声「柔らかい」次いで「一口噛んだらほろりと溶けてくる」などとコメントしています。

まるで柔らかくなきゃ美味しくないと言った感じです。

それに対して、私はテレビに向かって「おいおい、そんなものばっかり食っていたら体に悪いぞ。歯周病になるぞ。認知症になるぞ。そんな柔な食べ物は、赤ちゃん、病人、歯のない人、入れ歯で困っている人にあげなさい」などと突っ込みを入れています。大人がこれなので、子供も真似しますよ。

よく噛むと次のような良いことがあります。

  • 顎が発達する。

歯並びが良くなります。今の子供たちは歯並びに問題がある子が70~80%だと感じます。

  • 唾液が良く出ます。

消化酵素、殺菌効果のある成分、発がん物質を無害化するなど、体を守る為の

いろいろな成分を含んでいます。

  • 食べ過ぎを防ぐ。
  • 脳を発達させる。
  • 気持ちを落ち着かせ、集中力を高める。
  • 豊かな表情が生まれる

ではどうしたらいいでしょうか?

2~3歳児

リンゴ、柿、ナシなど少し歯ごたえのあるの果物をあげる。少しづつ硬いものに慣らしていきましょう。

4歳ごろ~

弾力のあるものがいいそうです。セロリ、ゴボウ、レンコンなどの繊維の多いもの。スルメや切り干し大根やたくあん、フランスパン。美味しく調理すれば食べるようになってくれます。また少し硬めのガム(100%キシリトールガム)やグミなどもいいです。

以下の新聞記事にあるようにコンブもいいですよ。家庭では少しのコンブから始めたらいかがでしょうか。「これ食べてからご飯にしようね」など、食前に食べるのがいいかもしれません。

今週のお知らせ 新型コロナ時代のむし歯予防

先日テレビを見ていたら、子供たちが新型コロナウイルス感染症にかからないように自宅待機の間にむし歯が出来、また重症化していると報道していました。

学校に通学している間は、勉強、給食、勉強と規則正しい生活を送っていました。新型コロナウイルス感染症対策のため自宅待機を余儀なくされたため、暇なときついついお菓子をつまんでしまいむし歯が増えたものです。

中高年の人も、子供たちと同じように生活の変化によりむし歯が激増することがあります。例えば、定年退職した人が自宅で長く過ごすと、つい手持無沙汰で甘いお菓子をつまんでしまい、それまであまりむし歯がなかったのに急にむし歯が増えてしまいます。あれどうしたんだろうと思っていると、定年退職だったことが多いです。

この事から判るようにむし歯は生活習慣病です。我々人間の砂糖に対する依存性は大変高いのです。なかなかやめられません。ベルギーの保健大臣は「砂糖は麻薬である」と言ったそうです。

もし砂糖がなかったら、むし歯は激減し、入れ歯になる人が減って、全身の病気(肥満、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、ガンなど)も少なくなり健康寿命はもっと長くなることでしょう。徳川14代将軍・家茂は若くして脚気(ビタミンB1欠乏症)で亡くなりましたが、甘いものが大好きでした。砂糖で殺されたようなものだと私は思っています。

脱灰とは、食物中に含まれる炭水化物(特に砂糖)が細菌により分解され酸がつくられる。その結果、歯垢のpHが低くなり(pH5.6前後以下)エナメル質が溶けます。再石灰化とは、唾液の緩衝作用、洗い流し作用、希釈作用などにより徐々にpHが回復して唾液中のミネラルなどにより溶けたエナメル質が修復されます。

脱灰と再石灰化を比べて再石灰化が大きければむし歯は防ぐことが出来ます。脱灰が大きければ何日か積み重なれば虫歯になります。

1日3食と10時と3時のおやつ、夜食を食べた場合

脱灰が再石灰化を上回っています。この状態が続けばそのうちむし歯が出来ます。

上の図はおやつの回数が増えるほどむし歯が増えることを示しています。甘いおやつを食べないのは大部分の日本人にとって大変つらいことでしょう。

話は変わりますが、今は亡きコメディアン・植木等氏の名曲(迷曲)に「すーだら節」があります。その一節です。 「ちょいと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやら、はしご酒、気が付きゃホームのベンチでごろ寝。これじゃ体に良い訳ないよ。判っちゃいるけどやめられない。あ、それ。スースース-だらだった、スラスラスイスイスイ・・・」

この曲を渡された時、本来まじめな植木等氏は悩んで、お寺の住職であった父親に相談したそうです。「こんなふざけた曲を歌っていいものだろうか?」と、住職の父親は「素晴らしい曲だから、ぜひ歌いなさい」と言ったそうです。

このエピソードを知った時、私は感動しました。「そうだよな、みんな、判っちゃいるけどやめられないの世界で生きてるんだよな」

本題に戻って、それではどうしたらいいのか?甘いものを食べるなとは言いません。なにしろ我々は「すーだら節」の世界に生きているのですから。

勿論、精神的ストレスなく砂糖断ちが出来ればそれが一番ですが。ストレスをためるのはかえって体によくありません。

あるお医者さんは禁煙運動を進めかなりの患者さんを禁煙させることに成功しました。

ところがある時、禁煙した患者さんがどうなったのか、気になり調べたところ、ガンになった患者さんが多かったそうです。禁煙のストレスがかえってガンを引き起こした可能性があると思ったそうです。

対策

  • 食後とおやつの後に100%キシリトールガムを2粒噛む。

この方法は北欧で実際に行われています。

  • 砂糖をキシリトールなどの甘味料に代える。キシリトールのガム、チョコ、グミ、アメなどがあります。

自分でお菓子を作るときもキシリトールなどを使います。コーヒー、紅茶にも使えます。

  • 歯磨きを上手にする。虫歯の原因は直接的には歯垢(細菌の塊)です。

食事やおやつを食べると必ず歯垢が出来、奥歯の噛む面の溝、歯と歯の間、歯と歯肉の境界にいつまでも残ってしまうのです。歯垢は糊のようにネバネバしており、歯磨剤を使っても取れません。歯ブラシが届いて毛先が当たったところだけが歯垢が取れるのです。なので、まず歯ブラシだけで歯垢をきれいにかきとります。舌で触ってツルツルになったら歯垢は取れています。

ツルツルにならない場合は歯石や虫歯があるかもしれないので歯医者さんに行ってください。歯ブラシだけでも十分ですが、茶渋を取りたい、歯を丈夫にしたい方は、高濃度のフッ素が入った歯磨剤を最後に使ってください。

今週の症例 帯状疱疹と歯痛

これまで歯が原因ではないのに歯が痛くなる病気(非歯原性歯痛)についてお知らせしてきましたが、新しく体験した非歯原性歯痛についてお知らせします。

70代の男性患者さん、右上の奥歯がしみて、ずきずき痛むと訴えられて来院されました。早速診察してレントゲンも撮影しました。右上の前から7本目にむし歯があり、麻酔をしたところ痛みがなくなったので神経を取る治療をしてその日は終了しました。

次の予約の日、また痛みが再発したと言われました。まさかと思いながら口の中を診察したところ、右の口蓋に小さな水ぶくれがたくさんできていたのです。これは帯状疱疹の症状です。

私も数年前、帯状疱疹を経験しました。初めは髪を洗った時、違和感を感じる程度でしたが、何日かするとチリチリした焼けつくような痛みに変わりました。ここに至って、いろいろ考えた時、帯状疱疹かもしれないと思いインターネットで検索してみたところ確信に変わりました。

皮膚科内科に予約を入れて受診しました。先生は私の後頭部を診察して「ああ、もうほとんど治っている」と言われ、薬を出してくださいました。今回の患者さんには、進行したむし歯があったので神経を取りましたが、やむを得なかったのかなと思います。もしも、むし歯がなかったら診断に迷ったことでしょう。患者さんには、帯状疱疹であることを説明して、病院への紹介状を書き、受診していただきました。

 

帯状疱疹になると上記の写真のような皮膚症状が出てきます。皮膚症状が出る前では鑑別診断が困難です。

急性の場合【帯状疱疹の経過中に生じる歯痛】について

帯状疱疹の初期症状として、歯の痛みが持続的に続くことがあります。臨床症状としては、ウイルスが歯の神経まで達すると虫歯のない歯にズキズキとした痛みとして感じられ、数日の間に強い痛みへと移行します.

その後、周囲の歯肉や顔面皮膚に赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状(おびじょう)に現れ、刺すような、焼けるような強い痛みを伴います。

【原因】

帯状疱疹の原因は,子供の頃に感染した水ぼうそうのウィルス(水痘帯状疱疹ウイルス)です。幼少期に感染したウィルスは,以後何十年も神経の集まった部分(神経節)に潜んでおり、高齢や病気で免疫力が低下すると再活性化して、帯状疱疹を発症します。

【診察・検査】

水ぶくれに含まれる液のウィスル検査(PCR)や血液検査で、水痘帯状疱疹ウイルスに対する抗体の量を調べることができます。

【治療法】

帯状疱疹性歯痛はウイルス由来の神経の炎症と考えられていますので、原疾患に対して、抗ウイルス薬(塩酸バラシクロビル、アシクロビル)を用い、神経の炎症にはバファリンのような非ステロイド性抗炎症薬やステロイドを処方します。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 左 4567欠損

模型と作成されたミラクルデンチャー

模型上のミラクルデンチャー

ミラクルデンチャーにはキーとロックと言う概念があります。キーは最初に合わせる所、ロックは最後に合わせる所です。装着するときは必ずキーから合わせます。外すときは必ずロックから外します。この症例では左上3番がキーになります。キーを合わせたところです。

次にロックを合わせます。ロックはワイヤーのリングです。

ロックを合わせたところです。

ミラクルデンチャーを装着したところです。

前方から見たところです。他人から見ると入れ歯を入れているようには見えません。

 

新型コロナウイルス感染症に打ち勝つ 究極のむし歯・歯周病予防

3DS・むし歯菌、歯周病菌の除菌療法(ental rug elivery ystem)

歯に付着するむし歯菌・歯周病菌を除去することで

  • 新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ
  • むし歯・歯周病の予防をします。
  • 口臭を予防します
  • むし歯菌・歯周病菌による歯原性菌血症を予防します
  • 血管を守ります。血管の慢性炎症を防ぎます。
  • 全身疾患(高血圧、糖尿病、肺炎、心疾患、脳卒中など)

を予防します。

方法

  • 上下顎の歯型取り
  • マウスピース作成

クリニック除菌(クリニック3DS、歯科医院で行います)1回目

歯全体をクリーニングしてマウスピースに除菌薬剤を塗布、歯に装着して5分間除菌。むし歯菌・歯周病菌は限りなく0に近づきましたが複雑に並んだ歯の周りでは残念ながら0ではありません。

1匹の菌が30分で1回分裂して増殖し14時間で10万匹になります。このまま放っておくと元の木阿弥です。効果を持続させる為にホーム除菌(家庭での除菌)が必要となります。

ホーム除菌(ホーム3DS、自宅で行います)

1日の歯みがきのうち1回、ていねいに歯みがきをした後マウスピースに除菌薬剤を塗布、歯に装着して5分間除菌します。これを7~10日間続けます。

クリニック除菌(クリニック3DS)2回目

経過観察。再度歯全体をクリーニングしてマウスピースに除菌薬剤を塗布、歯に装着して5分間除菌

上記を1クールとします。

1クールで効果は2カ月から12カ月(1年)続きます。むし歯を予防でき、歯周病を予防、進行した歯周病では進行を止めることが出来ます。また改善もできます。歯原性菌血症による病気も予防できます。毎日継続することをお勧めします。

歯原性菌血症とは?

むし歯が進行して象牙質に達するとむし歯菌が歯髄(神経)の血管に侵入します、また歯周病菌は歯周病が進行して弱った歯肉の血管に侵入します。このようにむし歯菌や歯周病菌が血管に侵入して全身に運ばれることを歯原性菌血症と言います。歯原性菌血症が続くと細菌の害と細菌が産生する毒素によって次のような病気になると考えられています。

ガン、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、高血圧、関節リウマチ、脳脊髄膜炎、心内膜炎、血行性肺炎、急性虫垂炎、肝臓膿瘍、脾臓膿瘍、早産、低体重児出産、アルツハイマー型認知症

出来れば毎日1回はホーム除菌(ホーム3DS)を継続します。また良好な結果を維持していく為には日常の生活習慣を変える必要があります。炭水化物の食べすぎを改善(糖質制限食をお勧めします)砂糖の摂り過ぎに注意(WHO勧告1日25g、調味料を引くと20g)歯みがき・歯肉マッサージを丁寧に(場合により音波ブラシの活用)

費用:¥32.400(税込み、簡易版)

【初期人類は糖質の多い食事をしていた】

700万年前~150万年前:木の葉や果実やベリー類大きな種子や地下の根など植物性食物が主体でした

【人類は氷河期に入って肉食になった】

150万年前~3500年前:狩猟や肉食獣の食べ残しや魚介類など動物性の食糧が増えてきます。少なくとも150万年前くらいから農耕が始まる1万年前くらいまでは、低糖質・高蛋白食であったことになります。各地に貝塚があります。

糖質の摂取量は現代人では1日250から400グラム程度ですが、狩猟採集時代の糖質摂取量は1日10から125gと推定されています。

【農耕が始まって高糖質食に適応するように進化しているが】

3500年前~150年前:日本において農耕が本格的に行われるようになったのは稲作が伝来した弥生時代に入ってからで、今から3000年から3500年くらい前と言われています。

特に近年のような単純糖質が多くグリセミック指数の高い(血糖値を上げやすい)食事には人間は適応する十分な時間を経ていないということです。

【精製した糖質の摂取に現代人は適応できていない】

150年前~現在:問題は、産業革命以降の急速な工業化と、近代における精製した単純糖質の摂取が増えたことです。単純糖質は殆ど糖質で出来上がっている食品で、白米、小麦粉などで代表は砂糖です。

砂糖や異性化糖(でんぷんを酵素などで処理して作ったグルコースとフルクトースの混在した糖)は近代に入るまで人類の食事には無かった食品です。この単純糖質の摂取に対して人間は遺伝的にほとんど無防備な状態です。

精製した糖質の摂取と運動量の減少が肥満や糖尿病、虫歯や歯周病、メタボリック症候群など多くの病気を引き起こしているのは明らかです。このような食事と生活環境の変化が急激に起こったために、人類は適応できていないのが原因となっています。

チンパンジーの脳容積は400㏄程度で、現代人の成人男性の脳容積の平均は約1350㏄です。チンパンジーと同程度の脳容積しかなかった初期人類から、高度の知能をもった現生人類に進化する過程で脳容積は3倍以上に増えました。動物性の栄養素が増えたことが、人類の脳を大きく成長させ、知能の発達に大きく寄与したと言えます。

しかし、農耕が始まってから、成人の平均身長は減少しているという報告があります。また、骨粗しょう症や虫歯も増えています。そして、農耕が始まって人類の歴史の中ではじめて脳の重量が減少していることが報告されています。

現代人の脳容積は、2万数千年前までヨーロッパに存在したネアンデルタール人の脳容積より10%程度小さいことが明らかになっています。その理由としてタンパク質や不飽和脂肪酸の摂取量の減少が指摘されています。

糖質制限食とは

現在の日本の食事では炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素の比率は炭水化物が60%を超えており、残りがたんぱく質、脂質になっています。糖質は炭水化物から食物繊維を引いたものです。

従って、炭水化物の中で糖質の多い主食(白米、パンやめん類、パスタなどの小麦粉製品)を少なくして食物繊維の多い炭水化物(葉物野菜など)が推奨されたんぱく質と脂質を増やすものです。

簡単に言うと主食と甘いおやつを減らして、その分おかずを増やして全体量は減らさないようにします。肉、魚介、卵、チーズなどは積極的に摂ります。

まとめ

新型コロナウイルス感染症について、以前に花田信弘先生(口腔感染症研究の第1人者)の解説を取り上げました。それによれば、一旦ウイルス性肺炎が治まった後、(感染しても、まったく症状の出ない人もたくさんいます)二次的に細菌性肺炎を起こすというパターンが多いというデータが出ています。

つまり、ウイルス性肺炎は軽症なので、二次的な細菌性肺炎を予防すれば重症化しないと言うことです。細菌性の肺炎は血行性肺炎、誤嚥性肺炎があります。進行したむし歯のむし歯菌や、進行した歯周病の歯周病菌が毛細血管から侵入すると血行性の細菌性肺炎が起こりやすくなります。

また口の中がゴミ屋敷のような状態で誤嚥すると誤嚥性肺炎の危険性が高いのです。重症化を防ぐために定期的な歯科受診をお勧めします。

いなだ歯科医院

今週のお知らせ リンゴをどうやって食べる

リンゴを1個もらいました。皆さんはどのように食べますか?

小さい頃はよくリンゴ1個マルマルもらったことがあります。大抵、水洗いしてそのままかぶりついていました。

いろいろな食べ方がありますね。そのまま、丸かじりする。皮をむいて丸かじりする。4分割して種を取り、皮はウサギの形にして食べる。皮をむいて4分割して種を取る。皮をむいて、薄くスライスする。ミキサーでジュースにして飲む。ジューサーにかけてジュースにして飲む。

私の考えでは丸かじりが最高だと思います。ジューサーにかけてジュースにして飲むのは、たまにならいいと思いますが、お勧めできません。

丸かじりが最高だと思う理由

  • 栄養的に優れている。皮も実も食べるので栄養豊富である。
  • 歯ごたえがあるので歯肉を鍛えてくれる。歯周病を予防する。

テレビのグルメ番組を見ていると、タレントが最初に発する言葉は「柔らかい」「一口噛んだだけでとろけてくる」です。このように柔らかいもの、ラーメンなどのめん類が好きな人は、歯肉が柔(やわ)になって歯周病になり、いずれは歯を抜くことになります。泉ピン子氏はすべての歯が無くなりインプラントになっていると言われています。最近の黒柳徹子氏は活舌が悪く、入れ歯が合っていないようなしゃべり方です。

  • 筋肉をよく使うと顎が発達して歯並びが悪くなりにくい。

最近、子供の患者さんのお母さんに聞くと、子供が柔らかいものしか食べないのだそうです。歯ごたえがあっておいしいものを少しずつ増やしていけば食べるようになります。また最近の子供の歯並びを見ると、私の感覚では7~8割が歯並びに問題ありです。歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすくなります。また、歯並びを治すのは精神的にも経済的にも大変な負担がかかります。

食事1回の咀嚼時間比較

日本人の顔の変化

  • 噛むと「こめかみ」が良く動きます。こめかみの深部には血管の集まりがあり、よく噛むことはポンプの働きがあり、脳への血流が豊富になり、頭が良くなります。中高年では認知症になりにくくなります。

 

  • 唾液が良く出る。唾液は体を守るために様々な成分を含んでいます。

消化酵素、殺菌成分、発がん物質を分解する成分、実に様々な体を守る成分に溢れています。ジュースにして飲むと唾液はあまり出ないので実にもったいない話です。

今回は例としてリンゴの食べ方を取り上げましたが、他の食材も、余りにも美味しさと柔らかさを追求するのはほどほどにしたほうが良さそうです。

 

 

今週の症例 トレーナーによる小児矯正

上顎前突および叢生(でこぼこの歯並び)

男子:11才8か月

トレーナーによる小児矯正、理想的な開始時期は7~8才なので、少し遅いですが、本人やる気満々です。起きている時1時間以上、寝ている時はずっとトレーナーを装着します。毎月、経過観察をします。

【2ヶ月後】

少し動いてきました。上前歯のねじれが少し良くなっています。この少年は、毎日忘れることなくトレーナーの装着をしてくれました。これが一番大事です。

【4ヶ月後】

前歯の隙間が無くなりました。噛み合わせが高くなっています。以前は上の前歯の先端が下の前歯の半分以上隠れる位置でしたが、今回は1/3~1/4の一になっています。上下の前歯の噛み合わせが良くなってきました。

【9ヶ月後】

乳歯が抜けて永久歯がそろってきました。

【1年3ヶ月後】

上下の噛み合わせが良くなってきました。

【1年6ヶ月後】

永久歯が生えそろいました。いい歯並びです。

【1年9ヶ月後】

終了に近づいてきました。これからは、春休み、夏休み、冬休みに経過観察です。上顎前突(出っ歯)もなくなり、横顔もナイスな少年になりました。

今週のお知らせ 当院の拡大鏡について

当院では患者さんに施術するときには私をはじめとして全員(歯科医師、歯科衛生士の計9名)が拡大鏡を使用して行っています。

初めて拡大鏡を使ったのは約20年前です。友達がインターネットで買った拡大鏡を使ってみたけど自分には合わないということで私にくれたのです。

使ってみると歯が大きく見えて細かいところもよく見えます。ただ、レンズを通すと少し暗いので照明をうまく当てる必要があります。照明と私の視線が違うので歯に影が出来て治療しにくいのです。

もっといい拡大鏡はないものか思案していたところ、2003年のある勉強会でサージテルの拡大鏡の展示がありました。このサージテルの拡大鏡はテレビで医療系ドラマの番組では手術をする外科医が良く使っているものでした。

ハロゲン球の照明がついており影もほとんどなくよく見えました。初めてなので2.5倍を勧められましたが、3倍を選びました。少々高価でしたがなくてはならないものとなりました。

その後、次女と一緒に診療することになり、3倍は次女に譲り私は8倍を購入しました。このころには照明がハロゲンからLEDに代わり球の交換が必要なくなりました。

数年前からは歯科衛生士用に国産の2.5倍を導入しました。現在、次女は8倍に私は10倍になり大活躍しています。あるとき患者さんから話がありました。

患者さん「先生が使うとる拡大鏡はよう見えそうじゃね?わしも、つこうてみたいのう。なんぼぐらいするんね?」

わたし「これはすごいよう見えるんよ。ただね、高いんよ。〇〇万円するんよ。」

患者さん「そがあに髙いんね。わしの給料の倍じゃが。そりゃー、わしには買えんわ。」

 

3倍拡大鏡

3倍拡大鏡の視野 これでも初めは感動しました。

 

8倍拡大鏡

8倍拡大鏡の視野

 

10倍拡大鏡

 

10倍拡大鏡の視野

 

LED照明を付けるとこんな感じです。10倍拡大鏡で見た感じは、奥歯がゴルフボールぐらいの大きさに見えます。

今週の症例 私の歯磨きの変遷

歯磨き週1時代―高校卒業するまで

高校卒業するまでは、歯磨きは気が向いたとき週1回ぐらいで歯磨き剤は粉でした。

小学校の時は、時々、顔を洗ってきたか?歯磨きしてきたか?を校門で先輩や先生が検査する日があり、その時は歯磨きしていたような記憶があります。

私は高校卒業するまでむし歯はありませんでした。歯科検診でいつも歯医者さんから「上7から7、下7から7まで、よろしい」で終わり、友達にはうらやましがられていました。

どうして虫歯にならなかったのかを分析すると、ご飯は朝昼晩の3回で、おやつを食べる時間を惜しんで遊んでいたのでおやつはあまり食べませんでした。

一番虫歯になる原因は砂糖を食べることです。3食の食事で使われる砂糖の量は約5グラムだと言われています。おやつで取る砂糖は飲み物を含めると何十グラムにもなります。例えば、朝食を食べると歯は表面が少し溶けます。次の昼食まで砂糖が入ってこないと歯の表面は再石灰化により元に戻ります。朝食と昼食の間に砂糖の入った飲み物やおやつを食べると再石灰化は中止され、さらに歯は溶けて昼食までに修復されないのです。これを何日か繰り返すと虫歯が出来ます。

教訓:おやつを食べなければ、又は砂糖を含まないおやつであれば、私のように歯磨きがへたくそでも週1歯磨きでも虫歯になりません。砂糖を使ったお菓子が溢れている現在、甘いおやつを食べないのは大変かもしれません。

歯磨きを毎日した時代―大学入学から歯学部歯磨き実習まで

私の大学生活は寮生活で始まりました。同期の学生たちが洗面所で毎日歯磨きをしています。つられて私も毎日歯磨きをするようになりました。歯磨き粉を付けて1分ほど磨いてうがいをして終了です。

磨き方は自己流です。歯磨き粉がきっとむし歯を防いでくれると信じていました。また、自分の歯は丈夫だからむし歯にはならないとも思っていました。

しかし残念ながら、おやつにお菓子を食べるようになっていたのでとうとう虫歯になってしまいました。

このころ、私はアルバイトをよくしていて給料が入ると、広島の千田町にある「浅野42万石」と言うお菓子屋さんでシュークリームを10個買って、ピーチネクターを買って、一度に食べて飲んでいました。

教訓:おやつにお菓子を食べているといくら歯磨きをしてもむし歯になります。

ブラシの動かし方に気を付けるようになった時代―歯学部歯磨き実習から片山セミナーまで

歯学部の専門課程に入って歯磨き実習がありました。始まる前は、みんな「この実習は要らんだろ」などと言っていましたが、終わった時にはいい実習だったねと、みんなで感激ひとしおでした。

むし歯になりやすい部位は奥歯の噛む面にある溝、歯の生え際、歯と歯の間です。この部位の60%が磨けていれば合格と言う実習でした。誰も合格点に達しなかったし、私は最低点の19点でした。クラスの半分は歯医者の子供でしたが駄目でした。ちなみに私の親族に歯医者はいませんでした。

それから磨き方や、虫歯になる理由、歯磨き剤の話、虫歯予防の話など、実に奥深い実習となりました。この実習以降ていねいな歯磨きを心がけることになりました。

教訓:歯磨きの仕方について歯医者で教えてもらってください。自己流では虫歯予防が出来ません。

歯ブラシだけで、歯磨き剤を使わない歯磨きの時代―片山セミナーとの出会いから現在まで

昭和58年だったと思いますが歯周病の大家である歯科医師・片山恒夫先生が朝日新聞の日曜版に歯周病を治す記事をシリーズで掲載しました。この記事は大変な反響を呼んだそうです。私も切り抜いて保管しました。

なにしろ、歯磨き剤は使うな、使うと歯周病の治りが悪いなどと言うのです。

歯科の専門雑誌を読んでいた時、片山セミナーが開催されていること知り、すぐ電話を掛けました。

紹介者がいないと受け付けられないと言われましたが、私の熱意が通じたのか?それではおいで下さいと受講することが出来ました。1回のセミナーは1泊2日を2回の計4日間です。結局4回セミナーに通ったので合計16日受講しました。考え方、理論、治療方法などを教えていただき、私の歯科人生で最も尊敬できる先生です。

この頃から、歯磨き剤はほとんど使わなくなりました。磨く場所も洗面所から居間の食卓に代わり、今ではパソコンの前で、朝15~30分のながら磨きをしています。

片山先生が歯磨き剤を使わないように指導する理由。

実は歯磨き剤には歯垢を落とす力はありません。初めから使うと香料が入っていて爽快感があるので、それだけで歯がきれいになった感覚があります。その為本当に磨かないといけない部分がおろそかになるのです。

現在の私の歯磨き方法

朝食の後1日1回。15~30分のながら磨き。歯垢が成熟するのに24時間かかると言われています。使用するものは、ブラシと歯間ブラシです。糸ようじ(フロス)は時々使います。歯磨き剤は使いません。

歯磨きする場所は、パソコンの前又はテレビの前です。洗面所にはいきません。

磨き方は、上の奥歯外側から順に少しずつ、気を付けるのは歯と歯の間を意識して小刻みに動かしていきます。上の外側が終わったら、下の外側、次に下の内側、最後に上の内側を磨いて終わります。

毎回この順序で磨きます。読者の皆さんも独自に決めていただき、毎回同じ順序で磨くと磨き残しが無くなります。

ブラシだけで磨くので口中泡だらけになることはありませんが、唾液が出てきますので歯垢ごと飲み込みます。不潔な感じがするかもしれませんが胃液で殺菌されるので問題ありません。気になる方はうがいをしてください。歯磨き剤を使わないので少し歯に茶渋などが付きます。気になるようでしたら最後に歯磨き剤を使ってもいいです。

すべて磨いたら、ちゃんと磨けたかどうかの確認です。これには舌触りを使います。

きれいに磨けていると舌触りはツルっとしています。ヌルっとしたりザラッとした舌触りではまだまだきれいではありません。その部分はもう一度磨きます。

舌が届かない部分は爪楊枝などでこすってみます。本当は染色剤で歯垢を染めるのが一番です。磨き方は自己流になってしまうので歯医者さんで教えてもらってください。

歯医者になってから甘いお菓子を食べることが減りました。患者さんへの説得力が無くなると思ったからです。おやつ自体食べなくなりましたし、砂糖の入った甘いお菓子はほとんど食べません。

教訓:ながら磨きでむし歯も歯周病も予防できます。ながら磨きを習慣にしましょう。

私が推奨する歯磨き方法

毎食後3回ながら磨き、特に夕食後または寝る前に特に時間をかけて下さい。寝ている間は唾液が少なくなりむし歯の危険性が高くなります。

「ながら磨き」が効果的!

――こんな時間を利用してみましょう――

◎「ながら磨き」には、歯みがき剤は使いません。
◎歯垢は毛先が当たって振動することでしか取れません
◎歯磨剤に歯垢を落とす力はありません。ブラシを丁寧に動かして 舌でさわってツルツルになったら完了です。
◎その後に歯みがき剤を使うと効果があります。
◎この習慣をつけるかどうかで、一生自分の歯で噛みつづけられるかが決まります。

壁に貼って「ながら磨き」が習慣になるようにお勧めします。「ながら磨き」はあなたの歯を守ります。

今週のお知らせ いなだ歯科医院の新型コロナ(武漢肺炎)ウイルス感染症に対する感染対策

私が神奈川県相模原市の六地蔵歯科医院(同窓生3家族の共同経営、歯科医師4名)を辞職して、郷里福山に帰って、いなだ歯科医院を開業して32年目になりました。

新規開業にあたって、どのような診療所にするか考えました。治療に関しては、歯列矯正以外をオールラウンドにこなす。その為、東京医科歯科大学同窓会の研修会で勉強し直しました。

また、その当時はまだ珍しかった感染対策を徹底することにしました。当時の一般的な歯科医院の感染対策は、グローブはしない、切削器具は簡易消毒で次の患者さんに使う、ウイルス性疾患の患者さんも一般の患者さんと同じレベルの消毒、消毒液や注射針、注射液を使いまわすところもありました。

開業にあたって、必ず、将来的に感染対策の徹底が必要になるであろうと思っていましたので、感染対策の本を読み、感染対策を徹底している友人の歯科医院を見学して勉強しました。

スタッフには清潔と不潔の区別を徹底し、グローブは全員着用、患者さん毎に交換。歯を削る機械類は一人の患者さんに使ったら簡易消毒ではなく必ず滅菌して、次の患者さんには必ず滅菌済みのものを使うことにしました。そのために、機械類はたくさん本数揃えなければならず資金的に大変でした。

※滅菌とは細菌とウイルスを完全に無くすことです。使用機械は高圧蒸気滅菌機です。その他、病原菌を殺菌する機械には、ガス殺菌器、紫外線殺菌器を使用しています。

このような感染対策は、当時は大変珍しかったので、他の大学同窓会に呼ばれて講演したこともあります。現在の新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎コロナウイルス)感染対策は以下の通りです。

1.消毒

患者さんが歩くあるいは手が触れる場所、玄関まわり、トイレ、スリッパ、待合室、治療台、レントゲン室は抗菌・抗ウイルス剤イータックを使って消毒しています。

※抗菌・抗ウイルス剤イータックは一度消毒すると8日間効果が持続します。月曜日に消毒すれば土曜日まで1週間消毒効果が続きます。イータックは私の母校である広島大学歯学部の二川教授が開発しました。

2.グローブ

歯科医師、歯科衛生士は全員グローブを装着、患者さん一人ずつ交換する。一度使ったグローブは捨てる。現在でも、素手で治療している歯科医院がありますがその場合、術者から患者さん、患者さんから術者へと感染する危険性が高まります。

3.切削器具の滅菌

患者さんの口の中に入るものは消毒と滅菌を徹底します。特に切削器具は高価なので一般的には揃える本数が少なく簡易消毒が一般的でしたが、当院では本数多くそろえて一患者ごとに滅菌することにしています。

4.使い捨て(ディスポーザブル)製品を使用する。

たとえば、口の中の写真を撮って患者さんへの説明に使いますが、その時使う口腔内カメラには透明保護袋を装着して、終わったら保護袋は捨てます。

いなだ歯科医院では上記のような感染対策を取っておりますので、どうぞ安心して受診してください。よろしくお願いいたします。