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今週のお知らせ 新型コロナウイルス(武漢肺炎ウイルス)感染症対策について歯科からの提言

新型コロナウイルス感染症の陽性者が過去最高数に達して、今や第2波が訪れたと言われるようになってきました。新型コロナウイルスに関して私が感じたこと。気を付けることは次の通りです。

高齢者、基礎疾患がある人、免疫力が低下している人、栄養に問題のある人は絶対にかからないように努力しないといけません。重症になる可能性が高いです。

免疫力の低下は、睡眠不足、疲労をためること、ストレスをためること、スポーツ選手など体を鍛えすぎることなどが挙げられます。

栄養に問題のある人、すなわち栄養失調の人は元気そうに見えて実は問題を抱えています。私が診た20代後半の男性は足のしびれで立てなくなり入院されました。原因はわからず1週間の点滴で症状は無くなり退院しました。職業ドライバーで食事はコンビニのお弁当で飲み物はコーラをよく飲まれていました。私は食事内容を聞いてピンときました。

そのころ、「現代によみがえる「江戸の病」の食生活」と言う本を読んでいたためいわゆる脚気だと判りました。脚気はビタミンB欠乏症で、昔、帝国陸軍で主食を白米にして多くの兵士がなくなっています。また、徳川14代将軍、家茂も脚気で亡くなっています。患者さんに説明して、ビタミン剤を飲むように勧めました。

いろいろな栄養失調があります。偏った食生活をしている方は気を付けてください。

上記以外の人はあまり気にする必要はないと思います。ただし、感染しても何も症状が出ない場合、知らずに感染源になることがあるので、上記の人たちと濃厚接触しないようにしないといけません。

感染して症状が出ると肺が線維化すると言われています。線維化が進行すると治癒した後も、「息苦しさ」などの後遺症が残るようです。

鶴見大学歯学部の花田教授の考察をかいつまんでお知らせします。

新型コロナウイルスによる肺炎は、一旦ウイルス性肺炎が治まった後、2次的に細菌性肺炎が起こるパターンが多いそうです。つまり、ウイルス単独としてはそれほど強毒性ではないと言われています。

重要なことは、2次的細菌性肺炎を防ぐため口腔衛生を徹底する必要があります。

細菌が肺に行くプロセスは2系統あり、一つは歯周病に代表されるように毛細血管から血流に入ってしまうルート。これは間質性肺炎の危険性が高まります。歯周病やう蝕を予防する歯磨きが必要です。

※間質性肺炎とは肺胞の壁に炎症や損傷が起こるもの。線維化が起こり難治性になることがあります。※肺胞性肺炎とは肺胞に炎症が起きるもの。浸出液が再吸収されれば全く跡を残さない。

もう一つは唾液中の細菌が誤嚥されるは肺胞性肺炎につながります。これには舌磨きが重要です。歯科医師がやるべきことは前述の口腔細菌のコントロール、もう一つが咀嚼系の維持、栄養のコントロールです。

新型コロナウイルスの重症化患者を調べた論文でも、栄養失調の患者が非常に多いと言います。

噛めていない人は栄養失調の可能性が高いことは明らかです。柔らかいものしか食べられない人は、ほとんど炭水化物でカロリーを摂って終わりになりますので、タンパク質とか脂質だとかビタミン、ミネラルが不足しています。そういう方には、きちんと補綴治療を施してあげないといけません。

以下に全文を載せますので是非最後まで読んでみて下さい。なお、文中3DSは当院でもやっております。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 1|1欠損

作成用模型とミラクルデンチャー
この症例ではキーが左上234番がキーとなります。キーは最初に合わせる所です。

キーを合わせたところです。

ロックを合わせようとしています。ロックは最後に合わせる所でこの症例では右上234番です。

ロックを合わせたところです。

ミラクルデンチャーを装着したところです。入れ歯とは判りにくい設計です。この症例は材質がポリカーボネートで、普通に使うアクリルレジンに比べて弾力性があります。壊れた時、アクリルレジンに比べて修理が困難なので壊れにくい設計が必要です。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 74|4567欠損

作成用の石膏模型と完成されたミラクルデンチャーです。

ミラクルデンチャーにはキーとロックと言う概念があります。キーは最初に付ける所で、この症例では左上の3本目の歯ががキーになります。

ロックは最後に付ける所で、この症例では右上の6番目の歯がロックになります。

ロックを合わせて装着したところです。

ミラクルデンチャーを装着したところです。残っている歯に寄り添うように作ってあります。残っている歯とミラクルデンチャーが一体となってよく噛めます。また残っている歯も長持ちします。

ミラクルデンチャーを作るとき気を付けることには

  •  噛み合わせ
  •  歯肉との適合性、ぴったり合っていること
  •  ミラクルデンチャーに異物感がないこと

などがありますが、一番重要なことは 噛み合わせです。この症例も噛み合わせの調整に一番時間を取りました。その日の夜、いいね!とメールをいただきました。

今週のお知らせ 歯周病にお灸が効く

進行した歯周病を治すのは簡単ではありません。虫歯の治療のように口を大きく開けていれば治るものではないからです。患者さんが毎日、食事に気を付け歯磨きを頑張らないと治らないからです。ここまでくれば大丈夫となるのに2年位かかります。

これまでいろんなお知らせをしてきましたが、今週は少し変わり種です。お灸です。

私のお灸経験は幼少期におねしょが治ると、親指の爪の境目にお灸をしたことを強烈に覚えています。効果のほどは覚えていませんが多分あったのでしょう。

 

歯周病の治療に効果があるお灸

女膝(かかとにある)と委中(膝の裏にある)と言うツボにお灸をすると歯周病に効果があると言われています。鍼灸院で施灸してもらうか教えてもらってお灸をして下さい。歯周病が良くなります

 

歯周病の治療に効果がある糖質制限食

もともと肥満解消の為や糖尿病治療の為に始まった治療法ですが歯周病に大変効果があるとの報告が出ています。歯周病以外にもアレルギーや花粉症に大変効果があるようです。簡単に言えば、主食のごはん、パン、麺類などを減らしてその分おかずを増やす方法です。

おやつも砂糖の少ないものを食べます。むし歯予防と歯周病治療になり、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、認知症にも効果があると言われています。

書籍がたくさん出ています。是非読んでみて下さい。

今週のお知らせ スポーツドリンクの罠

以前スポーツドリンクに関して、むし歯と糖尿病の関連についてお知らせしました。

今回新しい知見が発表されたのでお知らせします。また暑くなって飲む機会が増えてくるので絶好の機会と思います。

もう何年も前になりますが、陸上競技(駅伝?長距離の選手)をやっている患者さんに、スポーツドリンクについて説明をしました。するとその選手は「陸上部として決まっているので減らすことはできない。」と言うのです。私は若いころから思ったことをそのまま言ってしまう悪い癖があり、険悪な雰囲気になったことも度々あります。その時もせっかく体のためになると思って言っているのにと言う思いから「だったら、今度陸上部の監督さんと一緒においで、説明してあげるから」と言ってしまいました。結局、監督さんは来ませんでしたが。

以下に以前のお知らせを載せます。

最後に水分補給にスポーツドリンクが適しているわけではなく、水と変わらないとの実験の記事を載せますので、最後までお読みいただけたら嬉しいです。

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今週の症例 むし歯と糖尿病 スポーツドリンクに気を付けよう

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以前、むし歯と脚気について書きました。少し話が変わりますが、むし歯と糖尿病の患者さんの症例も経験しています。この患者さんは50代男性、ドライバーです。むし歯がたくさんあり、約半年をかけてすべてのむし歯を治療しました。

それから1年経ってからまた受診されました。診察して驚きました。むし歯が多発して、歯周病になり歯が動揺していました。驚いて食事について変わったことがないかを質問しましたが、特に何も出てきませんでした。5分くらいあれこれ尋ねましたが特に問題のある食事ではありませんでした。しかし、最後に

「ポカリスウェットは体にいいのでよく飲んでいます」と言われたのです。「それですよ原因は、どれくらい飲みますか?」と質問すると「1日5本は飲みます。」と言われました。後日、この患者さんは糖尿病にかかっていることが分かりました。

またある時、1才の赤ちゃんを連れてお母さんが来院されました。赤ちゃんの歯がいつまでたっても生えてこないとの相談でした。診察すると歯は2本あるのですが根っこ(歯根)だけになっていたのです。

「飲み物は何をあげていますか?」と質問しますと「ポカリスウェットを哺乳瓶で飲ませています。」と答えられました。そこで「歯は生えてきているのですが、ポカリスウェットのせいで歯が出てくるそばから溶けて根っこだけになっています。」と説明しました。

また、昔お世話になった方ですが、あるスポーツマンは缶コーヒーが好きで毎日何本も飲んでいました。むし歯が多発したそうです。数年前、脳梗塞になり少し後遺症が残り、スポーツは無理になったそうです。

スポーツをすると、のどが渇くので、缶コーヒーやスポーツドリンクを飲む方が多いですが、たまに飲むのはいいですが、出来たら控えたほうがいいです。砂糖の取り過ぎは病気の始まりです。

栄養学者の川島先生(故人)は軍隊の行軍で実験したところ、0.5%の食塩水が一番体に良かったと発表されています。水1リットルに海の塩5グラムを溶かしたものです。私はこれを飲んでいますが、少し塩辛いのでもう少し薄めてもいいと思います。

以下は当院で患者さんに渡しているパンフレットです。

ジュース・スポーツドリンクに注意しよう

皆さんは喉が乾いたとき何を飲みますか?水ですか?お茶?それとも…・・スポーツドリンク、ジュース、缶コーヒー、コーラなどの清涼飲料を飲みすぎていませんか?これら清涼飲料にはどのような特徴があるのでしょうか?

① 問題点

酸性度―歯質は、pH5.4以下になると表面のカルシウム分が溶け出します。砂糖分―清涼飲料を飲むと上の前歯に砂糖分が粘りつき、これを細菌が餌にして歯垢を多量に作ります。歯垢は酸をつくって歯の表面を溶かし虫歯を作ります。

② 結論

酸性分と砂糖分のダブルパンチで上の前歯が集中的に虫歯になります。上の前歯が虫歯になるとおしゃべりしたり笑ったとき大変目立ちます。

③ 対策

1)清涼飲料(スポーツドリンク、ジュース、缶コーヒー、コーラ、ヤクルト等)は週2回くらいに減らす。(できれば水、麦茶、牛乳、0,5%食塩水等にしましょう。)

2)必死に歯磨きをする。(歯科医院で歯磨きのこつを教えてもらいましょう。これは重要です。ただし大変難しいです。)

3)ながら磨きのあと使う歯磨剤をフッ素とキシリトール入りのものにする。(フッ素は酸に溶けにくい歯を造ります。キシリトールは歯垢を少なくします。)

 

以下が新しい実験の情報です。

ドクターシミズのひとりごと

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食事

日常の水分補給にスポーツドリンクを飲んではいけない

2020/6/25 食事, スポーツ

今年も「脱水を起こさないように気を付けよう!」「熱中症対策にこまめに水分補給を!」、というマスコミが騒ぐ季節がやってきました。もちろん汗を掻きやすくなりますから、水分補給が必要になることもあるでしょう。しかし、水分補給をしたから熱中症が防げるわけではありません。(「熱中症予防に水分補給?」参照)

そして、この季節、スポーツドリンクを飲ませようと企業がアピールします。「汗を掻くと、水分だけでなく塩分も失われるから、塩分を含んだスポーツドリンクが最適!」、などと宣伝するため、それを信じてしまう人が非常に多くいるでしょう。

医師でさえ水分補給にスポーツドリンクを勧める人もいるのは非常に残念です。

ある企業は、子供は寝汗を掻くから、寝る前の健康習慣「おやすみ〇〇〇」というとんでもないキャンペーンで、売り上げを上げようとしましたが、すぐにこのキャンペーンは中止になりました。(ここ参照)

スポーツドリンクは子供でも、高齢者でも、どんな人にも日常生活のどんなタイミングでも必要

なものではありません。ましてや健康的なドリンクではありません。赤ちゃんや小さな子供に飲ませてはとんでもないことになる可能性もあります。(「糖質過剰摂取で脚気になる!乳幼児で死亡例もある!スポーツドリンクなんていらない!」を参照)

500mlのスポーツドリンクを飲んだらビックリするくらい血糖値が上昇します。

では、スポーツドリンクは水よりも水分補給に向いているのでしょうか?

今回の研究では、様々なドリンクを比較して、体の水分保持に対する効果を分析しています。beverage hydration index(BHI:飲料水和指数)というもので比較しています。BHIはただの水を摂取した後の尿量をそれぞれのドリンクを飲んだ後の尿量で割ることで求められます。それぞれのドリンクを飲んで尿量が少なければ、その分体に水分が保持されるという考えです。(図は原文より)

上の図はそれぞれのドリンク1リットルを飲んだ後の尿量によって求められたBHIの比較です。横軸のドリンク名は左から、ただの水、炭酸水(無糖)、コーラ、ダイエットコーラ、スポーツドリンク、経口補水液、オレンジジュース、ラガー(ビール)、コーヒー、紅茶、冷たい紅茶、全脂肪乳、スキムミルクです。ただの水を1として、BHIの数値が大きいほど水分保持が大きいことになります。

そうすると、水と比較して有意に大きくなったのは、経口補水液と全脂肪乳、スキムミルクだけでした。経口補水液はかなり多くのナトリウムなどの電解質が入っているからなのでしょうね。牛乳やスキムミルクはタンパク質や脂質が入っているために、吸収がゆっくりになって、その分尿が少なくなった可能性があるのかもしれませんが、4時間尿を採取しているので、これらもそこに含まれる電解質の量によるのかもしれません。

いずれにしても、スポーツドリンクが水に勝って水分保持ができるという結果はありませんでした。つまり、通常の生活の中では何を飲んでも大して水分補給の効果は変わらないことになります。あえて水分を保持したいのであれば、経口補水液か牛乳となるのかもしれません。しかし、通常の生活で経口補水液が必要である場面はほとんど、または全くありません。経口補水液には糖質も入っているので、日常では水やお茶で十分です。

汗で失われる塩分なんて、長時間の激しい運動以外では問題となりません。通常の食事で十分に補給できます。飲み物で補給する必要は全くありません。

企業の戦略に騙されて、脱水予防だと思い、糖質のたっぷり入ったスポーツドリンクを飲むことは明らかに健康に有害です。

「A Randomized Trial to Assess the Potential of Different Beverages to Affect Hydration Status: Development of a Beverage Hydration Index」

「異なる飲料が水和状態に影響を与える可能性を評価するランダム化試験:飲料水和指数の開発」(原文はここ

今週の症例 ミラクルデンチャー 下顎 左下6番欠損

歯が1本なくなった時の治療法はいろいろあります。

 

この方は、これからは自分の歯をもっと大事にしたい、健康な歯を削りたくないということで、取り外しの入れ歯、その中でミラクルデンチャーを選ばれました。ミラクルデンチャーの設計図です。私の設計も悪くはなかったと思いますが、今回は会長の設計変更が入りました。

これまでほとんど設計変更はありませんが、たまに変更されます。オーソドックスな設計でナイスです。

ミラクルデンチャーにはキーとロックの言う概念があります。キーは初めに合わせる部位、ロックは最後に合わせる部位。この症例では7番がキー、5番がロックです。

キーを合わせたところです。

ロックを合わせて装着したところです。

従来の取り外し入れ歯です。ミラクルデンチャーと見た目がずいぶん違います。

今週の症例 ミラクルデンチャー 上顎 21|1欠損

作成用模型とミラクルデンチャー。ミラクルデンチャーを装着します

初めに合わせる所をキーと言います。今回の症例では左の2345がキーになります。キーをぴったり合わせます。

次にロックを合わせます。最後に合わせる所をロックと言います。

ロックは右の6番です。ぴったり合わせたところです。

装着したところです。

実際の見た目は金属はほとんど見えないので、入れ歯を入れているようには見えません。また従来の入れ歯と比較して、違和感がほとんどなくなります。

今週のお知らせ 知覚過敏 冷たいものがしみる

むし歯になるといろんな症状が出てきます。

初めに冷たいものがしみるようになります。次に温かいものもしみるようになります。さらに進行すると冷たいものはしみなくなり、熱いもので激しい痛みを感じるようになり冷水で冷やすと痛みが軽くなります。最後は何もしなくてもズキズキ痛みます、痛み止めも効かなくなります。

これを我慢していると神経が死んで痛みは無くなりますが、細菌は骨に入り込み骨を溶かしていきます。さて、むし歯がないのに冷たいものがしみる場合、これを知覚過敏と言います。

原因:歯磨剤のつけすぎ(研磨剤)により歯頚部のエナメル質がすり減って象牙質が露出するため。(下の図を参照)

エナメル質は神経とはつながっておらず知覚はありません。だから何を噛んでも痛くありません。象牙質は神経とつながっているため知覚があります。冷たいものがしみたり、触るとピリッとした痛みがあります。

治療:軽い場合は、シミ止めを塗ります。フッ素塗布やシミ止めの入った歯磨剤もあります。下の図のようにすり減っている部分はコンポジットレジン(プラスチック)充填をします。

歯肉炎による噛み合わせの変化によるもの:以下は患者さんに渡しているパンフレットです。

歯肉炎について

  • 「虫歯はない」のにどうして歯が痛くなるの?

虫歯は無いのに噛むと痛い、運動したり飛んだり跳ねたりした時、ツンとしたあるいはズキンとした痛みがある、何となく鈍痛がある、これは一体何でしょうか?歯の病気は大きく分けて二つあります。

  1. 虫歯
  2. 歯周病(歯槽膿漏)―歯肉炎は歯周病の初期症状です。

どちらも原因は歯垢です。ここでは歯周病(歯槽膿漏)について詳しく見ていきましょう。

  • 歯肉炎の痛みについて

痛む理由―歯肉の腫れで歯が少し移動します。動いた歯は他の歯より強くぶつかり神経や歯根膜の充血を起こします。充血がひどくなると刺激に対して大変敏感になり(知覚過敏)、いろんな痛みが起きてきます。

  • 歯肉炎について(まとめ)

  • 歯周病による歯肉退縮

歯周病が進行してくると、歯を支える歯槽骨が溶けて歯肉が下がってきます。歯根露出が始まり象牙質知覚過敏になります。以前にも書きましたが歯肉炎、歯周炎になるのは食べ物がヤワになったからです。よく噛んで食べるものを食べ、歯ブラシで歯肉をマッサージする必要があります。

  • 歯のひび割れ

これは私の歯です。

左の写真:しみて、硬いものを噛むと痛いのでレントゲン撮影したり写真を撮り調べたのですが判りませんでした。出来るだけこの歯で噛まないようにしていました。

右の写真:2年後に歯の一部が欠けました。症状は2年間持続していましたが、どうやらひびが入っていたようです。

原因がわからずしみる症状がいつまでも続く場合、ひび割れであることが結構あります。

治療は軽い場合はコンポジットレジンレジン充填。中程度の場合は、ヒビが進行しないように冠を被せます。痛みが取れない場合は神経を取ります。最終的には冠を被せます。

  • 食べ物による知覚過敏

40代の男性患者さん、前歯が冷たいものでしみると言って来院されました。全くむし歯も歯周病もありません。象牙質の露出もありません。それでいろいろ質問しましたが、食べ物はどんなものを食べているのか聞いたところ、家庭の事情で自分がご飯を作っていて、作るのが面倒なのでラーメンばかり食べているとのことでした。

どうやら、熱いものばかり食べて歯の神経が充血して過敏になっているのではないか?と説明して納得していただき、食事を変えていただくことになりました。

今週のお知らせ 感染対策について

イータック(EtakR)を使って抗菌・抗ウィルス対策を施行しています。イータック(EtakR)は持続型抗菌・抗ウィルス剤で8日間効果があります。

現在、新型コロナウィルス(武漢肺炎)により世界的に感染が拡大して患者が激増しています。日本でもピークを越えたとは言え、第2波などの危険性がまだまだあります。感染することも怖いけれど、経済の停滞で生活も厳しくなっています。

当院では持続型抗菌・抗ウィルス剤のイータック(EtakR)を使って抗菌・抗ウィルス対策を施行しています。

さて、これまでの消毒液(抗菌・抗ウィルス剤)は使用した時に効果を発揮しますが、その効果は一時的で、消毒後に新たに触れた菌やウィルスはその表面で生きています。そのため一日に何度も消毒剤を使用しなければなりませんでした。

イータックを使って消毒をした場合、イータックが定着した表面では、後から付着する菌やウィルスを接触的に除菌、不活化し、8日間にわたって効果が持続することが確認されています。

つまり、一度塗布すれば約1週間効果が持続するので、1週間に一度塗布すればよいのです。

現在、当院では我々歯科医療スタッフと患者さんが接触するドア周辺、スウィッチ類、椅子、スリッパなどを1週間に一度イータック(EtakR)を使って抗菌・抗ウィルス対策を施行しています。

イータック(EtakR)は若干高価ですがインターネットで購入することが出来ます。エーザイからウェットシートやスプレーが販売されています。

最後に少し自慢ですが、わが母校・広島大学歯学部の二川教授が開発しました。また、二川教授はL8020乳酸菌を発見され、L8020乳酸菌飲料などを開発されています。

L8020乳酸菌とは歯周病、むし歯になったことのない健康な子どもの口の中から発見されたヒト由来の乳酸菌です。歯周病菌・むし歯菌の発育を阻止する、制菌効果のある乳酸菌の一種で、ヒトの口腔内から5種類の歯周病菌とむし歯菌・カンジダ菌を効果的に抑制し、口腔内環境を健康に保ちます。

そんなL8020乳酸菌ですが、正式名称は「ラクトバチルスラムノーザスKO3株」という菌種。L8020乳酸菌は満80歳で自分の歯を20本以上保ってほしいという思いを込めて、L8020乳酸菌と名付けられました。

今週のお知らせ 非歯原性疼痛について 歯が原因ではないのに歯が痛いのは? 患者さん「歯茎からソーメンが出てきます」私「えっ、、、」

本当は歯が痛くないけれど、歯に痛みを感じる例がまれにあります。私が経験した歯が原因ではない歯の痛みや歯肉の症状についてお知らせします。

  1. 感覚異常症
  2. 非定形歯痛
  3. 三叉神経痛
  4. 急性上顎洞炎
  5. 帯状疱疹
  6. 舌痛症

1.感覚異常症(口腔内セネストパチー)

これまで数名の口腔内セネストパチー患者さんを診たことがあります。初めての患者さんには、本当にたまげました。

私「今日はどうされましたか?」

患者さん「上の歯の歯ぐきからソーメンが出てきたんです。」

私「えっ、、、、」

もう一万人近くの患者さんを診てきましたが、こんなに驚いたことはありません。

今度はソーメンが出ている最中に来院していただくことにしました。

患者さん「今、ソーメンが出ています。」

私「では見せてください。ん、何もないぞ。」

私「現在、何も出ていませんが、患者さんの感覚では出ているのだと思います。調べてみます。」

学術誌を調べたりしましたが、判りません。インターネットでやっとたどり着きました。東京医科歯科大学の教授が立ち上げたホームページ「踊る歯科心身症のホームページ」で同じような症状の症例が載っていました。

それからは、「砂が出てきた、」「釘が出てきた、」中には「金冠が出てきた」と言う患者さんを診ました。患者さんたちには、「踊る歯科心身症のホームページ」のコピーを見せて納得してもらいました。

原因:判っていません。私の感じでは、やはりどこかの神経伝達物質のが作動ではないかと疑っています。

治療:抗うつ薬が有効と言われています。心療内科、脳外科受診を勧めます。

 

2.非定形歯痛

この患者さんは歯が痛いとはっきり言われてこられました。その歯を診ると全く正常な歯です。そのような場合はいろんな検査をします。レントゲン検査、歯髄検査(弱い電流を流して痛みを感じるか?神経が生きていれば痛みを感じます。感じなければ神経は死んでいる。)麻酔診断などです。しかし判りませんでした。

日を代えて調べてもわかりません。すでに何本かの歯が抜かれていました。患者さんは抜歯を希望されましたが、ヒビが入っているのかもしれないと神経を取りました。それでも痛みは治まりません。その間、同時進行で他の歯を治療しました。すると、痛みが軽くなってくると、今度はまた別の歯が痛いと言われました。

さすがにこれはおかしいと思い、レーザーを当てたりマウスピースを試したりして様子を見ることにしました。

その後、「口腔がん面疼痛を知る」と言う講演会があり参加して、講師の先生に質問したところ、「非定型歯痛で間違いないでしょう。歯を抜かなくてよかったですね、」と言われました。

患者さんはその後来院されていないのでわかりませんが、他の歯科医院で歯を抜いてもらっているかもしれません。同じような患者さんが来た時には、脳外科を紹介して薬を出してもらったこともあります。

原因:まだよく判っていませんが、神経伝達物質の誤作動ではないかと言われています。

治療:抗うつ薬の服用でよくなる事があります。

 

3.三叉神経痛

歯が痛いと言ってもいろんな痛みがあります。一番多いのはむし歯によるものです。初期段階では冷水通です。放置して進行すると冷水痛と温水通の両方が出ます。さらに進行すると温水通が強くなり冷水で冷やすと楽になります。最後は痛みが激しくなり夜も眠れなくなります。

歯周炎の場合は噛むと痛い、腫れてきて痛いなどがあります。

三叉神経痛の場合は 電流が走るような痛みを感じます。顔を洗ったりしたときに痛んだり、冷たい風に吹かれた時などに痛みます。

治療:神経痛の薬を服用します。

 

4.急性上顎洞炎

症状は上顎の歯が焼けつくような痛みを感じることが多いです。歯に問題がない場合は鼻の病気を考えます。

風邪をひいている、鼻汁が出る、鼻の横を軽くノックして痛みがあるなどの症状があれば急性上顎洞炎の可能性が高いです。むし歯がない場合はレントゲン撮影して左右の濃度が違っていれば耳鼻科受診を勧めます。

治療:抗生剤を服用します。耳鼻科受診を勧めます。

 

5.帯状疱疹

帯状疱疹は、体内の水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが活動を再開することで発症します。
主に子どもの頃に、このウイルスにはじめて感染すると、水ぼうそうを発症します。そして、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜んでいます。

普段は体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられているため発症することはありませんが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。そして、ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹(ほっしん)が出る帯状疱疹を発症します。

初期段階では歯が痛いと訴えられますが、しばらく経過を見ていると発疹が出来ると診断がつきます。

治療:抗ウィルス剤の服用

 

6.舌痛症

これも原因は不明で舌に痛みを感じる症状です。

私も何人か舌痛症の患者さんを診ましたが、何も問題がないことをお知らせすると徐々に安心されて治ることが多いです。

なかなか治らない患者さんもいました。大変敏感になって舌が触れる歯がとがっているとのこと

で、その部分をツルツルにして徐々に良くなっていました。1週間に1回治療して何カ月たった時に「もうだいぶん良くなられたので、そろそろおしまいにしてもいいかも知れませんね」と言ったところ、次回に来られた時に患者さんが「この1週間眠れませんでした」と言われました。まだ治っていないのに終わりにされると思われたようで、不安になって眠れなくなったそうです。それからネガティブなことは一切言わないようにして2~3ヶ月後に患者さんから「長い間ありがとうございました。すっかり良くなりました」と言われ終了しました。

原因:判っていません。

私の感じでは、やはりどこかの神経伝達物質の誤作動ではないかと疑っています。

 

以上のようにまだまだ判っていないことがたくさんあります。

一つの考えとして糖質の食べ過ぎではないかとの説があります。

糖尿病の治療は薬とカロリー制限などでなされていますが、昔、まだ糖尿病の薬がなかったころは、糖質制限食が治療法でした。てんかんの治療法も、現在では薬で治療されていますが、厳格なケトン食(糖質制限食)が治療食です。

うつ病も、鉄分不足があるということで、糖質制限食で治療している医師もいます。肉やレバーは鉄分豊富なのです。